●9.ドラマ・芸術・ほか

2009年12月16日 (水)

■NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』。単純明快に!

■まだ第3話を見てないのだけれども、2話目までの簡単な感想。

話は、伊予松山で生まれ育った秋山好古、真之、正岡子規が東京に出て、それぞれの道を歩み始めるところまで。

■いやー、引き込まれるドラマです。

90分があっという間に過ぎていく。

司馬遼太郎調の語り(渡辺謙)、久石譲の情感豊かな音楽。

また好古を演じる阿部寛、真之を演じる本木雅弘、子規を演じる香川照之がこれ以上ないというくらいハマっていて、脇を固める菅野美穂、伊東四朗も輝いている。

テンポが速くて、それでいて丁寧な演出、脚本ももちろん最高だ。

■2話目までで一番印象に残ったのが好古が真之を指導するときの「単純明快に!」という考え方。

一刀両断、って感じがして小気味いい。

■「単純明快に!」

いいねえ、気に入った!

迷ったときは、「単純明快に!」

とりあえず2010年のテーマとしておくか。

   

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                          <2009.12.16記>

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■坂の上の雲(全八巻)司馬遼太郎 著 文春文庫

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■「明治」という国家
司馬遼太郎 著 日本放送出版協会 (1989/09)

  
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■スタッフ■
原作:司馬遼太郎(『坂の上の雲』『明治という国家』)
脚本:野沢尚、柴田岳志、佐藤幹夫
演出:柴田岳志、佐藤幹夫、加藤拓、木村隆文、一色隆司
音楽:久石譲
主題歌:サラ・ブライトマン『Stand Alone』(作詞:小山薫堂 作曲:久石譲)

■キャスト■
秋山真之  : 本木雅弘     海軍軍人。日露戦争時の連合艦隊参謀
秋山好古  : 阿部 寛       陸軍軍人。“日本騎兵の父”とよばれる
正岡子規  : 香川照之      俳人・歌人。俳句や短歌の革新を目指す
* * * * * * * * *
山本権兵衛  : 石坂浩二   日露戦争時の海軍大臣。
                                       後に第16・22代総理大臣
東郷平八郎  : 渡 哲也     海軍軍人・日露戦争時の連合艦隊司令長官
高橋是清    : 西田敏行    神田・共立学校の英語教師。後に大蔵大臣、
                                       第20代総理大臣
伊藤博文    : 加藤 剛      初代内閣総理大臣
児玉源太郎  : 高橋英樹    陸軍軍人。日露戦争時の満州軍総参謀長
* * * * * * * * *
夏目漱石  : 小澤征悦        小説家。子規とは親交が深かった
秋山久敬  : 伊東四朗         秋山兄弟の父
秋山 貞   : 竹下景子         秋山兄弟の母
秋山多美  : 松たか子          好古の妻
秋山季子  : 石原さとみ        真之の妻
広瀬武夫  : 藤本隆宏         海軍軍人。海軍での真之の友人
正岡 律   : 菅野美穂        子規の妹。病床の子規を支え続けた
陸 羯南    : 佐野史郎           新聞「日本」主筆。子規の恩人
正岡八重  : 原田美枝子       子規、律の母
* * * * * * * * *
語り     :  渡辺謙

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2009年12月 6日 (日)

■お台場パレットタウンのクリスマスイルミネーション。

パレットタウンに行ってきた。

外はあいにくの雨だったけれど、

イルミネーションの美しさにそんなことはすっかり忘れて

しばらく見とれてしまいました。

Img_5836
Img_5746

                         <2009.12.06 記>

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2009年11月28日 (土)

■NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』第1部。始まるのが待ちきれない。

司馬遼太郎の代表作のひとつ『坂の上の雲』。

高校時代に始めて読んだときは、その面白さにどっぷり浸かったものである。

その『坂の上の雲』、ずいぶん前からNHKでドラマ化されるという話があって、なかなか始まらないなぁ、とやきもきしていたのだが、いよいよついに明日、始まるのだ。

Img_story01_01
■2009.11.29(日)より 20:00~21:30 NHK総合 

■今年から3年に渡って年末に放映される予定だそうで、今回の第一部は日清戦争が終わって秋山真之がアメリカに留学するところまで。

明治維新によって世界に扉を開いた日本が、好奇心旺盛な少年のようにグイグイと成長していくその過程を、秋山好古、真之、正岡子規の3人の青年の成長と重ね合わせて描く、それが今年放映の第1部、ということだろう。

