■新型エルグランド。腰の低い王者は新しい道を切り拓く。
日産エルグランド、実に8年ぶりのフルモデルチェンジだ。
■これは挑戦である。
何がって、全高を100mmも落としたことである。
その影響は甚大で、E50、E51が築き上げたエルグランドらしさはフロントマスクに面影を残すのみ、というのは言い過ぎかもしれないが、まあ、それくらいのインパクトの強さだ。
もはや、同じクルマではない。
■それを悲しく思う人はいるだろう。
エルグランドも元をたどればキャラバン・ホーミーで、ワンボックスの延長線上に位置したクルマであった。
要は「箱」。
背が高く、視界が開けていて運転しやすく、それに何でも載せられる、実に便利で心強いヤツなのである。
それを高級化路線に乗せた初代E50は成功を収め、エルグランドの名前を不動にする。
■が、いつのまにやら、FF軽量低燃費のアルファード、ヴェルファイアにお株を奪われ、今に至る。
当然、満を持してFF化した新型エルグランドはこの強敵に真っ向勝負!と誰もが思ったに違いない。
だからこそ、今回のモデルチェンジには、うーむ、と唸る人が多いはずなのである。
■で、実車を見てきました。
結論から言えば、これもありでは、と。
これは高級車なのである。
夏休みに子供を連れて荷物満載でキャンプに行く、そういうクルマではない。
いや、もちろん居室も荷室もそれなりに広いので、キャンプに出かけてもまったく問題ないのだけれども、何となーく、そういう感じじゃないよなー、というオーラをまとっているのだ。
キャンプ、というよりは家族で高級リゾートホテルへ乗り付ける感じなのである。
■それでいいんじゃないか、と思う。
時代は変わる、人も変わる、クルマも変わる。
背が高いことのメリットは敢えて切り捨て、必要なものは残す。進化させる。
何に感動したか、といって、2列目シートの居心地の良さ。
いい感じでふくらはぎをサポートしてくれるオットマンと、自然な姿勢でもたれかかることのできる中折れシート。
これが実にいい。
そのまま居眠りしたくなる、そういうシートでありました。
このあたりが、今回のエルグランドを象徴的にあらわしているのかもしれない。
<2010.08.26記>
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■以下、諸元比較。
E52の全長はやけに長いが、フーガの全長4945を考えれば許容範囲か。
スペックで目立つのは最小回転半径で、16インチタイヤの仕様で実に5.4m。このホイールベースでこの数値は凄い。外寸のデカさを補って余りあるメリットだ。
E51の弱点であった燃費もアルファードを凌駕している。
そして何より全高の低下。
それによって重心が低くなり、リバウンドスプリングの効果もあいまって乗用車ライクな安定した乗り味が実現出来ているらしい(試乗はしていないので伝聞ですが)。
エルグランド(E52) エルグランド(E51) アルファード
全長 4915 4835 4865
全幅 1850 1795 1840
全高 1815 1910 1915
ホイールベース 3000 2950 2950
最小回転半径 5.4(16”) 5.7(16”) 5.7(16”)
5.7(18”) 5.7(17”) 5.9(18”)
車両重量(V6 4WD) 2060 2140 2040
10・15モード燃費(V6 4WD) 9.3 8.0 9.1
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