文化・芸術

2008年11月16日 (日)

■日本語は時代の空気を映し出して変化する「生きもの」なのだ。『爆笑問題のニッポンの教養』 日本語学、山口仲美。

今回のテーマは、日本語学。

Photo
■ 爆問学問 『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE054:「日本語って“ヤバい”」 2008.11.11放送
明治大学国際日本学部教授 日本語学 山口仲美。

■今回の爆問ん~、マジ、ちょーヤバイって感じィ~?

なんてオヤジが慣れない「新・現代語」を使おうとしても、関東の人が無理に関西弁を使ったりするときにかなり「痛い」のと同じくらい違和感あるんだろうな。

ま、それはそれとして今回はいつもとちょっと違った感じで具体的な話が多く、ものすごく面白かった。

■特に奈良時代の「ことば遊び」。

二 八 十 一 

と書いてどう読むか?というと、

二 八 十 一  ⇒ 二 「八 十 一」  ⇒ 二 「九九」 ⇒ 憎く

って、奈良時代にもう「九九」があったこと自体驚きだし、

山 上 復 有 山 ⇒ 「山」の上にまた山がある

          ⇒ 「出」る

なんてのも面白い。

■そういえば、

男毒男

ってどう読むか?

というのを、昨日のTBS「ニュースキャスター」でたけしが出題したのだけれど、これには不意を突かれたというか、完全にやられてしまいました。

答えは 「ニコチン中毒」  だって。

もう、息が出来ないくらい笑って苦しかったよ。

下品だよねー。たけし、最高!!

■こういう言葉遊びってのは、他の国にもあるのかな?

山口先生は、「言葉は」とは言わずに「日本語は」っていうふうに話を進めていたから、日本特有の部分ってのもあるんだろう。

実際、先生の語る日本語における言葉の変遷はダイナミックで結構おもしろい。

それは客観的で「抽象」が得意な漢語に対して、具体的で「感覚的」な表現が上手い日本語の特性に拠るところがありそうだ。

■先生曰く、平安時代はあいまいでゆるい言葉が多かったんだけど、武士が台頭する鎌倉時代になると急に力強くて明快な言葉がいっぱい登場してきた、という。

そうすると、「ヤバイ」とか「カワイイ」とか本来の意味から拡大し、多義語として使われる言葉が出てきたり、

「オバマ」(オバサン・マニア)とか「CM」(チョー悶々)とかの言葉あそびが出てくるところなんかからすると、

今の時代には、「あわれ」、「おかし」といった平安時代の”ゆるさ”と似通った空気が漂っているのかもしれないし、なるほど、としっくりくるところもある。

現実の厳しさは敢えて横っちょに置いといて、「真剣」とか「スピード」といったものを「野暮」ととらえる貴族的空気が流れはじめてるんだろうな、この時代。

                          <2008.11.16 記>

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■ 『日本語の歴史』 山口仲美 著 岩波新書

   
■さて、次週は’トンボになりたかった少年’、

東 昭(あずま あきら)先生の登場。

いやー、わくわくしますな、かつての航空少年としては。

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2008年11月14日 (金)

■【映画評】『おくりびと』。愛しい肉親の死もいずれ必ずやってくるのだ。

とても朴訥で静かで、それがまた心に深く響く映画であった。

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
    
No.20  『 おくりびと
          監督 滝田洋二郎 脚本 小山薫堂 公開:2008年 9月
       出演: 本木雅弘 広末涼子 山崎努 笹野高史、他

01

■ストーリー■
楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきた大悟(本木雅弘)は好条件の求人広告を見つける。

面接に向かうと社長の佐々木(山崎努)に即採用されるが、業務内容は遺体を棺に収める仕事。

当初は戸惑っていた大悟だったが、さまざまな境遇の別れと向き合ううちに、納棺師の仕事に誇りを見いだしてゆく。
(シネマトゥデイ)

