●7.心に残った言葉など

2012年6月14日 (木)

■序破急。

 

この道を行けばどうなるものか。

危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。

 

踏み出せばその一足が道となり、

その一足が道となる。

 

迷わず行けよ、行けばわかるさ。

                  ―― アントニオ猪木

 

人生を序破急で例えるならば、

いま私は「破」の岐路に立っている。

このまま安穏と静かに老いていくのか、

顔を上げ、新天地を目指すのか、

そんな私をこの言葉が後押ししてくれる。

 

ありがとう!

                        <2012.06.14 記>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年9月 1日 (火)

■選ばなかった道について。

人生の半ばにいると、

ふと振り返ることがある。

選ばなかった道、

進むことの出来なかった道、

果たして、この道でよかったのだろうか。

 

けれども、捨て去ったと思っている

それらの道の一つひとつは

すっかり刈り取られてしまったように見えて

実は深く根を張っているのだと思う。

  

だから、

あきらめたかもしれないが、

捨てたつもりかもしれないが、

今のこの道を進む上で

確実に、生きる力になっている、

大切な宝ものなのだとおもう。

  

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

                    <2009.09.01 記>

****************************************

■過去記事■ ■こころと、世の中と、
  

****************************************

■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年8月 7日 (金)

■【ドキュメンタリー】『妖怪 水木しげるのゲゲゲ幸福論』、食って、笑って、クソして寝るのが幸せの根本なのだ。

水木しげるサンは人生の天才なのである。

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
    
No.30  『妖怪 水木しげるのゲゲゲ幸福論
           ― そりゃアンタ、
        何か根本的に覆さんと
          人類は幸せになりませんヨ ―
         
      主演:水木しげる 朗読:和久井映見 放映:2006年3月
       出演: 荒俣宏、呉智英、南伸坊、京極夏彦 他

     Dvd
           ■ 妖怪水木しげるのゲゲゲ幸福論
           ■ 2006年/日本/テレビマンユニオン・BS JAPAN/120分

■本作は2006年にBS JAPANで放映された水木サンの異色のドキュメンタリーであって、テレビ界の日本アカデミー賞ともいえる、ギャラクシー賞を受賞した作品である。

内容としては、水木サンの日常とニューギニア訪問、水木サンを良く知るひとたちによる座談会で構成されているのだけれど、本編1時間半、まったく飽きることのないうまい作り方をしている。

■タイトルの通り、テーマは「幸福」。

これがなかなか一筋縄ではいかない独特の幸福論で、観る者はその幸福菌に感染してとても幸せな気分に浸れるのである。

■幸福論、なんていう場合、生きる意味だとかなんだとか小難しい話に陥りがちなのだけれども、水木サンの場合は単純至極。

生きること、そのものなのである。

■食うことを楽しみ、面白いものや面白いひとに出くわしては楽しく笑い、銭をもらってはにんまりし、素晴らしくよいカタチのクソをして、こころゆくまで寝るのを楽しむ。

その行動とか発言は極めて自己肯定的であって、他のひとがどうだとかいうことは一切関係ない。

それでいてその天真爛漫さゆえに嫌味がなくて誰からも愛され、その幸福菌を周囲にばら撒き感染させていくのである。

■ニューギニアの戦地で生死のギリギリの場面に幾度も遭遇し、爆撃で左手を失い、戦後は紙芝居や貸しマンガで生計をたてようとするも全く売れず腐りかけのバナナで飢えをしのいだ。

その迫力。

それでいて「不幸」という文字は水木サンの背中には一切感じさせることはない。

自らが生き残る、ということが最重要課題であって、それさえあれば「幸せ」なのである。

■小難しいことは考えない。

そうしたとき、食うということ、寝るということ、それそのものが即ち幸せなのであって、ああ、本当にうらやましい生き方だなあ、と思う。

それもまた水木サンの才能なのだと思うのだけれど、水木さんの生き方を感じることでほんの少しだけおすそ分けを頂けるような気もする。

そういう意味で、繰り返し眺めてみたい作品である。

特に特典映像の座談会特別版は、生き方についての眼からウロコな内容であって、体内の幸せ菌が減ってきて心が疲れてしまったときの特効薬になるだろう。

  

●にほんブログ村●
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

                           <2009.08.07 記>

■ 妖怪水木しげるのゲゲゲ幸福論
■ 2006年/日本/テレビマンユニオン・BS JAPAN/120分

    
   

