●8.社会・報道・ドキュメント

2009年12月19日 (土)

■片山右京、富士山で遭難。生きて還ることの勇気。

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■片山右京が冬の富士山で遭難し、息を引き取った仲間2人を残して下山してきたという。

そもそもが無謀な行為であったのだ。

このニュースを聞いたとき、正直そう思った。

その軽率を非難することは容易だ。

けれども、’限界を超えるチャレンジ’に甘さがあったにせよ、その場面を想像するに、そこには身を切られるような壮絶な思いがあったに違いない。

■登山には詳しくはないが、冬の早朝の河口湖でフライロッドを振っていた時期があって、そこから眺める美しい富士の笠雲の下では強風吹きずさむ地獄があるのだろうな、というそれなりの想像はつく。

その状況の中で生還した右京を責めることはあまりにも酷な気もするのだ。

実際の状況はまだ漠然としているけれども、

生きて還る勇気。

これだけは否定してはいけないことのように思うのである。

   

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                            <2009.12.19 記>

■関連記事■
■『男が人生の忘れ物に決着をつける時。』 標高8848mの世界。 野口健、チョモランマ登頂。

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2009年11月14日 (土)

■【書評】『「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔』、森達也。たとえ理解不能であったとしても。

久しぶりに森達也を読む。

この人の文章は、するすると心に入ってくる。

何故だろうか。

A
■「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔
森達也 著 2002/01 (角川文庫)

■本書は広報担当、荒木浩を中心に据え、地下鉄サリン事件以降のオウム真理教の内側を描いたドキュメンタリー映画『 A 』の製作記である。

テーマは、オウムの内側から社会を眺めることで日本人のメンタリティを探ること。

結果、そこに立ち上がるのはひとりひとりの人間が組織に組み込まれることで陥ってしまう思考停止。

それは地下鉄サリン事件を引き起こしながらも意識の変化が現れないオウムの信者たちの思考停止と、「社会の敵」と定義されたオウムに対して、相手もまた人間なのだという想像力を失ったマスコミを筆頭にした社会の側の思考停止、その合わせ鏡的な構図である。

■思考方法が根本的に異なる「オウム」と「社会」の狭間に立って、その通訳に当たる広報担当、荒木浩は、「言葉」が通じないその断絶の深さに苦しむ。

そしてオウムの本質を理解しようと、カメラを覗きながら、言葉を投げかけながら理解不能のその断絶の深さに苦悩する森達也。

ここにもまた合わせ鏡が存在し、けれどもその理解不能、通訳不能の苦悩があるからこそ、そこに安易なレッテル張りはなく思考停止から逃れることが出来る。

決して相手を理解できないと分かったとしても、組織を離れたひとりの人間として相手に対面したとき、共に歩いていくことが出来る。

■タイトルの「A」は、『オウム』のA、『麻原』のA、『荒木』のAでもあるのだけれども、それ以上に誰でもない、どこにでもいるA、つまり我々一人ひとりのことだ。

9.11があって、そこでもまた思考停止が蔓延し、未だに戦争状態が続いている。

オウムに限ったことではなく、この世の中、相容れない考え方をする組織同士の争いは止むことはない。

我々一人ひとりが自分のあたまで考えることの重要さに変わりは無く、相互に認め合うことの必要性という意味では、さらに大切な時代を迎えているのだと思う。
  

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                          <2009.11.14 記>

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■「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔
森達也 著 2002/01 (角川文庫)

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■【DVD】A  監督 森達也 1997年
■この本を読んでいて作品の方が無性に見たくなった。
レンタル屋に置いてるかな・・・。

A2dvd
■【DVD】A2 監督 森達也 2001年

  

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■【書評】ひつじの本棚 <バックナンバー>
 

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2009年11月 7日 (土)

■【映画評】『沈まぬ太陽』。人間の生き様。ラストシーンの感動が止まらない。

上映時間3時間22分の大作である。

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
    
No.36  『 沈まぬ太陽
          監督: 若松節朗 公開:2009年10月
       出演: 渡辺謙  三浦友和  他 

          001

■休憩10分をはさんだ3時間半もの長大な映画。集中して見ることができるかどうか、正直あんまり自信が無くて見に行くのをためらっていたのだけれども、そんな心配はまったくの無用。