   
■■■ 以下、ネタバレ注意 ■■■

■笹野高史がいい。

吉行和子が一人で切り盛りする銭湯があって、笹野はそこの常連客を演じているのだけれども、

ふたりのさらりとした優しさが滲み出るやりとり。

それが終盤の場面での

   
 達者でのう、また逢おうのう。
  

というセリフとなって静かで穏やかで温かい涙を誘うのだ。

■本木雅弘も素晴らしく良かった。

失意の中で故郷に帰り、みつけた仕事が納棺師。

山崎 努と余貴美子に見守られながらいくつもの「死」に立ち会い、時に親族の感情の動きに心を揺らし、時に場違いな出来事にクスりとする。

そうやって、ゆっくりとした山形の時の流れの中で、納棺師として成長していく主人公。

その成長した納棺師としての本木の演技、そこにシビれたのだ。

■遺族を前にして、遺体を清め、生前の幸せを思い起こさせる化粧を施す。

その切れのいい所作。

その静かで透明な眼差し。

「感情」はキレイに削ぎおろされ、「死」に対して真摯に丁寧に向き合う。

そこに張り詰めた、凛とした空気が感動的なまでに美しい。

■「死」からは誰も逃れることは出来ない。

愛しい肉親もまた、いつかは死を迎えることになる。

それ故に、われわれはそれを忌み、排除し、見ないことにして日常を過ごしている。

けれど、こころのどこかに、その逃れられない事実が残っているために、納棺師などの「死」に関わる仕事からできる限り遠ざかっていようとするものだ。

そして、「その時」が訪れたときに初めて、死別の不条理を否が応でも思い知らされることになる。

無念、後悔、無力感、といった生々しい感情が一気に噴き出してくるだろう。

それを無理に押しとどめることは無い。

それは極めて自然なことなのだ。

■焼却係として延々と仏さまを見送ってきた笹野高史。

深く想いを寄せていた吉行和子の遺体が燃え盛る炎に包まれる光景に目を向けながら、こうつぶやく。

  
 「死」というのは そこで終わりというのじゃなくて

 くぐり抜ける「門」、みたいなものじゃないでしょうかね。
   

そうだよね、そうかもしれない。

だって、そうじゃなかったら あまりにも切ないもんな。

   

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                           <2008.11.14 記>

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Dvd_2 ■【DVD】 おくりびと

    
■ 「おくりびと」 オリジナルサウンドトラック 【久石譲】 
   

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■ 納棺夫日記 (文春文庫) 青木 新門 (著)

 

■STAFF■
監督:滝田洋二郎
脚本:小山薫堂
音楽:久石譲
撮影:浜田毅
照明:高屋斎
録音:尾崎聡
美術:小川富美夫
編集:川島章正
衣装監修:北村勝彦
ビューティー・ディレクター:柘植伊佐夫
イメージソング:AI (AI+EXILE ATSUSHI)
                    「おくりびと/So Spacial-Version AI-」
製作: おくりびと製作委員会
TBS、セディックインターナショナル、松竹、電通、テレビユー山形、他




■CAST■
小林大悟 (元チェロ奏者、納棺師)     :本木雅弘
                                                      (幼少時:井桁雅貴)
小林美香    (大悟の妻)                   :広末涼子
      
佐々木生栄 (NKエージェント社長)     :山崎努
上村百合子 (NKエージェント事務員)  :余貴美子
    
山下ツヤ子 (銭湯「鶴の湯」主人)      :吉行和子
山下       (大悟の同級生)      :杉本哲太
平田正吉    (「鶴の湯」の常連客)      :笹野高史
      
小林淑希    (失踪した大悟の実父)   :峰岸徹

    
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2008年11月 6日 (木)

■夜明け前。

朝と夜の境界線が 一瞬、

虹色に輝きだす。

20081106

                      <2008.11.06 記>

 
■■■ 空の写真 ■■■  
↑カテゴリー・【空の写真】へのリンクです。

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2008年10月30日 (木)

■【映画】『クワイエットルームにようこそ』。人生に出口は無い、だからこそ明るくひとりで歩いていくのだ。

なんとなーく予備知識もなく見たのだけれど、そういうとき、「イイ映画」に出会う確率が妙に高いように思うのは気のせいだろうか。

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
    
No.19  『クワイエットルームにようこそ』
          監督・脚本: 松尾スズキ 公開:2007年10月
       出演: 内田有紀 宮藤官九郎 蒼井優 他

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■え!、これはナニ?ワタシ、一体どうなっちゃったの?

という始まり方をする映画は好きである。

主人公といっしょに「事態」に巻き込まれ、次第にあかされる真相に愕然とする。

「クワイエットルームにようこそ」も、そのたぐいの映画なのだけれども、その愕然の先にある感情の行く先を描いているところがとても素敵なのである。

■ストーリー■
■バツイチのフリーライター佐倉明日香は目覚めたら真っ白な部屋で手足を拘束されている自分に気がついた。
そこは精神病院の閉鎖病棟。どうやら睡眠薬ののみ過ぎで担ぎ込まれたらしい。
いったい何が起きたのか? 果たして彼女は閉鎖病棟から無事に出られるのか?

