■【航空機】第5世代戦闘機T-50/PAK FA。ロシアの戦闘機って、やっぱりかっこいい!戦闘機の正義って「かっこよさ」なんだよなあ。
18日、航空ショー「国際航空宇宙サロン」がモスクワ郊外のジュコフスキーの飛行場で始まった。第5世代戦闘機T-50/PAK FAも出てますよー!
というわけで、改めてPAK FAを見ていきたいと思う。
■T-50/PAK FAはロシアのスホーイが開発中のステルス戦闘機。ステルス性能はもちろん、スーパークルーズ能力、アクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーと人工知能システム、ヘルメットマウントディスプレイを装備する。ノズルもSu-37でも採用された推力偏向式(スラストベクタリング)。まさに最新鋭の戦闘機だ。
上面から見ると、機首からエアインテーク上面にかけてのシルエットがF-22みたいだけど、角度を変えるとずいぶんと印象が違う。
コクピットは上にせり出し、インテーク上面にはLEVCON(Leading Edge Vortex CONtroller:前縁渦流制御装置)と呼ばれるストレーキが設定されている。
一方のF-22は極限のステルス性能を目指したのだろう、極めてのっぺりとした印象だ。
この違いはどこから来るのかといえば、PAK FAはあきらかに近接格闘戦を意識しているということなのだろう。
Su-27フランカー、Mig-35ファルクラムMは鶴首が特徴的で、PAK FAもステルスとしてそこまでの鶴首はないにせよ、パイロットの視界はかなり良さそうだ。
ヘルメットマウントディスプレイなら、そんなのいらんだろ、という気もするが、それでも直接視界にこだわる頑固な姿勢が、なんともこころを揺さぶるのである。
■そして、なんといってもエアインテーク前のストレーキである。
インテグレートされたカナード翼にも見えてかっこいいのだけれど、機能としてはもちろん、機動時にエンジンへの流入空気が前縁で剥離して推力が低下することを防止するものだ。
スラストベクトリングと合わせて高機動をかなり意識しているのだろう。
現代の空戦は艦船も含めたレーダーシステムと複数の航空機による大規模なデータリンクをもとに、目視圏外からの長距離ミサイルで決まるといわれている。
そういう意味では、近接空戦能力にこだわってどうするんだ、という気もする。
■けれど、それって寂しいよね。
戦闘機はドックファイトをやってこそ、「かっこいい」のである。
いやいや、F-22もなかなかのもんだよ、ということなのかもしれないが、それが「カタチ」に現れていないから、物足りないのだ。
PAK FAの「カタチ」をみていると、プガチョフ・コブラやクルビットが出来なきゃいかんよね、というある種のバカバカしささえ感じてしまう。
そこがいいのだ。
兵器としての「強さ」はある意味どうでもいい。
兵器の「かっこよさ」は、その合理性にあるとは思うのだけれど、こと戦闘機に関しては「戦争に勝つ」ことよりも、すごいマニューバーに「かっこいい」がある。
プガチョフ・コブラとか、そんなに速度落としたら、敵の僚機がいたならば「カモ」になるんじゃないか、という心配をしてしまうのだけれど、面白ければそんなことはどうでもいいのである。
ロシア人とは一度しか会話したことがないからよくわからないのだけれど、イギリス人に言わせると、奴らの運転をみてるとホントにクレイジーだぜ、ということらしく、ロシアの戦闘機のかっこよさって、そういうクレイジーがカタチに現れてるからなんだろうな、と思う。
うーん、やっぱ、これが戦闘機だよね!
<2017.07.19 記>
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