恩地元というあまりにも真っ直ぐな男の生き様にあっという間に取り込まれてしまったのであった。

  
■ストーリー■

昭和30年代。巨大企業・国民航空社員の恩地元は、労働組合委員長を務めた結果、会社から10年におよぶ僻地での海外勤務を命じられた。かつて共に闘った同期の行天四郎が組合を抜けてエリートコースを歩みはじめる一方で、恩地は家族との長年にわたる離れ離れの生活で焦燥感と孤独に追いつめられ、本社への復帰を果たすも不遇な日々は続くのだった。そんな中、航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こり…。<goo映画より>

 
■この作品は、己の信念を曲げないがために僻地をたらいまわしにされる恩地の話と、日航ジャンボ墜落事故とその遺族の話、そして航空会社の腐敗体質にまつわる話が交差しながら進んでいく。

それぞれの話がそれぞれに深くて物語が発散してしまいそうに思えるのだが、それが逆にうまく共鳴しあい、さらに深みを増している。

■そのなかでもやはり御巣鷹山の墜落事故の遺族たちの話がやるせない。

あれから24年も経つというのにあのときのショックが鮮明に蘇る。

特に墜落中に家族に向けたメモを残した父親と、それを読む息子の話は胸がつぶれる思い。

丹念に遺族に取材したのであろう事実がしっかりと背景にあって、だからこそのリアリティであって、だからこその重みなのである。

■その一方で、この映画は実直な恩地元(渡辺謙)と、出世の鬼と化した行天四郎(三浦友和)の歴史を縦糸として物語を織っていく。

明と暗、陰と陽のそのコントラストが素晴らしく、またそのコントラストの強さに関わらず陳腐に落ちないのがまた素晴らしい。

それはもちろん原作と脚本によるものであるけれども、渡辺謙と三浦友和の魂を揺さぶる好演によるところが大。

また、そのコントラストを際立たせる俳優陣の力にもよるのだろう。

何しろそれぞれが主役を張れるような豪華な顔ぶれで、ため息が出るくらいなのだ。

■ラストシーン。

妻に先立たれ、日航機の事故で息子家族を一度に失い、ただひとり残された老人(宇津井健)が四国のお遍路の旅にいる。

その老人に宛てた恩地の手紙が胸を激しく揺さぶる。

こころの奥の底のところでズンと打ち震えるような感動だ。

救いようの無い絶望。

そこにはどんな慰めの言葉も届かない。

それでも生きていこうと思わせるのは、広大な自然に向かって立ち、ちっぽけな自分をいつまでも照らしている夕陽、その瞬間にあるのだ。

 

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                           <2009.11.07 記>

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■【原作】沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上)
山崎 豊子 著 新潮文庫 (2001/11)
  

■STAFF■
原作:山崎豊子『沈まぬ太陽』
監督:若松節朗  
製作総指揮:角川歴彦
企画:小林俊一
製作:井上泰一
脚本:西岡琢也
音楽:住友紀人
エンディング・テーマ:福原美穂『Cry No More』
製作:「沈まぬ太陽」製作委員会
製作プロダクション:角川映画
配給:東宝

■航空会社やスポンサーに首根っこを抑えられたテレビ会社の協力を得ずにこれだけの大作を真っ直ぐ作り上げた製作委員会と角川に深い敬意を感じます。
   



■CAST■
恩地元:渡辺謙
行天四郎:三浦友和
三井美樹:松雪泰子
恩地りつ子:鈴木京香
 * * * * * * * *
国見正之:石坂浩二
八馬忠次:西村雅彦
桧山社長:神山繁
小暮社長:横内正
堂本社長:柴俊夫
和光監査役:大杉漣
八木和夫:香川照之
 * * * * * * * *
利根川総理:加藤剛
龍崎一清:品川徹
竹丸副総理:小林稔侍
道塚運輸大臣:小野武彦
 * * * * * * * *
阪口清一郎:宇津井健
鈴木夏子:木村多江
小山田修子:清水美沙
布施晴美:鶴田真由
 * * * * * * * *
恩地純子:戸田恵梨香
恩地克己:柏原崇
恩地将江:草笛光子
 * * * * * * * *
国民航空123便操縦士:小日向文世
航空管制官:長谷川初範