Photo 
■DVD 『 クワイエットルームにようこそ 』 特別版

   
■■■ 以下、ネタバレ注意 ■■■

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■ワタシは普通。なんでもない。

ただ酔っぱらって睡眠薬を飲みすぎただけ。

そう思う明日香(内田有紀)にとって、精神科隔離病棟は自分がいるべきでない「異界」であることは明らかだ。

けれど同棲している構成作家の男(宮藤官九郎)は担当番組の罰ゲームで肩にオウムを乗っけてビルマへ。

唯一頼りに出来る引き取り手を失って、明日香は隔離病棟に取り残されてしまう。

■扉の影からそーっと覗いていて、何かをつぶやいている女、

自分の髪の毛に火をつけてギャーと叫ぶ女、

そういう混乱に乗じて、それではワタクシ失礼します、とさりげなく脱走を図る和服のおばさんさん。

■しばし呆然とする明日香だったが、退院していく栗田さん(中村優子)を見送り、軽度の拒食症だというミキ(蒼井優)と仲良くなったりして、次第にその生活にも馴染んでいく。

そこに「事件」が発生する。

■次第に明らかになっていく大量服薬の状況。

「つまらない」夫との離婚。

流産。別れた夫の自殺。

彼の遺した「残念だった」という言葉。

そんなとき、

流れ着いた風俗店で「面白い」を与えてくれた今の同居人。

けれど、その「面白い」日々は彼女が背負ってしまったものを覆い隠して楽にするようなことは決してなく、

むしろその空虚な面白さの間隙を縫って、苦しさは、さらに深々とその胸に深く突き刺さっていくのだ。

■ワタシは「ちょっと睡眠薬を飲みすぎちゃった」のではない。

人生に絶望して死のうと思ったのだ。

それを西野(大竹しのぶ)に大声で指摘され、なんとかカタチを保っていた『彼女』はガラガラと音を立てて崩れていく。

半狂乱になった明日香を止めようとするミキ(蒼井優)を突き飛ばして言い放つ。

この、バケモノ!!
  

■なんて、やるせないシーンなんだろう。

残酷で、強烈で、いままでのドラマのすべてを吹き飛ばしてしまうような、そんな破滅的なシーンである。

■そこで明日香を見上げるミキの瞳。

信頼していた友に裏切られたというような単純な悲しみではない。

自分が「正常」では無いことは痛いほど理解している。

その黒くゆれる瞳には、むしろ、

「あなたもコッチの人間だったのね」

という明日香に対する深い哀れみの感情が込められているのである。

・・・蒼井優、凄すぎる。

■クワイエットルームのドアを少しだけ開いて拘束された明日香に向けてミキが何かをつぶやく。

それは聞こえない微かな声なのだけれども、

「クワイエットルームにようこそ」

と語りかけたのだと思う。

それは明日香が初めてクワイエットルームで意識を戻したシーンの再現なのだが、今回は、本当の意味での『ようこそ』なのである。

Photo_3

■そこには、人は誰でも「正常」とは言い切れない。

なんていうありきたりな表現では収まりきらない深い心の動きがある。

人生そのものが突きつけられる、そういう深さなのである。

■ようやくビルマから帰還した同居人(宮藤官九郎)に退院の手続きをとってもらう明日香。

けれど明日香はその場で彼を「解放」してあげる。

彼女が彼に求めていたものは愛ではなく、自分のつらさを隠すための「面白い日々」であったことに気がついたのだ。

ここで、「そんなことないよ、もう一度一緒に頑張ろう」なんて言い出したりせずにどこかホッとした表情をみせる宮藤官九郎の芝居が素敵であった。

Photo_6

■ひとり病院を去ろうとする明日香は患者たちがくれた寄せ書きと拒食症の少女サエの心のこもった似顔絵をゴミ箱に放り込む。

もう、こことはオサラバなのだ。

そこへ救急車が滑り込み、ここからオサラバしたはずの栗田さんが意識不明で担ぎこまれる姿を目撃してしまう。

結局、ここからは逃れることは出来ないのか。

■病院から日常へ向かうタクシーの中。

シャバに戻ったら連絡して、と栗田さんに渡されたメルアドのメモをもてあましていた明日香は、思い切ってそれを窓の外を吹き抜ける強い風の中へ投げ捨てる。

あなたにだけ、とメルアドを渡した栗田さんもまた「依存する」人間であったのだ。

わたしもこの自分の人生から逃れることは出来ないのかもしれない。

けれど、それでも行けるところまで行ってみよう。

そこに生まれた爽やかな意思が心地いい。

■エンディングテーマが流れるなかで、ロードサイクルの若者たちの列がタクシーを追い越していく。

と、その列の一番うしろにママチャリを必死に漕いでついていくのは、いつの間にか隔離病棟からの脱出に成功した和服姿の金原さん。

腹がよじれるほどに笑い転げてしまった。

■そう、そうなのだ。

いつでも必死で真剣で、それでいて笑っちゃうほど可笑しいのが人生なのだ。

とっても重たいテーマを突きつける映画なのに、それを突き抜けて清々しい気分にさせてくれる。

いやー、本当にいい映画でした。

 