■関連記事■
■Nスペ 『鬼太郎が見た玉砕』。戦争の不条理。TVドラマの枠を逸脱した10年に一度の傑作。

■過去記事■
■【映画評】名画座・キネマ電気羊 <目次>へ

   
■ Amazon.co.jp ■

■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月28日 (日)

■邯鄲の夢。『爆笑問題のニッポンの教養』 実験心理学、一川誠。

今回のテーマは、実験心理学。

File076
■ 爆問学問『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE076:「『時間』という名の怪物」 2009.6.23 放送
千葉大学文学部行動科学科准教授 実験心理学、一川誠。

■比較的すんなりと話が流れた感がある。

隔離された部屋で爆笑問題のふたりが雑談をする、その時間がどれくらいかをふたりに尋ねると、太田が5分で田中が3分、実際は4分と、まあ見事に分かれたのだけれど、それを太田は退屈してたんだろうな、とか田中の方が一生懸命話してたんだろうな、と考えるのはごく普通のことなのである。

■そこで爆笑のふたりがそうだよね、と納得してしまうから「え?」という展開が無い。

まあ、こういうこともあるでしょう。

そんななかで、浦島太郎の玉手箱の話についての太宰の言葉を紹介した太田の話がおもしろかった。
 

 楽しく美しかった竜宮城の思い出は、玉手箱を開けて遠い過去のものとなって初めて完成する。

 
というのだ。

■実は、主観的時間というものは、今、この瞬間にしかないのかもしれない。

私が知っている「過去」が本当にあったことかなんて誰も検証することは出来ない。

あるのは、ただ、そういった過去の出来事が現在の意識に展開した影でしかないということだ。

■先の玉手箱の話でいえば、それは今とつながりのある竜宮城の記憶を断ち切って過去へとつなぎかえる作業であって、そうすることで「主観」から切り離された出来事として独立した相対的な「過去」が完成する、ということだろう。

・・・なんていうと、ただ文学的に味わえばいいものを、またこんなツマラナイ理屈をならべやがって、なんて野暮なヤロウなんだ、と笑われてしまうだろうか。

■だが、「時間」と「記憶」とを並べてみると、いろいろ面白いところがありそうな気もするのだ。

たいくつな時間は長く感じるが、思い出としては何も無い。

濃密な時間は早く流れるが、記憶として再生するときにはあれもこれもと膨大な量となる。

まさに邯鄲の夢。

  
じゃあ、夢なんかじゃない、

直(じか)に生きているってどういうことだろう。
  

ふと、そんなことをぼんやりと考えてみたくなった。

 

にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

                        <2009.06.28 記>

■Amazon.co.jp■へのリンク

Photo ■ 大人の時間はなぜ短いのか
一川 誠 著 集英社新書 (2008/9/17)

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

   
■過去記事■ [バックナンバー]の 一覧
■爆笑問題のニッポンの教養■

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Photo_2
■新書版 『爆笑問題のニッポンの教養』の既刊一覧へ■
        

■関連サイト■
■『爆笑問題のニッポンの教養』番組HP

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年6月23日 (火)

■「つらさ」にも意味がある。『爆笑問題のニッポンの教養』 障害学、福島 智。

今回のテーマは、障害学。

先生は全盲ろうの福島智さん。

File074
■ 爆問学問『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE074:「私は、ここに いる」 2009.6.9放送
東京大学先端科学技術研究センター教授 福島 智。

■スティービー・ワンダーやホーキング博士を引き合いに出し、ハンディキャップと引き換えに何かを手にしているのじゃないか、という太田の思いつきに対して、福島さんが語った
 

 選択が出来るから割と気楽に言えるんだろうけど

 そんな甘いもんじゃない、

 
という言葉が厳しく響いた。

■光もなく、音もなく。

声は出すことはできても、

それが相手に伝わったかどうか、

いや、その相手が目の前にいるのかどうかすら

わからない。

そういう’全盲ろう’の人が日本には2万人いるという。

■才能を開花させて光のなかで生きているひとはごく一握りで、

いや、その人たちを含めて

そこには’孤独’と’渇望’があるのだという。

そんな福島さんの、
 

 生きる意味はあるのか、

 
という問いにはなかなか答えられるものではない。

太田は、

楽しい時間があるから、

と答えた。

私は、

必要としてくれる人がいるから、

と思う。

たぶん太田の考え方の方が生きやすいのだろうな、

とも思う。

■けれども、そこで福島さんは「絶望」を意識する。

ナチスのユダヤ人収容所で生き延びたヴィクトール・E・フランクルの

 
 苦悩から意味が失われたとき、それは絶望になる、

 
という言葉に、自分と同じ考え方を見る。

■光も音もない肉体の牢獄のなかで、

苦悩が絶望に至らない皮一枚の差が

 
 そこに意味を見出すこと

  
なのである。

■つらさにも意味がある。

そう信じられるからこそ

生きていけるのだ。

 

にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

                          <2009.06.23 記>

■Amazon.co.jp■へのリンク

Photo ■ 夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル 著 みすず書房; 新版版 (2002/11/6)

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

   
■過去記事■ [バックナンバー]の 一覧
■爆笑問題のニッポンの教養■

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Photo_2
■新書版 『爆笑問題のニッポンの教養』の既刊一覧へ■
        

■関連サイト■
■『爆笑問題のニッポンの教養』番組HP

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 6日 (土)

■言葉にした瞬間に消え去ってしまうものがあるのだと分かっていたとしても。『爆笑問題のニッポンの教養』 文化人類学、川田順造。

今回のテーマは、文化人類学。

Photo
■ 爆問学問『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE073:「人類よ声を聴け」 2009.6.02放送
東京外語大名誉教授 文化人類学 川田順造。

■文化人類学っていうと何故か少しマユにつばをしたくなるのであるが、さすが’巨人’ともなると雰囲気がある。

新婚時代に未開の集落で日本人は奥さんとふたりだけっていう状況もすごいんだけど、そのうち日本語がめんどくさくなってくる、っていう話に唸らされた。

そうか、言葉ってそういうものなのか、と新しい角度からの光が差し込んだ感じ。

■このにこやかで柔らかくも、鋭く深い感覚はどこかであったな、と思ったら、水木しげるさんだ。

好奇心と実体験と才能に溢れていてそれが渾然一体となって、そこにある。

言葉を介さずに太鼓の音で直接語る民族の話とかを聴いていて、そのまま引きずり込まれて眠っていた新たな感覚を呼び起こされる感覚だ。

それは理屈による理解の対極にある。

■そのなかで太田の「ガンバレ」論が光っていた。

「ガンバレ!」

と相手を励ますとき、相手は「こんなに頑張ってるのに、」っていう責められる感覚を覚えたりするのだけれども、だから「ガンバレ!」と言うのを諦めるのではなくて、何とかそれを伝えたい。

相手に「もっとガンバレ」とプレッシャーをかけるつもりはまったく無くて、でも「あとチョッと!」というニュアンスも少しはあって複雑なのである。

■すごく分かる。

何か言葉にならない、’うめき’のようなもので表現したくなるようなもどかしい感じ。

先生がいう「伝えたいことが、脳から言葉を経由せずに指先から直接太鼓に伝わって音となる」豊かさがあって、言葉にした途端に消え去ってしまうもの。

■われわれが会話において相手に伝えることのうち、言葉で伝えられていることは実に一割程度しかない、という話がある。

目であったり、表情であったり、身振り手振りであったり、そういうことが「感覚」として相手に伝わって、その体内に身体感覚として再生される、それが伝達の9割を占めるというのだ。

何をもって9割というかはよく分からないが、ナルホドと思わせる話である。

■じゃあ、川田先生の新婚時代のように言葉を使わずにやっていけるかというと、そういうものでもないだろう。

言葉にした瞬間に消え去ってしまうものがあるのだと分かっていても、我々は言葉を使わざるを得ない。

たとえそれがモドカシイものであったとしても、「一対一」の見つめ合いだけでこの文明を維持できるはずもなく、もうエデンの園へと戻ることは出来ない。

だから、ひたすら表現を磨くのである。

     

にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

                           <2009.06.05 記>

■Amazon.co.jp■へのリンク

Photo_2
■口頭伝承論〈上〉川田 順造 著 2001/04 平凡社ライブラリー

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

   
■過去記事■ [バックナンバー]の 一覧
■爆笑問題のニッポンの教養■

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Photo_2
■新書版 『爆笑問題のニッポンの教養』の既刊一覧へ■
        