■正岡子規が病床のなかで高浜虚子らと新しい俳句の世界を模索し、その一方でロシアの影が日本に忍び寄り、ついに日露戦争開戦、というのが来年の第2部。

秋山好古、真之兄弟が陸軍、海軍それぞれの立場で、ぎりぎり限界のところでロシア軍を押しとどめる、そのクライマックスが再来年の第3部。

いやー、書いていて何だかもう、わくわくしてきた。

始まる前から待ちきれない感じなのである。

    

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                           <2009.11.28記>

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■坂の上の雲(全八巻)司馬遼太郎 著 文春文庫

  
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■キャスト■
秋山真之  : 本木雅弘     海軍軍人。日露戦争時の連合艦隊参謀
秋山好古  : 阿部 寛       陸軍軍人。“日本騎兵の父”とよばれる
正岡子規  : 香川照之      俳人・歌人。俳句や短歌の革新を目指す
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山本権兵衛  : 石坂浩二   日露戦争時の海軍大臣。
                                       後に第16・22代総理大臣
東郷平八郎  : 渡 哲也     海軍軍人・日露戦争時の連合艦隊司令長官
高橋是清    : 西田敏行    神田・共立学校の英語教師。後に大蔵大臣、
                                       第20代総理大臣
伊藤博文    : 加藤 剛      初代内閣総理大臣
児玉源太郎  : 高橋英樹    陸軍軍人。日露戦争時の満州軍総参謀長
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夏目漱石  : 小澤征悦        小説家。子規とは親交が深かった
秋山久敬  : 伊東四朗         秋山兄弟の父
秋山 貞   : 竹下景子         秋山兄弟の母
秋山多美  : 松たか子          好古の妻
秋山季子  : 石原さとみ        真之の妻
広瀬武夫  : 藤本隆宏         海軍軍人。海軍での真之の友人
正岡 律   : 菅野美穂        子規の妹。病床の子規を支え続けた
陸 羯南    : 佐野史郎           新聞「日本」主筆。子規の恩人
正岡八重  : 原田美枝子       子規、律の母

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2009年11月12日 (木)

■NHK土曜ドラマ『外事警察』が楽しみなのだ。

『ハゲタカ』のスタッフが今度は諜報の世界に挑戦する。

14(土)から全6回で始まる土曜ドラマ『外事警察』だ。

原作は『宣戦布告』の麻生 幾。

いやー、これは面白そうですな。楽しみ、楽しみ。

                        <2009.11.12 記>

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■外事警察 麻生 幾 著 日本放送出版協会 (2009/09)

■スタッフ■
原案 麻生 幾
脚本 古沢良太
演出 堀切園健太郎 他?
音楽 梅林 茂

■キャスト■
渡部篤郎
石田ゆり子
尾野真千子
片岡礼子
遠藤憲一
余貴美子
石橋凌 他

 
■土曜ドラマ『外事警察』番組HP

     

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2009年10月30日 (金)

■古代ローマ帝国の遺産展に行く。

上野の国立西洋美術館で開催中の「古代ローマ帝国の遺産展 ―栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ―」に行ってきた。

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■まずは巨大なローマ帝国を築き上げたアウグストゥスの偉業を当時の大理石像で見せるパート。