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                           <2008.10.30 記>

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■「それでは、ワタクシ、これで失礼させていただきます」と混乱に乗じてさりげなく脱出を図る金原さん。こういうの、大好きである。

 

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■DVD 『 クワイエットルームにようこそ 』 特別版
       

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■【原作本】 『 クワイエットルームにようこそ 』 (文春文庫 2007/08)
   

■STAFF■
原作     :松尾スズキ「クワイエットルームにようこそ」(文藝春秋刊)
監督・脚本 :松尾スズキ
プロデューサー :今村景子、菅原直太
撮影     :岡林昭宏
照明     :山崎公彦
美術     :小泉博康
編集     :上野総一
音楽     :門司肇、森敬
主題歌:「Naked Me」LOVES.(Ki/oon Records Inc.)


■CAST■
佐倉明日香  :内田有紀
焼畑鉄雄   :宮藤官九郎
     *  *  *  *  *  *  *
栗田            :中村優子
ミキ       :蒼井優

サエ             :高橋真唯
西野            :大竹しのぶ
金原さん   :筒井真理子

     *  *  *  *  *  *  *
ナース・江口      :りょう
ナース・山岸      :平岩紙
婦長       :峯村リエ
白井医師    :徳井 勝
白井医師(声)  :伊勢志摩       
     *  *  *  *  *  *  *

明日香の元旦那   :塚本晋也
     *  *  *  *  *  *  *   
コモノ               :妻夫木聡
松原医師          :庵野秀明
   

    
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2008年10月23日 (木)

■金曜ドラマ 『流星の絆』 第1話。思い出したくない過去を明るい日常に埋没させようとする努力は、かえって不幸を重く際立たせてしまうのだ。

さすが、クドカン!と 唸らされた第一話であった。

■1993年、両親に内緒で夜中に獅子座流星群を見に行った小学生の3兄妹。

彼らが雨上がりの夜空を横切る流星に感動していたそのとき、自宅で眠っているはずの両親を不幸が襲っていた。

ドラマは事件の14年後、残された3兄妹の犯人に対する復讐劇として進行していく。

■如何にも東野圭吾らしい、やるせない物語のようなのだけれど、話が現在に移った途端にクドカン的ドタバタ喜劇の世界へと容赦なく押し流されていく。

ちょっと待て。こんな話なのか?

というくらいに突っ走る。

末の妹、静奈 (熊田聖亜)が苦手とするポストイットでしかコミュニケーションがとれない上司なんかは序の口で、最後はベンツとホストとゴスロリ(?)とウサギなのである。

意味わかんね(笑)。

■まさに、クドカン節炸裂なのだけれども、今回「ヤラレタ!」と思ったのは、そのドタバタが面白くハチャメチャであればあるほどに現実としての「ツライ過去」が深く、重く、際立って胸に突き刺さったということだ。

ハチャメチャとのコントラストで悲劇の「やりきれなさ」を強調し、浮かび上がらせる。

これがクドカン流の「東野悲劇」の調理法なのである。

■資格商法で騙し取られた金の奪還に成功した3兄妹。そこで静奈が会社を辞めた本当の理由を語り始める。

その瞬間、ドラマは唐突に東野圭吾の世界へと戻ってくる。

まるで手品だ。

■ポストイット上司も資格詐欺のオバハンも少女マンガ的奪還劇も、すべては宮藤官九郎の「ほら話」に違いない。

けれどこのさい、そんなことはどうでもいい。

直視することが出来ない、あまりにもツライ記憶を呼び覚ましたくなかっただけなのだ。

なのに、かえって「あの事件」の闇は黒々と3兄妹を包み込んでいく。

彼らは決してそこから逃れることは出来ないということだ。

■あまりにも切ないクドカンのやり口にまんまと嵌められてしまった。

もう、この初回スペシャルだけでお腹いっぱい。

これは独立した一つの作品として十分成立していて、しかも滅多にお目にかかれない「名作」、といっても過言ではないだろう。

時には伝説と呼べるような素晴らしい作品に出会えるものである。

■さて、問題は2話以降。

このフォーマットで話を続けたら、もちろんアホタンなわけで、この先のクドカンの手腕がまた非常に楽しみなのである。
   

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                         <2008.10.23 記>

   
■【原作本】
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■『 流星の絆 』 東野圭吾 著 (2008年3月初版)