■関連サイト■
■『爆笑問題のニッポンの教養』番組HP

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年5月11日 (月)

■いつも、あらゆる可能性に覚醒していること。『爆笑問題のニッポンの教養』 デザイン思想、原研哉。

ちょっと遅くなったけど、久しぶりの爆問学問。

今回のテーマは、デザイン思想。

Photo
■ 爆問学問『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE070:「シンプル最高/再考」 2009.4.28放送
武蔵野美術大学基礎デザイン学科教授、
日本デザインセンター代表、原 研哉。

アートは’私はこう思う’、

 というのに対して

 デザインは’共感してもらいたい’。

  
という原さんの言葉が、わたしの中でずっと居座っていたもやもやを一気に晴らしてくれた。

■芝居をやっているときには’自己満足’と’観客の受け’との戦いであったし、

工業製品の設計をしている今でも、相変わらず’自己満足’と’販売成績’との戦いの日々なのである。

■芸術作品を作り上げる過程でそこにいるのは’わたし’と’対象’だけであり、その対峙のなかから’アート’が生まれてくる。

一方、「デザイン」を作り出そうとする段で欠かすことが出来ないのは’他人の目’である。何故かならば、デザインの本分は’相手に伝える’ことにあるからだ。

もちろん、このブログを書いていることも含めて、私が目指すのは他の人が喜んでくれることであり、常に「デザイン」だ、ということだ。

ああ、すっきりした。
   

■けれど、そのアプローチは世界共通というものではない。

だから、演劇にしても、クルマの設計にしても、そういう’アイデア’になかなか至らないのである。

■ユーラシア大陸を東を下にして90度傾けると日本は世界の一番下にいて、ヨーロッパだとか、インドだとか、中国だとか、そういったさまざまな文化があたかもパチンコの玉が釘に跳ね返りながら落ちてくるようにニッポンにむけて集まってくる。

そういう雑多な文化の影響を受ける環境のなかで、日本は銀閣寺を象徴とする独自の「シンプル」を生み出した。

■ドイツ製のナイフと日本の板前さんが使う柳刃包丁の比較が分かりやすかった。

手の形に添って力が入りやすいグリップをデザインするドイツ製ナイフの機能美。工業製品をつくる者にとってとても分かりやすいアプローチであって、かくありたいという指針であったりもする。

その一方で、柳刃包丁のにぎりはなめらかな楕円の棒であって、過剰な情報を一切そぎ落とした、原さんの言うエンプティ(空っぽ)なのである。

皮肉なことに、その’空っぽ’が板前さんの超絶的技巧を支えているのだ。

■ドイツの機能美は「使い方」を規定する。

デザインをコミュニケーションと捉える原さんの見方でいうならば、一方通行の投げ込みでキャッチボールの楽しさ、豊かさが無い、ということになる。

決してドイツ流が悪い、といっているわけではない。私も機能美が大好きだ。理由をもったカタチにワクワクする性質なのである。

■けれども、何かを生み出して誰かに分かってもらおうとしたときに、しっくりとくるのは’空っぽ’の柳刃包丁のアプローチなのだ。

すべてを規定してしまわない。

すべてを伝えない、伝えようとしないからこそ伝わるものなのである。

逆説、或いはパラドックス。

けれども、そうだよな、と深くうなづいてしまうのは私が日本人だからなのであろうか。

議論をしていて時々「正論を吐く」ひとに出会うのだけれど、確かにあなたは正しいけれども絶対に共感なんかするものか、と思ったりする。

そういう感覚に近いのかもしれない。

■要するに’残された余地’、’間(ま)’が無いのである。

太田が紹介してくれた、「おもろい夫婦」のミヤコ蝶々さんの話もそれを補強してくれる。

 
すべては、’間(ま)’ なんですよ。

人の’間’と書いて、人間。

時の’間’と書いて、時間。

世の’間’と書いて、世間。

漫才だけじゃない、ぜんぶ、’間’なんです。
   

こころにすっと入ってくる、いい例えだと思う。

蝶々さん、すごい人だったんですね。

■さて、「シンプル」をテーマとした割りには随分と長い文章になってしまった。

まったくいつもこんなんなんで、まだまだ修行が足りないのだ。

けれど、文章における「間」というのは読み手が認識する’行間’とかそういったもので、ことさらシンプルに「イイタイコト」に絞り込む駿台の小論文的アプローチは’点数’は取れるかもしれないが、味わいとしてはどうだろう、とも思ってしまうのである。