ここで目を引くのは、高さ2メートルを越える「皇帝座像」。

主神ユピテル(ゼウス)のイメージと重ねあわされた初代皇帝アウグストゥスの権威やいかばかりか、というところ。

Photo_3
■「皇帝座像(アウグストゥス)」 高さ215cm 後1世紀中頃 

■エウマキアの像もいい感じ。

身にまとう薄手の衣の柔らかさが上手く表現されていて心地いい。

特に脚のまわりのひだの入り方は絶妙でありました。

Photo
■エウマキアの像 後1世紀初頭

■その次は、紀元79年のヴェスヴィオス火山の噴火によって火山灰に埋もれてしまった街、ポンペイの出土品から当時のローマの栄光を垣間見るというパート。

皇帝の顔が刻印された金貨や指輪や腕輪、ネックレスといった装飾品。また、日常で使われていたであろうランプや秤、水道の弁なんてもののある。

ニッポンじゃ、まだ弥生時代ですよ・・・。

ローマ、恐るべし。

Photo_2
■「アレッツォのミネルウァ」 
ブロンズ 高さ150.5cm 前3世紀

■そんなポンペイの展示品の中央にすっくと立つのは特別展示の「アレッツォのミネルウァ」。

今回のテーマより少し古い時代の像なのだけれども、私はコレにすっかりやられてしまいました。

理屈じゃないんだよね。

色合いといい、凛々しい戦の装束といい、なんともいえない魅力がある。

ここでしばらく像の前に立ち尽くすこと、しばし。

  

Photo_5
Photo_6 
■「庭園の風景(東壁・南壁)」、「黄金の腕輪の家」より

■締めくくりはポンペイのとある邸宅の部屋の壁に描かれたいた壁画「庭園の風景」。

石造りの部屋が見事に空間としての拡がりを見せ、精神的な豊かさを感じさせる。

その隣の食卓がある部屋の奥を飾った「モザイクの噴水」もまた見事な美しさでひきつけられる。

   

ここに住んでいた人たちはかなり生活に余裕のあった人たちなんだろうけれど、この部屋でいったいどんな会話をかわしていたんだろうか。

きっと、時間に追われることもなく、静かでゆったりとしたひとときを過ごしていたのだろうな・・・。

  

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                          <2009.10.30 記>

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2009年10月24日 (土)

■皇室の名宝展、伊藤若冲の動植綵絵を堪能する。

東京国立博物館で開催中の「皇室の名宝展(1期)―日本美の華、永徳、若冲から大観、松園まで」を見に行った。

お目当ては伊藤若冲の動植綵絵。

Photo 「群鶏図」

■動植綵絵30点のすべてが一挙に並べられた風景は圧巻。

くらくらするくらいの迫力でした。

特に鶏の絵は本物かと思うくらいの細密度で、中でも「群鶏図」は群を抜いた迫力に思わず見入ってしまう。

一羽、二羽の作品でもすごいのに13羽もぎっしり詰め込まれているのだからたまりません。

    

Photo_2 「紅葉小禽図」

■その一方で、静かな作品もいい。

今回の一番のお気に入り、「紅葉小禽図」。

紅葉のグラデーションの中で2羽の鳥が遊んでいる。

静寂のなかで、アクセントとしてちょんちょんと動き回る小鳥の姿にひきつけられて没入し、まるで林の中で実際にもみじの樹を見上げている感じ。

こころが癒されます。

  

Photo_3 Photo_4
「秋塘群雀図」 / 「蓮池遊魚図」 

■流れのある作品もいい。

絶妙な構図がリズムを生んでいて、雀の群れのバサバサって感じも、鮎のツンツンと泳ぐ感じも気持ちがイイ。

  

Photo_5 「梅花群鶴図」

■お茶目でかわいい作品も実に楽しい。

「梅花群鶴図」の中の一番左にいるツル。

そのニヤけた目に吹き出しそうになってしまいました。

Photo_7

■楽しい、といえば

「群魚図」の親タコの足にしがみつく子ダコ、

「池辺群虫図」のかえるの集会。

Photo_8
Photo_9

■いやー、やっぱり見飽きない。

絵が生きているんだよね。

だから見飽きない、いつまでも眺めていたい。

実際、この展示をしている部屋に何度も何度も戻っては眺め、それでも後ろ髪を引かれる思いで部屋を後にしたくらい。

いやー、本当に来て良かった。満足、満足。

  

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                            <2009.10.24 記>