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’映画鑑賞★日記’ さんの「沈まぬ太陽 [映画]」
 

    
■過去記事■

■【映画評】名画座・キネマ電気羊 <目次>へ

   
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2009年10月26日 (月)

■Nスペ・自動車革命 第2回 スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち。果たして自動車産業は相転移を起こすのか。

中国の小規模電気自動車メーカーってこんなに爆発的に増えてたんだね。知らんかったよ。

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■NHKスペシャル 自動車革命 第2回 スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち(2009.10.25放映)

■とはいっても、クリアすべき安全基準もなくて、当然のようにナンバープレートもない。

中身は結構レベルの高いものから、部品を集めてきて適当にでっちあげたようなインチキ臭いものまで有象無象の状況なようだ。

けれども、そうした裾野の広さって大事なようで、航続距離がガソリン自動車と遜色の無い300kmなんてクルマもあって、それも結構走るらしい。(とはいえ、安全基準が・・・ならば大手メーカーの電気自動車と比べるのもナニなのだが。)

■一方、アメリカの状況も面白い。

こちらも電気自動車のベンチャー企業が乱立しはじめているようで、グライダーみたいな3輪自動車をひっさげて、これは古いアタマの自動車メーカーには作れまい、なんていう訳で、かなり威勢がいい。

アタマが固いと言われていちいち反論するもの大人気ないし、確かにそういう側面もあるだろうから、真摯にご意見拝聴なのである。

■それよりも驚くべきは、電気自動車を家庭の電気の蓄電池として、各家庭と電力会社をネットワークでつないで電力供給のマネジメントをするというアイデア。

うーん、確かに画期的。

時代を変える、という言葉がリアリティをもってくる。

■水が沸騰したり、氷になったりするように、一気に構造が変化することを相転移というのだけれども、今回の番組を見ていて、もしかすると、本当に自動車業界にも相転移が起こりかけてるのかもしれない。

電気自動車なんて、第一インフラが整ってないじゃん、なんて思っていたのだけれども、良く考えれば、インターネットなんかも始めは電話回線でピーガガやってて画像一枚引っ張ってくるのにかなり時間がかかってたのに、あっという間に光回線が普及して当然のようにさくさく動くようになったもんな。

電気会社が本腰を上げれば、インフラなんか、あっという間に整備されてしまうのかもしれない。

この10年、面白いことになりそうですな。

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                         <2009.10.26 記>

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2009年10月 3日 (土)

■2016年五輪はリオデジャネイロ。結果的にはいいんじゃないの?

結局、リオで決まりましたね、オリンピック。

下馬評ではシカゴも有力、といわれてたけど最初の投票であえなく落選。

この手の予想ってのもあてになりません。

南米初。

いいんじゃないでしょうか、リオデジャネイロで。

落ち着くべきところに落ち着いたような気がします。

中国、ブラジルとなると、次はロシアか、インドあたりでしょうか。

え、東京?

もうオリンピックに頼らずともいいんじゃないかな。

なんかシカゴとか東京をみていると大人気ない気がしてしまって・・・。

っていうのは、愛国心無さ過ぎでしょうか。

                          <2009.10.03 記>

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2009年8月22日 (土)

■【書評】『しのびよる破局 ― 生体の悲鳴が聞こえるか』、辺見庸。人間の尊厳の恢復は我々一人ひとりの中に。

人間とはいったいなにか。

人間とはいったいどうあるべきなのか。

著者の切々たる想いが込められた本である。

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■しのびよる破局―生体の悲鳴が聞こえるか
辺見 庸 著 大月書店 (2009/04)
※2009年2月1日に放映されたNHK・ETV特集「作家・辺見庸 しのびよる破局のなかで」を基に再構成、大幅補充をしたもの。

