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2017年3月 7日 (火)

■【社会】経済の主体は誰か?経済学者はいい加減に目を覚ませ。

なぜ経済学者はこうも変わらないのだろう。

今朝の日経35面の経済教室の記事である。

■慶応の清田教授が保護貿易がいかに不適切なものかということをトランプ大統領の保護主義政策にからめて解説している。

要点は3つ

1.保護主義的関税を設けても結局は消費者の不利益が大きい

2.国際貿易の規模が縮小し経済がブロック化、国際政治の不安定化を招く

3.貿易赤字の理由は貿易相手国ではなく国内の貯蓄と投資の規模によるもの

 

■うーん。

学生の時から思うのは、どうして経済学者は経済をひとつのモデルに押し込んで、数式で整理しようとするのだろう、ということだ。

経済というのは「国」なんて、もやもやした実態のないものではなく、一家三人共働きで娘がこの春進学するんだけど、学費をどうする、とか、そういう民草の生活の総体なのだ。

そんなことは実感として誰でもわかることなのに、経済学者なんて連中は、理論なんてものに思考を縛られてしまい、その結果、金融緩和で金をジャブジャブばらまいてデフレ退治しようとするその同じ手で消費増税を行って景気に冷水を浴びせるなんてことをしてしまうのである。

■1.の理屈はまさにそれで、保護された産業の利益と関税と消費者の不利益を単純に足し算してしまう。そのバカな単純さの問題である。

消費者は単純に消費してるだけでなく、働いて収入を得て生活をしている。

その収入の観点がすっぽり抜け落ちているのである。

実際に収入が落ちていて、将来に不安があるから消費が伸びない。そこに問題の本質があるのだ。

トランプがやろうとしているのは、大きな希望を提示して、その民草の将来の不安を取り払う試みだ。

アメリカの工業に過去の姿はなく、モノの生産能力を海外に奪われてしまっている。価値を生み出す企業はとっくに海外にシフトしており、アメリカの「価値」を高める主体は金融技術による錬金術だ。

そんな金融バブルなんてものは民草には一切関係がなく、国が富めども人民は貧しいばかりという構図で、うまくいくかは分からないけれど、「ものを作る」ことからアメリカの自信を復活させようというのがトランプ政策の根幹だと思われる。

■2.はその通りだと思う。

貿易は世界経済の血液だ。

だが、この批判は少しずれている。トランプは決して貿易をしない、とは言っていない。二国間協議によって、それぞれの国の特性に合わせてルールを決めていこう、と言っているのだ。

TPPの問題はそれぞれの国の事情を無視して、国際企業の権利を優先させる。国際企業の規模の論理によって動き、世界の生産を地域で役割分担させてしまう。

効率、だけを考えればそうだが、そこに生かされているそれぞれの国民は牛や豚やブロイラーではない、ということを全く考えていない。

それは経済学者が、それぞれの国の国民を数式を構成する一つの変数としてしか考えないということと同義である。

ブロック経済化の話は、問題のすり替えであり、もはやそんなところに戻れないところまで世界がつながってしまっているのは自明である。

■3.については本当に悲しくなる。

 GDP=消費+投資+政府支出+輸出ー輸入

 GDP=消費+貯蓄+税

二つの観点からGDPを記述し、あろうことかここから消費を両方の式から消し去り、

 輸出ー輸入=(貯蓄ー投資)+(税ー政府支出)

なる式を導き出す。

この式が言っているのは、個人と国が富めば貿易黒字になる、ということで、「貿易赤字は通商の問題というよりは、政府部門を含めた国内の貯蓄と投資の問題ということになる」と結論付けている。

面白いことをいう。

日本は貯蓄の高く、投資も増えているにね。

■もう一度いうが、経済の主体はわれわれ民草の生活である。

安心して生活が出来て、消費が増えて、経済が活発化して、投資が増えて、そうして国家の富みが拡大していくのだ。

それなのに、その血の通った経済を数式に落とし込み、消費を両辺から消し去る感覚が基本的に間違っている。

だから投資を増やすために法人税を下げながら消費税を上げるなんて馬鹿な政策がまかり通ってしまうのである。

社会で働いて必死に生活している人ならだれでもわかる、こういうことが分からない、偉い人が作った経済モデルに縛られて、それを忘れてしまうような経済学者は害悪でしかない。

世界は資本主義が自壊していく時代に突入している。

正しい道かどうかわからないが、トランプはそれに対抗しようとしている。

たぶん、トランプ以降、5年、10年の後になんらかの道筋が見えてくるのだろうけれど、そこでえらいことにならないように、我々は必死で考え、行動しなければならない。

われわれ民草が世界を動かせるわけはないけれども、少なくとも自分の家族を守るために、しっかりと目を見開き、考え、自らの道を選ばねば生き残ることが出来ない。

そういう時代だ。

                      <2017.3.07 記>

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