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■STAFF■
原作  : 東野圭吾 「流星の絆」脚本   : 宮藤官九郎
演出 : 金子文紀、石井康晴
プロデューサー : 那須田淳、磯山晶
音楽 : 河野伸
主題歌 : 『Beautiful days』 嵐
●Beautiful days(DVD付)(初回限定盤)●

  
■CAST■
有明 功一(3兄妹・長男)  :二宮和也(嵐)
                  (幼少時代:齋藤隆成)
有明 泰輔(3兄妹・次男)   :錦戸亮(NEWS/関ジャニ∞)
                  (幼少時代:嘉数一星)
有明 静奈(3兄妹・末の妹) - 戸田恵梨香
                  (幼少時代:熊田聖亜)
  * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
林 ジョージ(カレー店店長、元孤児院の院長)  :尾美としのり
柏原 康孝(強盗殺害事件を担当した刑事)    :三浦友和
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有明 塔子 (3兄妹の母)   :りょう
有明 幸博 (3兄妹の父)   :寺島進
  * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
戸神 政行(犯人と思しき男)  :柄本明
     

■尾美としのりの演技の上手さはいうまでもないが、二宮和也も意外に上手くて、なんだか昔の尾美としのりを見ているようだった。なんだかファンになりそう。

軽口を叩く三浦友和は味わい深くて結構いい感じ。これから3兄妹とどう絡んでいくのか、とっても期待してしまいます。

寺島進とりょうの夫婦がいい味出してましたね。何だか初回で終わってしまうのがもったいない気がします。

柄本明・・・、顔出し早や過ぎないか?というか、似顔絵が全然似て無い(爆)!
  

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■流星の絆 番組HP

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’まぁ、お茶でも’ さんの「《流星の絆》☆01」
 

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2008年10月19日 (日)

■『ブラッディ・マンデイ』、第2話。展開、早やっ!

■ブラッディ・マンデイ■ <第2話>

テロリスト先生、あっという間に追い込まれちゃいました。
男子高校生と美人女教師のやりとりをもっと楽しみたかった気もするな。妙に高いアングルで強調された折原先生の胸元に、オジさんドキドキしちゃったよ。

今回の助演女優賞は第一感染者の’サネイエさん’(江口のりこ)かな。切なかったねぇ。でも彼女に注射針を突き立てられた看護師は発症せず、サネイエ死してワクチンを残す、というところか。

レクター博士っぽい嶋田久作と「SP」で味のある公安のデカを演じた野間口 徹のやりとりも面白いし、ああ、目が離せない。

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                           <2008.10.18 記>

■第1話 2時間スペシャル■
■ドラマ 『ブラッディ・マンデイ』。完璧な初回スペシャルには気をつけろ!

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2008年10月16日 (木)

■ただよう感情。エモーショナル・ドローイング ―現代美術への視点6― 奈良美智 ほか、東京国立近代美術館。

奈良美智の作品がいっぱいあるらしいというミーハー感覚で、国立近代美術館に会期終了間際の「―現代美術への視点6― エモーショナル・ドローイング」展を見に行った。

Photo
■東京国立近代美術館「エモーショナル・ドローイング」展 2008.8.26-10.13

■現代アートには感情移入を拒むような近づきがたい印象があったのだけれど、「エモーショナル」というタイトル通り、今回の展示は比較的受け止めやすい作品が多く、余り頭をひねるようなこともなくて安心して鑑賞することが出来た。

■レイコイケムラ (1951- )
Photo_3 ■シリーズ「樹の愛」 2007より

まず会場に入って出迎えてくれるたのがレイコイケムラのパステル、水彩による作品群。

こころの中の感情をイメージに、或いは顔の表情に写し取ったその言葉を介さない生の感覚がダイレクトに伝わってくる。

■キム・ジュンウク (1971- )
2006 ■無題 2006

何だか「ホラー」な雰囲気である。

きらきらな光が映りこむ大きな瞳、宇宙の闇のような漆黒の眼。

そこに感情がある、というよりは見ている方の「感情の奥底にある得体の知れない恐怖」が引きずり出されるような、そういう恐ろしさがある。

■ミトゥ・セン (1971- )