■今、我々は複合的な破局に対峙している。

世界同時多発テロ、地球温暖化による気象災害、世界金融恐慌、格差の拡大、新型インフルエンザの流行。

それは決して単独であるものではなく、人間が人間らしさを喪失した、それがすべてをつなぐ伏流水として流れているのだと辺見庸は読む。

■キーワードは’マチエール(身体で実際に感じる質感)’と’慣れ’である。

テロにしても、異常気象にしても、格差の拡大にしても、身体で感じ取ることができない。テレビの、或いはパソコンの画面の中でしか接することができないが故に常に空虚であり、実感がない。

毎年3万人以上が自殺し、その何倍もの数の自殺未遂者がいる異常事態に対して何も感じることができない。

そして、そういった破局の中にあって、すべてのことがらに慣れてしまい、日常の中に消えていってしまう。

それは秋葉原事件を起こした青年の、パソコンや携帯を通してしか世界とつながることが出来なかった空虚さと同質のものなのである。

■その背景には、行き過ぎた資本主義、合理主義、グローバリゼーションが、ある。

「多様化な生き方を可能にする」という名目で改正された派遣労働法がいい例である。

口先ではかっこいいことをいいつつも、結局は人間を景気動向に対する調節弁としてしまった。そうでなければ企業はグローバルな過当競争を生き抜くことが出来ない、企業がつぶれてしまっては元も子もないでしょうと開き直る。

当時、人材を大切にする日本的経営を維持していくとカッコよく唱えた某巨大自動車メーカーが秋葉原事件と無関係ではなかったことの、この皮肉。

■100年に一度の大恐慌といいながら、あれから一年も経たぬうちに景気も底を打ったなどと浮かれた記事を目にしたりする。

もしかすると景気の回復は本当に近いのかもしれない。

けれど辺見さんはいう。

 
 本当に取りもどさなければならないのは、経済の繁栄ではないのではないのかとぼくはおもうのです。人間的な諸価値、いろいろな価値の問いなおしが必要なのではないか。でなければ、絶対悪のパンデミックは、いったん終息してもまたかならずやってくるだろう。もっとひどいかたちでくるかもしれない。(P74)
 

と、同時に

 
 誠実とか愛とか尊厳ということばを、商品世界のコマーシャルのみたいな次元に全部うばわれている、つまり悪は悪の顔をしていないというときに、やっぱり本来のマチエール、愛にせよ誠実にせよ人間の尊厳にせよ、言語の実質、実感というものを取りもどすことだとおもいます。(P117)
  

と語る。

まったく同感である。

そんな中で、

 
「私はかつておまえだった。おまえはやがて私になるだろう。」
 

という警句が、ひときわ響くのである。

 

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                          <2009.08.22 記>

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■しのびよる破局―生体の悲鳴が聞こえるか
辺見 庸 著 大月書店 (2009/04)

   

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■もの食う人びと
辺見 庸 著 角川文庫  (1997/06)

    

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■ボーイング787開発遅れ。混合チーム運営の難しさ。

ボーイング社が開発中の次世代中型ジェット旅客機、B787に構造的欠陥が見つかりデリバリーがかなり遅れそうな様子だ。

B787_2

■今回見つかったのは主翼と機体の接合部分の強度問題。

飛行機で一番負荷がかかるところで、なにやってんの?っていう感じなんだけれども、今回の開発は70社にも及ぶ国際的な合同プロジェクトなのだそうで、その前からの度重なる開発遅延を含めて、無関係では無さそうだ。

■最近の航空機開発では分業体制が当たり前だという話もあるが、多分、質の面でも量の面でも今まで類を見ない規模での共同事業なのだろう。

主翼の設計担当は三菱重工で、お得意の炭素系複合材の技術を見せ付ける立場にあったようだが、とんだ裏目に出てしまったことになる。

連係プレーが求められる接合部でミスったというのは、いわゆる三遊間ゴロというやつで、ちょっと情けない。

■と、いうのを通りこして今回の話は共同事業のもつ本質的な怖さを指し示している。

なにせ、この部分は加重が猛烈にかかる部分で、そこの耐久強度不足は10年後、20年後に主翼脱落による墜落という最悪の事態を招くからだ。

■そんな大事なところのミスを最後の最後まで見抜けなかったボーイング。混合チームがでかくなり過ぎると全体が見えなくなるというよい例である。

いずれにしても、全日空から矢の催促があろうがどうしようがジックリ綿密に見直しを行って、ゆめゆめやっつけで対応しないことを切に願う。

御巣鷹山は決して繰り返してはならない。

 