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Photo
■目をみはる伊藤若冲の『動植綵絵』 (アートセレクション)

 

■ 「動植才綵絵」30点。
’弐代目・青い日記帳’ さんのサイトより。

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’弐代目・青い日記帳’ さんの「皇室の名宝展」の『動植綵絵』
 

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2009年10月20日 (火)

■日曜劇場JIN ―仁―。次の展開にワクワクする久しぶりのドラマなのだ。

原作は知らないのだけれど、面白いね、この話。

Photo_2

■現代の脳外科医が幕末の江戸にタイムスリップ。近代設備も道具もクスリも無しで、目の前の患者を如何に助けるか。

何が面白いといってこの設定がやはりいい。

外科医として腕は立つと自負していたものの、それは現代の便利さに支えられたものであって、丸裸で患者と対峙せよ、という状況に立たされたときに医者としての本当の力が試される、というわけだ。

■そこで腹をくくってノミと金づちで脳外科手術に挑む南方仁(大沢たかお)。

使い慣れないノミを頭蓋骨にあてて、あれっ、と調子っぱずれの声をあげるところがまたたまらない。

おい、本当にそれで大丈夫なんか!!

と、つい、要らぬ心配をしてしまう。

つい、引き込まれてしまうんだな。

■脇役陣もまたいい味を出している。

南方が身を寄せる橘家の娘、咲を演じる綾瀬はるかはこれ以上ないというくらいハマっているし、「リミット」から転じて今度は地の演技で勝負する武田鉄矢(緒方洪庵)も面白い。

しかし、なんといっても内野聖陽(坂本龍馬)でしょう。

今まで数々の龍馬を見てきたけれども、こんな茶目っ気たっぷりの龍馬を見たことが無い。

素晴らしい。

思いっきり気に入ってしまいました。

■現在、第2話。

今のところ花魁の野風(中谷美紀)はちらりとしか登場していないのだけれども、どうやら重要な役どころのようで、これからストーリーにどう絡んでくるのか。

そもそも、タイムスリップの原因を作ったあの胎児はいったい何なのか。

あの包帯の男は本当に坂本龍馬なのか?

いやー、本当に目が離せません!

  

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Photo_3
■JIN―仁 (第1巻) (ジャンプ・コミックスデラックス)
村上 もとか 著

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■STAFF■
プロデュース - 石丸彰彦、津留正明
脚本      - 森下佳子
演出      - 平川雄一朗、山室大輔、川嶋龍太郎
音楽      - 高見優、長岡成貢
主題歌    - MISIA 「逢いたくていま」
  

■CAST■
南方仁        - 大沢たかお
友永未来 / 野風  - 中谷美紀(二役)
橘咲         - 綾瀬はるか
橘恭太郎      - 小出恵介
佐分利祐輔     - 桐谷健太
山田純庵      - 田口浩正
タエ         - 戸田菜穂
緒方洪庵      - 武田鉄矢 
新門辰五郎     - 藤田まこと 
夕霧         - 高岡早紀
鈴屋彦三郎     - 六平直政
橘栄         - 麻生祐未
勝海舟        - 小日向文世
坂本龍馬       - 内野聖陽

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’まぁ、お茶でも’ さんの「《JIN-仁ー》★02」
 

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2009年10月18日 (日)

■聖地チベット展へ行く。

上野の森美術館で聖地チベット展をみた。

Photo
■歴代ダライ・ラマが本拠としたポタラ宮

■何が印象に残ったかというと、金キンキラキラの仏像群。

本当に千本手があるんじゃないかと思わせる「十一面千手観音菩薩立像」もそれぞれの手に「目」があるという異様さが良かったが、なんといっても圧巻は、男女の菩薩が向き合う「カーラチャクラ父母仏立像」。

Photo_3 Photo_5
■左「十一面千手観音菩薩立像」/右「カーラチャクラ父母仏立像」

■「慈悲」をあらわす24本腕の父と、「智慧」をあらわす6本腕の母が交わっていて、しかも付き合わせた顔はいがみ合う表情。

この生々しさが実にイイ。

まさにインド直輸入って感じ。

02

■全体としてはどうかというと、展示が少しあっさり気味で、海抜4000メートルのチベットの雰囲気に没入できるところまではいかず、そのあたりは少し残念。

けど、そうめったに見られないものだし、今までよく分からなかったチベットの歴史に触れられただけでも十分に良かったかな。

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                        <2009.10.18 記>