インド生まれの彼が今回の日本滞在中に製作した、《翻訳で失われるものはなにもない》。

巨大な和紙にアキバ系(?)の巨乳少女のイラストを配し、そこに唇、骨、魚、嬰児の血管透視図といったリアルでグロテスクな写真を加えた、非常に居心地の悪い作品。

それは日頃われわれが目を背けている、日本の一部に蔓延するグロテスクな現実をドーンと目の前に提示されたような、そういう痛烈な居心地の悪さなのである。

■そのほか、フィリピン、マレーシア、エジプトといった各国の作家のヴィヴィッドな作品や、坂上チユキの超絶・極細密画など色とりどり。

その中でも展示のラストを飾ったアディティ・シン(1976- )の『鳥の言葉』という40点組の作品の、全体が紡ぎだす物語が印象的だった。

また今回の展示のなかにはアニメーション作品もあって、これもなかなか侮れない。

■アヴィシュ・ケブレザデ (1969- )
Photo_5 ■裏庭 2005

ギーコ、ギーコ、というチェロ(?)の音が印象的な曲とともに、どこか懐かしい感じの絵が浮かんでは消えていく。

家族の記憶なのだろう、たぶん。

1、2分程度の短い作品なんだけれど、くりかえし眺めているうちに一本の外国映画を見終わったような不思議な感覚にとらわれた。

■辻 直之 (1972- ) 
Photo_4 ■エンゼル 2008(約6分)

若い夫婦のもとに「エンゼル」がやってくるまでのお話。

意表をついて飛んでいくイメージの展開が面白い。

とってもほのぼのしていて、幸せな気分にさせてくれる。

  
さて、     

■奈良美智 (1959- )
04
■untitled 2008 (胸の中にある気持ちを決して恥じる事はない)

この、カワイらしさの中から突き出てくる断固たる意思。

群れることを良しとしないそのエッジは、

戦争も貧困も知らない我ら戦後世代が「ワタシ」として生存していくための存在証明なのだ!

   
でも、そんな理屈にこだわるのは野暮天っていうもので

とっても楽しい、

単純に、そんな気分にさせてくれる131の作品群なのであった。

Slash_with_a_knife ■Slash with a Knife 改訂版
■この「デコチン」がうちのチビ助にそっくりなもんで、
思わず買っちまったゼイ。ウヒヒ。

                                                      <2008.10.16 記>

■小山登美夫ギャラリー
奈良美智 
東京国立近代美術館「エモーショナル・ドローイング」展
 

■奈良美智さんの作品展示の様子がわかります。
展示の真ん中に建てられたドローイング・ルームの雰囲気は最高!

Photo_2
01_2 02
《My Drawing Room 2008, bedroom included》

              
■東京国立近代美術館 HP
―現代美術への視点6― エモーショナル・ドローイング

       
Photo
■DVD 『 ロッタちゃん はじめてのおつかい 』

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2008年10月11日 (土)

■NHKドラマ8 『七瀬ふたたび』。予想外のテンポの速さに大満足。

これは楽しみにしてましたです、はい。

_
■NHKドラマ8 『七瀬ふたたび』
木曜夜8時NHK総合で放映。全10回シリーズ。
主演の蓮佛美沙子(17)はデビュー当時の原田知世みたいで初々しい。

■何しろ中学生時代には筒井康隆を濫読していて、その中でも気に入っていた「家族八景」、「七瀬ふたたび」、「エディプスの恋人」の七瀬三部作。

「エログロ」と「異常な心理描写」は筒井作品には欠かせないものではあるけれど、三部作の中でも「七瀬ふたたび」はそういう描写が抑えられていて、『時をかける少女』とかの(茶色い背表紙の)ジュブナイル作品に近いものがある。

だから安心してNHKでも放映できるというわけだ。

まあ、多少は「ぬるく」なっても七瀬がドラマで見られるならばそれでいい。

■なーんて気分を見事に吹き飛ばしてくれる第一話であった。

七瀬の母親を交通事故であっさり殺してしまう。母娘の物語の描きこみを敢えて切り捨て、七瀬が「テレパス」として覚醒する、その一点に焦点を絞り込む。

ほとんど助走もなしに一気に本題に切り込んでくる、そのスピーディーな展開が気持ちいい。

■早くも同じ能力をもった少年と出会い、さらには予知能力を備えた青年が七瀬のもとに駆けつけて、土砂崩れによる列車事故から寸でのところで救われる。

全十回シリーズの第一話なのだから、七瀬が自分の能力に目覚めて驚愕する場面で終わらせてもいいくらいなのに、一気呵成にメンバー集結までもっていってしまったその勢いが素晴らしい。

このスピード感を維持していけば全く想像もしていなかった驚くべき展開も十分期待できるだろう。

■また楽しみなドラマを見つけてしまった。

でも木曜日は七瀬、風のガーデン、かなえるゾウと結構盛りだくさんで、ちとキツイな~。

   

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                          <2008.10.11 記>

   
■【原作本】
Photo
■七瀬ふたたび (新潮文庫)
筒井康隆 著(1978年12月 改訂版)
■なつかしい表紙です。

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■STAFF■
脚本     : 伴一彦
演出     : 笠原友愛、吉川邦夫、松浦善之助、陸田元一
制作統括  : 谷口卓敬、遠藤理史
音楽     : 川井憲次
制作         : NHK、NHKエンタープライズ