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                       <2009.08.22 記>

 
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■彗星から発見されたアミノ酸と空想にふける夏。

米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所は17日、米無人探査機スターダストが彗星(すいせい)から採取した試料の中からアミノ酸を初めて見つけたと発表した。<2009.08.19 読売新聞> 

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■発見された物質はグリシン。

最も単純なアミノ酸の一種なのだそうだ。

知ってのとおり我々のカラダは主としてたんぱく質で構成されているが、そういったたんぱく質はいろいろなアミノ酸がつながりあって出来上がっている。

つまりは生命の材料が宇宙空間で発見されたということである。

■ビッグバンで宇宙が誕生したときに、宇宙には最も単純な元素である水素とヘリウムしか存在しなかった。

そのうち宇宙に広がった水素とヘリウムの偏って存在した場所で恒星が生まれ、そして超新星爆発で死を迎えるときのエネルギーでヘリウムより重い元素が生成したそうな。

■そうすると、今回見つかったアミノ酸のようなものはどうやって生まれたのだろうか。

古い恒星の死骸からなる星間物質である炭素、酸素、窒素なんかが水素とともに吹きだまって、というところまではありそうだけれど、そいつらはどうやって化学結合に至ったんだろうね。

不思議です。

もしかしたらヘリウム以上の元素がそうだったように、初期の太陽系の中で生命が発達していて、その名残りが宇宙に漂っているのかもしれない。

■いずれにしても、見つかったのはあくまでもアミノ酸で、生命そのものではない。

’彗星からアミノ酸、生命の宇宙起源説裏付け’

なんて読売新聞は見出しに掲げているけれど、あくまでも生命の材料のそのまた材料が発見されたに過ぎない。

とはいえ、今回の発見はその’記念すべき第一歩’の可能性を指し示すことであって、殺伐としたニュースばかりが流れる中で、なんだかため息が出てしまうくらい壮大な空想を引き出してくれるのであった。

 

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                           <2009.08.22 記>

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■マインド・イーター 水見 稜  著ハヤカワ文庫 JA  (1984/10)
■こちらは命を運ぶどころか人間の精神を喰ってしまう彗星を巡るオムニバス作品。大好きな日本SFの一つです。

  

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2009年8月11日 (火)

■NHKスペシャル 「日本海軍 400時間の証言 第二回 特攻 やましき沈黙」。それは口で言うほどたやすいことではなく。

特攻隊のパイロットたちの話はよく取り上げられるけれども、それを命じる側の話は今まであまり明らかにされてこなかった。

この番組は当時の将校たちの組織「海軍反省会」の膨大な録音テープからその靄を晴らそうという試みである。

N

■特攻隊の創始者といえば1944年10月の航空特攻を命じた大西中将の名が挙がるのだけれども、それ以前から「桜花」とか「回天」とかいった、人間を誘導装置としてあつかう特攻兵器の開発が進められていた。

圧倒的不利な戦局を打開し、故郷に残した家族を守るためにこの身を捧げる。その意志の発露としての’特攻’とは全く別の次元で、戦争遂行の中枢である軍令部では冷徹な論理として「特攻」が計画されていたのだ。

