■【社会】豊田真由子議員暴言問題。水に落ちた犬は打て。三度の飯よりイジメが大好きな私たち♥
「このハゲー!!」
先週、自民党の豊田真由子議員の秘書に対する暴言や暴行が明らかになった。ネットやマスコミは元秘書が録音したと思われる音声に盛り上がり、最終的に豊田真由子議員は離党届を出し、本人は入院中、という。
■これはもう議員というよりも人間として間違っている。
それは明らかだ。
けれど、秘書に裏切られてその言動が世の中にばれた時点でもう、「水に落ちた犬」だ。再起不能。
中国には「不打落水狗(水に落ちた犬は叩くな)」という古語があるのだけれど、魯迅は、世の中に打ち据えられ信用も権威も失う状態に至ってもなお悔い改めない心根の曲がった人間を皮肉ってそれを改変し、「打落水狗(水に落ちた犬は打て)」と言ったという。
今の日本人の心根はこの魯迅の感覚に近いのだとおもう。
■どれだけその人間が人として間違っていても、それが世間にさらされ、完膚なきまでに叩き潰された時点でゲームセットだ。
そこに乗っかってその人間をさらに叩く行為は、「義憤」の名を借りた「うっぷん晴らし」に他ならない。
そういうバッシングを行うテレビのコメンテーターやSNSの投稿者は、いじめ問題が話題になればまたぞろ正論を振りかざしながらバッシングを行う人たちだ。そして、その自らの精神構造が「いじめ」の構造とまったく変わらないことに彼らは決して気が付かない。
豊田真由子議員の桜蔭時代からの友達が、「彼女もそこまでになる前にストレスから逃げればよかったのにと残念です」とコメントしていたが、それは豊田真由子議員もまた人の子で、ちょっと変わっていたかもしれないが、モンスターだったわけじゃない。僕らだって、いつそうなるか分からないんだよ、と気づかせてくれる、ナイスコメントだったと思う。人としての彼女を知る友人だからこそ出せるコメントだと思う。
そういう人間らしい想像力さえ働けば、バッシングしようとするこころにブレーキをかけられる。
いやいや、彼女はもともとモンスターだったんだ、という人がいるならば「スタンフォード監獄実験」について調べてみることをおすすめする。
昨日まで仲良く暮らしていた隣人同士が殺し合いを行ったボスニア紛争、イスラム教徒の捕虜への虐待が暴走したアブグレイブ刑務所、具体例にはことかかない。
人は状況でたやすく変わってしまう脆弱なものなのだ。
あなただって、わたしだってそれは変わらない。
■そんなことにはまったく関心はない。
こいつらは間違っている。許せない。
もう反抗できない状態になっても叩き続ける。
本当に日本人は「いじめ」が大好きなのである。
そして眉間にしわを寄せながらも、バッシングに日頃のストレスを発散して、自分でも気が付かないその心の奥底で「メシウマ~♪」と叫んでいる。
ああ、気持ち悪い。
反吐が出そうだ。
■6/24放送の新・情報7daysニュースキャスターでこの問題が取り上げられた時、たけしが、
「このハゲー!って言ってたんだから、各局、ハゲーって言ったっていいんですね。フジテレビを除いては」
なんてコメントをして出演者を慌てさせていたけれども、これは本当に大人な態度だと感心した。
「水を差す」の斜め上を行くこの発言は、小倉智明にはいい迷惑なんだけれど、もう終わってんだからいいじゃん、下らねえことに時間使ってんじゃねえよ、という苦言をジョークで伝える高度な技だ。
こういう「空気」を直接批判するのは極めて危険だと分かっているんだよね。たぶん。
爆笑問題の太田には、もっとたけしを見習って欲しいものである。
<2017.06.26 記>
<追記>しかし、先週これだけ騒がれてたのに週が明ければ急に触れられなくなったね。大人になった??いや、いや、今まさに都議選の真っ最中。またまたいやーなご指導が入ったのではないか、という気がしてならないのだけれど、気のせいかな。。。。(森達也が「自粛を要請する」って、日本語としておかしいでしょ!と指摘してたけど、ホント笑っちゃうよね。)
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