■聖地チベット展 ―ポタラ宮と天空の秘宝―

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2009年10月 3日 (土)

■【映画評】『惑星ソラリス』、アンドレイ・タルコフスキー監督。胸を締め付ける望郷の想い。

SFというよりは芸術映画といったほうがいいだろう。

文句無く、これは名作である。

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
    
No.33  『惑星ソラリス
           原題: SOLARIS
           監督: アンドレイ・タルコフスキー 公開:1972年 3月(ソ連)
       出演: ドナタス・バニオニス ナタリア・ボンダルチュク  他

     Photo ■【DVD】惑星ソラリス

■ストーリー■
海の惑星、ソラリス。どうやらその海は知性を持っているらしい。軌道上の宇宙ステーションから帰還した研究者はソラリスでの驚くべき体験を語り、その真偽を確かめるべく心理学者のクリスがソラリスへと向かう。

   
■寡黙である。

とても寡黙な作品である。

下手をすると観る者が置いてけぼりにされてしまいかねないくらい、寡黙である。

静かな情景と抑えられた表情、少ないセリフで構成されたこの作品は、消化の良すぎるハリウッド映画に慣れた眼にはあまりに退屈に映るかもしれない。

けれども、『2001年宇宙の旅』と並ぶSF映画の最高峰とまで呼ばれるにはそれだけの理由がある。

『2001年』が人類の更なる進化について語る外向きの映画とするならば、ソラリスはひたすら深く心理の奥に入り込んでいく内向きの作品である。

だから理屈は通用しない。

それを知るには、ただ体験するのみである。

   
■■■ 以下、ネタバレ注意 ■■■

■タルコフスキーの作品はほとんど見たつもりになっているのだけれど、どの作品もちょっとした映像の印象を残して記憶からスッポリと抜け落ちている。

そうか、筋書きそのものがあまり意味を持っていないのかもしれないな。

今回、改めてソラリスをみて、そう思う。

■たぶん《理解しよう》という考え自体が誤っているのだ。

タルコフスキーが表現したかったことは、頭で考えることではなく、感じることなのだ。

それゆえにスタニスワフ・レムの原作の設定である「知性のある海との邂逅」というテーマがそこに共鳴し、おおきく浮き上がってくるのだろう。

その体験は説明するものではなく、クリスの眼を通して体感するものなのだ。

■水辺があって、水草がそこに揺らいでいる。

その水辺をひとり歩くクリス。

胸にはぽっかりと穴が開いている。

10年前に自殺してしまった妻、ハリーに対する自責の念が彼をまだ苦しめている。

■そのクリスの目の前にリアルな存在としてのハリーを蘇らせたソラリスの思いは分からない。

けれども、それはクリスを、そしてハリーをも苦しめるものであった。

クリスが求めていたものは母、故郷、そして父。

それが本当の故郷であるか、ソラリスの作り出した偽りのものであるかはもう問題ではない。

そこには心の苦しみを癒してくれる何かがあるのだから。

そして、その悲しみ、苦しみは誰もがかかえているものであって、だからこそ、タルコフスキーの望郷の思いが我々にも沁みてくるのである。
  

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                           <2009.10.03 記>

■【DVD】惑星ソラリス

Photo_2
■【原作】 ソラリスの陽のもとに
■スタニスワフ・レム ハヤカワ文庫SF(1977/04)
■原作の内容もすっかり忘れてしまったなあ。
実家に戻ったときにでも本棚を漁ってみるか。
  

    
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2009年9月26日 (土)