ここでいう’味わい’を感じてもらいたいのはもちろんこれを読んでくださっているアナタである。

■だから、そういうリズムを心がけているつもりなのだけれど、どうなのかな。

アナタに’いい味わい’と感じてもらえているかをリアルタイムで直接知ることが出来ないのがもどかしい。

文章を書くひとは皆、同じ悩みを抱えているに違いない。

だから、
 

 いつも、あらゆる可能性に覚醒していること。

  
という、原研哉さんのアドバイスがとてもうれしい。

大切なのはテクニックではなく、こころの在り方なのである。
    

にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

                        <2009.05.11 記>

  

■Amazon.co.jp■へのリンク

Photo_2 ■原研哉のデザイン

Photo_3 ■白

    

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

   
■過去記事■ [バックナンバー]の 一覧
■爆笑問題のニッポンの教養■

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

Photo_2
■新書版 『爆笑問題のニッポンの教養』の既刊一覧へ■
        

■関連サイト■
■『爆笑問題のニッポンの教養』番組HP

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

| | コメント (2) | トラックバック (0)

■NHK特番、「愛しあってるかい?~キング・オブ・ロック 忌野清志郎~」。素直で、熱くって、真っ直ぐな、永遠の高校時代に捧ぐ。

Mさん、お元気ですか。

昨日の夜中にNHKでやっていた忌野清志郎の特番を見ていて、あなたのことを思い出していました。

03

■最後にお会いしたのは1年半前のとても寒い日でしたね。

悲しい場面での再会だったのでろくに話も出来ませんでしたが、沈み込みながらもお変わりのない様子が窺えて、とれもうれしかったです。

■RCサクセションを私に教えてくれたのはあなたでした。

高校2年だったあなたは「雨上がりの夜空に」が好きで、いつも、そのキワどい歌詞に興奮しながら思い切りつばきを撒き散らして歌ってましたね。

素直で、真っ直ぐで、パッションに満ち溢れたあなたがうらやましかった。

そしてそのまま今でも変わらないあなたがうらやましい。

■いつだってあなたは演劇に情熱を燃やしていたし、常にまっすぐだった。

いつだって私は自分に自信が持てなくて、世の中を斜に構えて素直になれない、真っ直ぐ生きられない。

あの時も、今、この瞬間も。

    
■忌野清志郎のライブを中心に編集されたこの番組は、どこが、とはうまく言いにくいのだけれども、彼に対する愛しい気持ちに満ち溢れていた。

担当ディレクターはきっと同世代か少し上の人なのだろう。

想いがビシビシと伝わってきた。

■中でも、NHK正月ライブの「スロー・バラード」。

いつの間にか目になにかがじわりと滲んできた。

あの頃を忘れていないひとなら誰だってきっとそうだろう。

そして、「トランジスタ・ラジオ」。
    

■RCサクセションの歌を歌うときは、いつだって私は高校生のわたしなのだ。

もう、遥か彼方に過ぎ去ってしまった、

けれど、いつだって戻ることが出来る。

忌野清志郎は、そんな魔法使いだったのだと思う。

そしてその姿がM先輩、あなたとダブって見えるのです。

   
素直で、熱くって、真っ直ぐで、

いつまでも、変わらない。

    

にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

                        <2009.05.11 記>

 
■「トランジスタ・ラジオ」歌詞

****************************************

■過去記事■ ■もくじ■こころと、世の中と、
  

****************************************

■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年5月 5日 (火)

■忌野清志郎、逝く。

ファン、

というほど入れ込んでいたわけではない。
  

けれど、そんなわたしの人生の時々において

’情’を震わせる生々しいものを深く刻み込んだ。
   

忌野清志郎は忌野清志郎であって、

忌野清志郎以外の何者でもなかった。

嗚呼、

                         <2009.05.05 記>

■Amazon.co.jp■へのリンク

Photo
■[CD] 忌野清志郎 完全復活祭 日本武道館 2枚組ライブアルバム

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年2月12日 (木)

■生きる力。

生きる力、というものがあって、

人生の意味だとか、そういったものを

考える迷いを振り切る、

根源的にひとに備わったもの。

  
それが在るときには なかなか気付かない

大切なものであって、

4歳の娘にいつも教わるものなのである。

                     <2009.02.12 記>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