  
■CAST■
田中(火田)七瀬   : 蓮佛美沙子
                             奥森皐月(少女時代:)
田中    静子(七瀬の母) : 中村久美 
火田精一郎(七瀬の父) : 小日向文世
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岩渕恒介(予知能力者)  : 塩谷瞬
ヘンリー(念動力者)       : 郭智博
広瀬朗(テレパスの少年): 宮坂健太
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真弓瑠璃(七瀬の親友)  : 柳原可奈子
増田(マジックバー店長)  : 北村総一朗
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漁藤子(未知能力研究者): 水野美紀
高村刑事                       : 市川亀治郎
江藤刑事                      : 載寧龍二

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2008年10月 8日 (水)

■緒形拳、死去。当たり前のように存在していたものもいつかは消え去ってしまうのが道理だとしても。

5日、緒形拳さんが亡くなった。

数年前に発病した肝がんを周囲に隠し通しながらも、亡くなる直前まで俳優であり続けた。

71歳であった。

■突然の訃報にしばらく意味が分からなかったのだけれども、

落ち着いて、緒形拳さんを代表するような作品って何だったかと考えたとき、何も浮かんでこないのにも驚いた。

そんなわけはない。

緒形拳さんは、テレビドラマでも映画でもCMでも、子供のときからずーっと「そこ」にいた存在なのだ。

■そう、いつでもそこにいた。

けれどもそれは、気がつけばそこにいるといったやわらかな存在などではなく

凛とした静かな笑みの奥に梃子でも動かない極太の情念を宿している、そういう一種独特の雰囲気が極めて強い存在感の役者さんであった。

■たぶん数多の名作で見た「緒形拳」は、その登場人物そのものではなく、その役柄を通して「緒形拳」自身を強烈に発散していたのではないだろうか。

思い浮かぶいくつもの映画のシーンでの拳さんは、あくまでも緒形拳のイメージなのである。

こういう役者さんは他にもいろいろ居そうだが、実際に想像してみると「自身」よりも役者としての器用さにどうしても目が行ってしまう。

そして、大きな存在を失ってしまったことに思い至るのだ。

     
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

                          <2008.10.08 記>

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2008年10月 7日 (火)

■ドラマ『夢をかなえるゾウ』。ガネーシャ、自分、インチキっぽいくせに意外といいこと言うやん!

ガネーシャの出す課題に不覚にも感心してしまった自分がなんか悔しい・・・。

Photo
■スペシャルドラマ 『夢をかなえるゾウ』 2008.10.02(木)放送。
古田新太のガネーシャが最高。あまりの知名度の低さに落ち込んで押入れに引きこもる「すねた」演技は古田新太ならではの味わい。

■話題の本っていうのを敢えて敬遠するいやらしいところがあって、本屋に平積みされているこの本の装丁が醸し出すインチキ臭さに惹かれつつも今まで無理に避けてきた。

けれど、ドラマのガネーシャ役を古田新太がやると聞いたらもう我慢の限界っ、どっぷりとハマり込んでしまいました(苦笑)。

■平凡な毎日を送る若手サラリーマンが、ふと自分の人生のつまらなさに気付き「変わりたい!」と願う。

そこに関西弁をしゃべる変なゾウの神様が現れて自信たっぷりにこう言うのだ、

―ワシの出す簡単な課題を確実に実行すれば

 お前は必ず成功する―

果たしてこの怠惰でインチキ臭い神様、ほんとに信じていいのだろうか???

・・・という おはなし。

Photo_9 「あんみつ、くれ~」

■要するに「成功の秘訣」の話なのだ。

・靴を磨く

から始まり、

・ 人を笑わせる

・ 誘われても真っ直ぐ帰宅し、自分の時間を作る

・ その日がんばった自分を褒める

主人公は半信半疑ながらもガネーシャの出す課題をこなしていく。

■実はこれらの「課題」は世界の偉人や成功者が実際に実行していたことなのだそうだ。
(またWikiネタなのですが・・・。)

