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2017年5月 8日 (月)

■【社会】安倍首相、憲法改正案提示。。。改憲出来るチャンスだから変えるって、絶対おかしいだろ!

安倍首相が2020年に憲法改正を行いたいと意欲満々なのである。

20170508abekaiken

■8日の衆院予算委員会で、憲法改正の意図を問われて、首相としては答えられないので自民党総裁として読売新聞に書いてある内容を見てくれ、と答弁し、ニュースとなっている。

安倍首相も、総理大臣が憲法を否定することの問題を意識しているということだから、まだ健全なのかもしれない。

で、何を言っているかと、5月4日読売新聞朝刊4面のビデオメッセージ要旨を読むと

・憲法改正は国会にしかできない、今、その時期にある。

・9条1項、2項に対し、3項を追加して自衛隊を定義し、議論の余地のないものにする必要がある。

・国の未来を議論する上で教育は重要、高等教育も国民に開かれたものにしなければならない。

・2020年の東京オリンピックの年に新しい憲法を施行したい。

というものだ。

■現在、衆参ともに改憲勢力が3分の2を超えており、憲法改正の絶好のチャンスである。

安倍首相の任期を考えれば、2020年が確かにその期限となるだろう。

9条を変えるのではなく、3項を加えるという「加憲」で、一般にも受け入れられる工夫もしよう。

日本維新の会が掲げる「教育無償化」を取り込んで、改憲勢力の盤石化を図ろう。

そういう、なりふり構わない、絶対改憲したい!、という安倍首相の強い意志がそこにある。

■いや、ちょっと待て。

という話である。

昔、寺山修司が言っていた。

「門番を雇ったので、門番に似合う立派な門を作りました。」

そういうことだ。

本末転倒なのだ。

 
憲法を改正できる状態を作り出せたから憲法を変えなければならない。

 
意味がわかりません。

違憲かどうかの判断はどうであれ、今の日本国憲法下で自衛隊は長い歴史を刻んできた。それは、

「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」

という意味に生存権、自衛権は含まれない。という解釈で進んでいるということだ。一部の憲法学者が自衛隊は2項の「戦力」にあたると言っても、1項に自衛権が含まれないならば、自衛権のための戦力は2項に制限されない、というのは日本語が読める人ならば間違いようがないだろう。

■確かに、自衛隊が実際に自衛戦争をしようとしたときに法的な問題があるのは事実だろう。

けれども、それは憲法ではなく、自衛隊に関わる法律の問題だ。

憲法の役割は、細かい定義をすることではなく、その根幹となる考え方を定義することだ。

そこに勝手に「小屋」をつぎ足す意味が分からない。

1項で、どういう思想をもとに、どういう戦争を放棄するのかを定義し、2項で(前項の目的を達するため)「戦力」と「交戦権」を放棄する。

今回追加する3項で、認められる戦争と、そのための戦力としての自衛隊を定義する、

ということなのだろうが、それならば「認められる戦争」=「自衛」とは何かを定義しなければならない。

そうすると、1項と3項が同じ内容の裏と表を語ることになり、これは二重定義だ。論理矛盾が生じるリスクが極めて高い。

「加憲」は、「改憲」よりもむしろ、何を言っているのかよくわからなくなる可能性を含んでいるのだ。

ミサイル防衛を考えるならば、最適なのは発射される前に敵のミサイルサイトを破壊することである。

これは「自衛」なのか。

YES。

と言いたい人が多いのだろう。

それが出来てこそ普通の国であると。

■しかし、「国際紛争を解決する手段としては、これを永久に放棄する」という1項を考えるならば、認められない可能性が高い。

敵のミサイル基地を攻撃する能力は、「国際紛争を解決する」抑止力となるからだ。

隣国の状況が丸見えになるTHAADの遠距離レーダーはどうだろう。隣国のネット環境にアクセスする能力はどうだろう。

もちろん、それらは「生存権」の範囲に入るだろう。

けれど、同時に「抑止力」にもなるのだ。

物事は白と黒にはっきりと分かれるものではない。

だから、自衛隊を定義する項目を憲法に加えることは、さらなる混乱を導くのである。

最低限の簡潔な条文であることが、簡単に改憲することを想定していない「硬性憲法」である日本国憲法の神髄なのだ。

だからこそ強い。

状況の変化に対しては解釈でうまくやり、法律で定義していけばいいのである。

変えられるチャンスだから改憲しなければ!

という安直で本末転倒な考えは、日本国憲法の本質について本気で考えたことのない証拠なのである。

ましてや、

「教育無償化」で改憲しよう、

なんて、まったくお笑いであり、お話にならない。

読売新聞を読め!

なんて、本質的問題ではないのである。

マスコミも国会もしっかりして欲しい!!

                  <2017.05.08記>

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