01 人間魚雷「回天」
01_2
人間爆弾「桜花」

■戦争とは命を懸けて遂行するものである。

が、作戦とは目的を成し遂げた後に生きて帰る可能性をいくばくかでも残したものでなければならない。

従って、「特攻」は作戦ではない。

と、軍令部の元参謀はいう。

けれども、誰も「特攻」を止めることが出来なかった。

■過ちと分かりながら大勢、あるいは’空気’というものに飲み込まれてしまう。

番組は、それを「やましき沈黙」と呼んだ。

そして、それは過去の海軍の犯した過ちであるというだけでなく、今の我々にも突きつけられている課題なのだと結ぶのだ。

■確かにそうだ。

行き過ぎた自由化にしても、派遣の問題にしても、その問題が進行している時点では、どこかがおかしいと強く感じてはいても、人間というのはどうしても流されてしまう。

結局、それが過ちだと分かるのは事態が破綻を来たしたその後のことになる。

■しかしながら、番組の製作者が言うように我々は’大勢’とか’空気’というものに流されることなく、それに抗うことができるのだろうか。

特攻にしても現場の将校のなかで、その無謀さを批判し命令に攻しようとしたものもいるとう。

けれども、上官から国賊と罵られてしまってそれでおしまい。

その上官にしたって、心の中では’特攻’は無謀な作戦だと考えていたというに違いないのだ。

■この’大勢’とか’空気’とかいったものと戦うのは、口でいうほどたやすいものではないのだと思う。

もちろん問題提起としては重要だし、きっと本質をついている。

だからこそ、客観的な視点で’敵’の本質を見抜き、勝ち目のある作戦立案が必要なのだ。

たぶんそれは個人こじんが真剣に悩み考えるだけでなく、何らかの’支点’と’テコ’を見つけ出し、流れを変えていくことなのだろう。

今はまだ、そういう抽象的なことしか言えないのだけれども、常に考え、チャレンジしていくべき課題として胸に置いておこうと思う。
 

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                         <2009.08.11 記>

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■「空気」の研究 山本七平 著 文春文庫 1983/01
■「空気」とは何かについて思索を深める一冊。
もう一度読んでみようかなと思う。

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2009年8月10日 (月)

■土曜ドラマ「リミット―刑事の現場2」最終回。いいドラマ、というのはこういうものなのかもしれない。

これがドラマなんだな、と思う。

Simple

■18年前に梅木(武田鉄矢)の恋人を殺した黒川(ARATA)が、今度は啓吾(森山未來)の恋人の茉莉亜(加藤あい)を誘拐する。

前の恋人を轢き逃げした犯人に対して抱いている茉莉亜のこころのなかのわだかまりを利用して彼女を憎しみの世界へ引き込もうとする、その試みは18年前に満たされなかった黒川の心の闇の再演なのである。

黒川にとってこの世界は、憎しみこそ何よりも勝るのであって、愛だとか優しさいったもので何とかなるものではない。

そう信じることでしか己の不幸な生い立ちに折り合いをつけることが出来なかったのだ。

■茉莉亜の救出に成功し、黒川を屋上に追い詰める梅木と啓吾。

そこで演じられる啓吾の黒川に対する憎しみも、梅木の18年間の苦しみも、実は黒川の世の中に対する憎しみと同質のものなのである。

■18年の苦しみに決着をつけるべく黒川のこめかみに拳銃を突きつける梅木に対する啓吾の叫び。

嗤われてもいい、愛を信じたい。

この場面、涙をこらえるのにやっとでありました。

■そこまでの不自然な偶然の積み重ねやらご都合主義などというものは全くもって気にならない。

その次元のもっと上の高みでドラマが進行している感じなのだ。

いいドラマ、というのはこういうものなのかもしれない。

■最後の方で啓吾が茉莉亜にいう。

 結婚って、お互いに不幸せになることなんだって。

というそのセリフにもやられました。

それはお互いの不幸を背負い合う覚悟をもつこと。

その二人の背中にもまた、ジンときてしまったのである。

 

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                        <2009.08.10 記>

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■[DVD検索] ’リミット 刑事の現場’

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■STAFF■
原作・脚本 : 遊川和彦 (『女王の教室』、『さとうきび畑の唄』)
演出     : 渡辺一貴
製作     : 磯 智明

  
■CAST■
梅木拳     :武田鉄矢(中央署の一匹狼)
加藤啓吾    : 森山未來(若手3年目の刑事) 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
青井茉莉亜   : 加藤あい(啓吾の婚約者)
東野恵一    : 杉本哲太(刑事課長)
筒井薫      : 若村麻由美(庶務係)
太宰満      : 伊武雅刀(課長代理)
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黒川真治    :ARATA

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