靴を磨くのはイチローで、順にハーブ・ケレハー(サウスウエスト航空会長)、スティーブン・キング、手塚治虫というわけである。

「ものごとをプラス思考で考える」とか抽象的なことではなくて、実際に「行動」を伴った具体的な課題であることがポイントのように思われる。

■金も、地位も、名誉も、

ぜんぶ他人が自分を認めて与えてくれたもの。だから、

【毎日、感謝する】

という最後の課題も確かによかった。

けど、以下に挙げる3つの課題は「おおっ」と、メモってしまうほど

ナルホド度が高かった。

  
・ どんな最悪な事態に陥ってしまったときでも、

 【運がいい、と口に出して言ってみる】

・ 人に何かをしてあげるとき、まあこんなもんだろうという相手の

 想像力を遥かに上回る【サプライズをする】

・ いろいろ言い訳をしながら、やらずに後悔していることを

 【今日から始める】
    

■・・・でも、なかなかそう上手くいかないのが現実だ。

そういった「成功する習慣」を教授してくれる本を読んで理解したつもりになっても、「何だか掴んだぞ!」と思っているのは数週間程度。

半年もすれば本の中身はすっかり忘却の彼方、ご利益のある実践的自己啓発本も本棚のお飾りと化してしまう。

何を隠そう、ウチの本棚にも「スゴイ!」と感動した本が何冊も並んでいる。

だが悲しいかな、背表紙を眺める満足感以上のものは今や何も残っていないのである。

■このドラマ、というかこの物語がひと際かがやいて見えるのは、その「罠」を乗り越える力を秘めているからなのだ。

それらの「ありがたい課題」を提示するのが、如何にもインチキ臭い違和感たっぷりの「存在」であること。

一人暮らしのアパートに突然あらわれて押入れに住み着くのが’ドラえもん’ならまだしも、怠惰なゾウ人間(神様?)なのだから始末が悪い。

こんなのと一緒に暮らしながら逐一行動を見張られていたら、小栗旬ならずとも嫌でも継続的に実行せざるを得ないだろう。

その意味で古田新太は今回、最高の仕事をしたと言える。

彼以上にガネーシャ役が似合う男は世界広しといえども他にはいない。そういわれても本人はちっとも嬉しくないかもしれないが、あえて断言してみたいとおもう。

■さて、問題は我々がこのドラマをみた直後からの実際の行動と、その半年後、3年後にそれが継続できているかどうか。

何しろ我々のそばには違和感溢れるガネーシャも古田新太もいないのだ。これは結構痛いハンディキャップである。

とりあえず、今すぐに出来ることは古田新太扮するガネーシャの画像をデスクトップの背景にでもするかなのだけれども・・・

うーん、チョッと気が進まないなぁ。

_ 「よっこらせっ」
Photo_7 「何じゃ、コイツ!」
■【連続ドラマ】『夢をかなえるゾウ』木曜 夜 11:58 NTV系列 
  主演:水川あさみ (祝!連ドラ初主演!)

■引き続いての連続ドラマ。

こちらはオリジナルストーリー(だよね?)で

主人公は水川あさみが演ずる一人暮らしの独身派遣社員。

彼女の夢が「幸せな結婚」だったりするのでテーマ的に40のおっさんには正直きびしい。

■でも、第一話での水川あさみの

「もう、最悪!!」

っていう演技が最高によかったので、うん、これは続けて見ちゃうかもしれない。

気位を高く見せている内面が実はとてもか弱いOLの成長ぶり、しっかり期待させてもらいます。

あ、もちろんガネーシャ・古田とのかけあい漫才も楽しみ。

水川あさみは果たして新境地を拓くのか!

                          <2008.10.07 記>

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■【原作本】
Photo_8
■『夢をかなえるゾウ』  水野敬也 著(2007年8月初版)

     
■【DVD】 夢をかなえるゾウ スペシャル 男の成功編

 

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■CAST■

【スペシャル・ドラマ版】
古田新太 :ガネーシャ(ゾウの神様)
小栗 旬  :野上耕平 (主人公) 
瀬戸朝香 :氷室絢子(会社の上司)
田中要次 :ニュートン&イチロー&キュリー夫人&エジソン
宇梶剛士 :刑事
ランディ  :本物のゾウ
【連続ドラマ版】
水川あさみ  :星野あすか(主人公)
長谷川朝晴 :坂東剛(主人公を振った職場のエリート)
加藤理恵   :本多加奈子(派遣仲間)
大久保麻理子 :池上ルナ(派遣仲間)
佐戸井けん太 :田島部長

■STAFF■
原作 : 水野敬也 「夢がかなうゾウ」 飛鳥新社
脚本 : 根元ノンジ(スペシャル・ドラマ)
      国本雅広(連続ドラマ)
演出 : 岡本浩一(読売テレビ)
チーフプロデューサー : 田中壽一(読売テレビ)
  * * * * * * *
ナレーション - 窪田等
音楽 : 中塚武
主題歌 : SEAMO 『Continue』
  * * * * * * *
VFX・特殊メイクスーパーバイザー : 岡野正広(ゴンゾ)
CG  : フレームワークス・エンタテインメント
  * * * * * * *
製作 :読売テレビ/ケイファクトリー

Photo  Continue

 

■ドラマ 夢をかなえるゾウ 公式HP

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