■NHKドラマスペシャル 白洲次郎。矛盾に満ちたこの世の中で真っ直ぐ生きるということ。

90分3本勝負を半日かけて一気に見た。

後半にむけてぐいぐい引っ張られる感じがして、やっぱりいいね、大友啓史。

Photo_4

■白洲次郎というと、GHQに対して卑屈にならずにモノを申すことが出来た気骨の人であって、一本筋の通ったカッコいい人なのである。

だから作品としては、彼をいくらでも「カッコよく」切り取ることはできるし、実際、このドラマでもため息が出るくらいカッコよく描かれていたと思う。

■けれども、それだけでないのが大友啓史風味で、白洲次郎が真っ直ぐ生きれば生きるほどにそこに生まれてしまう矛盾をはっきりと描き出す。

世の中はそんなに単純に出来ているわけではないのだ。

そこに苦悩、というものがあって、だからこそ、単なるヒーローではない、生身の人間として白洲次郎を浮かび上がらせることに成功したのだと思う。

■売却話で対立する製鉄会社の役員と殴りあうシーン。

そこで’鉄屋’の男が言う。

お前は何者だ。

そこがこの物語のカギになる部分だと思う。

白洲はいう、俺は何者でもない。

戦後政治の中枢にいて占領下の日本を独立にまで導いた立役者がそう言うのだ。

■人には天命、というものがある。

多分、白洲はそれを意識していたのだろう。

己に何ができるのか。

己にしか出来ないことは何か。

自分が何者でもない、とまっすぐ言えてしまうということは、常に、その瞬間瞬間においてその問いを自らに投げかけ続けていたということだろう。

常人にはとても出来ないことである。

■白洲の妻、正子もまた、己が何者であるかについて苦しみ抜いた人だ。

ある種のスーパーマンの傍にいて、どうしても自分の姿と比べてしまう。

それは常人であり、かつ、自己実現を熱望する理想の高さを持つ故に悲劇的である。

その正子がこの物語の語り手であることに意味がある。

何しろテレビのこちら側にいる我々も常人なのだから。

■それがラストになって効いて来る。

西行法師に重ねて白洲次郎の生き様を語るシーンがあって、こういう比喩的表現も粋だなあ、なんて感じていたのであるが、最後のさいごに正子を演じる中谷美紀がふと顔をあげてカメラ目線でこちらをじっと見つめている。

これには参った。

総計270分かけて繰り広げられたドラマが画面のコチラ側にいきなり侵入してくる。あなたはどう生きているのかと問いかけてくる。

ひさしぶりにドラマでぞくぞく感を味わった。

■演出で言えば、写真と音楽で’語らずして語る’手法も見事。

さらりとしていて、それでいて艶っぽい。

いやあ、粋だねぇ。ホント。

白洲の名前に恥じない素晴らしく濃密でスタイリッシュな作品なのでありました。

     

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                             <2009.09.26 記>

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■【原作本】

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■白洲次郎 占領を背負った男 上 (講談社文庫)

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■【原作】次郎と正子―娘が語る素顔の白洲家  

  
■【DVD】

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■【DVD】 NHKドラマスペシャル 白洲次郎 DVD-BOX

 

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■STAFF■
原案: 北康利 「白洲次郎 占領を背負った男 (講談社文庫)」
     牧山桂子 「 次郎と正子―娘が語る素顔の白洲家」
制作統括  : 鈴木圭
脚本・演出  : 大友啓史 
音楽          : 大友良英
美術          : 都築雄二
スチル        : 若木信吾

  
■CAST■
白洲次郎     : 伊勢谷友介(少年:高良健吾 晩年:神山繁)
白洲正子 (妻)  : 中谷美紀
白洲文平 (父)  : 奥田瑛二
白洲芳子 (母)  : 原田美枝子
ミヨシ (白洲家宮大工): 塩見三省
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吉田茂      : 原田芳雄
近衞文麿          : 岸部一徳
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マッカーサー    :ティモシー・ハリス
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牛場友彦 (幼馴染)  : 石丸幹二
辰巳栄一 (駐英武官) : 高橋克実
河上徹太郎 (文芸・音楽評論家) : 田中哲司
青山二郎 (骨董の目利き)     : 市川亀治郎
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ロビン (留学時代の親友):ED SPELEERS

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