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2017年1月 8日 (日)

■【映画評】わたしの魂に刻み込まれた映画BEST10

眠れぬ夜、Amazonを徘徊していて、ああ、この映画懐かしいななんて感慨にふけっていたら、よし、BEST10でも作ってみるかと思い立った次第。

 

■第10位 『ウンタマギルー』 1989年

監督: 高嶺剛  主演: 小林薫、戸川純

現代とおとぎばなしの境目の時代、幻想とエロス漂う、運玉の森の義賊ギルーの物語り。

PARCOの時代である。ファッションは文化ときわめて密接に寄り添っていた。

そんなスノッブな感覚をぶち破り、わたしの知らない沖縄の奥底にただよう魂に触れたような、そんな映画であった。

誤解を覚悟で言うならば、沖縄は日本ではない。

けれど、だからこそ愛すべきものなのだと、そう思う。

DVDはいまだに発売されない。もう見られないのかね。

戸川純のチルーにもう一度会いたい、、、、

 

■第9位 『ミツバチのささやき』 

      1973年スペイン公開 1985日本公開

      監督: ビクトル・エリセ 主演: アナ・トレント

内戦終結後のスペイン。村にやってきたフランケンシュタインの映画を見たそのあとに、少女アナは、廃墟で傷ついた兵士に出合う。

ヨーロッパ映画は旅である。

いや、映画はすべて体験という意味で旅になぞらえることができるのだけれど、ヨーロッパ映画には、その国の空気とか匂いとか、そういうものがゆったりと流れていて、本当の意味で旅に来た感覚に陥るのである。

シネ・ヴィヴァン六本木っていう空間は、そこに文化的スパイスを振りかけてくれたのかもしれない。

アナ・トレントの瞳がとてもかわいい。

 

■第8位 『田園に死す』 1974年

      監督:寺山修司 

「これは私の記録である」。寺山修司の歌集をベースとした演劇的、自伝的作品。

寺山修司の本に出合ったのは高校時代。

若い世代を煽るその背後に常にもの悲しさがあって、そこに惹かれていた。

天井桟敷の舞台を体験することができなかったのが残念でたまらなかったが、この映画を小さな小屋で見ていると、なにかその空気を味わえたような気がして、かなり高揚した気分になったのを覚えている。

かつて日本にはATG(日本アート・シアター・ギルド)という映画会社があって、反商業主義の芸術作品を世に生み出してきた。ATGっていうだけで、なんか俺ってゲージュツ的って気分に満たされたのものなのである。

 

■第7位 『ニューシネマパラダイス』 1988年イタリア

       監督: ジュセッペ・トルナトーレ

第二次大戦中のシチリアではじまる、映写技師のアルフレードと映画館で育った少年トトの成長を、大人になり、映画監督として成功したトト自身の回想で描く。

エンニオ・モリコーネの音楽にのせて、映画への愛情のこもった映像で描きあげる。

そこで人生と映画は重なり合い、思い出は暗い映画館の中で銀幕に浮かぶ陰影となる。

シネスイッチ銀座でこの映画を見た当時、わたしは大学生であったが、いま見るとまた違った感慨を得られるだろう。

ちなみに、ディレクターズカット(完全オリジナル版)はクズなので見てはいけない。

延々と年老いたものの業を垂れながす地獄につき合わされ、美しい記憶はすべて台無しにされるからだ。

プロデューサというものが、いかに作品としての映画に大切な存在なのかを知る好例である。

 

■第6位 『惑星ソラリス』  1972年 ソ連  

      監督: アンドレイ・タルコフスキー

海の惑星ソラリスの宇宙ステーションからの通信が途絶えた。調査に向かった心理学者がそこで見たものとは。

静かで、美しくて、それゆえに人間の心の奥にあるものが、恐ろしくも、切なく悲しく、浮かび上がる映画である。

スタニスワフ・レムの名作SFの映画化作品だが、その、まったく人間とことなる体系に属する知生体との深淵な物語を、詩的な世界へと昇華させている傑作だと思う。

監督はソ連の巨匠アンドレイ・タルコフスキー。

この人の映画を見るには強い精神力が必要だ。

『ソラリス』はまだ耐えられるが、『ストーカー』ではかなり厳しく、『ノスタルジア』は絶対に抵抗不能。

絶対に寝てしまう。

キューブリックの『2001年宇宙の旅』、ヴィスコンティの『ベニスに死す』をはるかに超える催眠映画だと言えば想像がつくだろうか。

<記事>
【惑星ソラリス】。胸を締め付ける望郷の想い。

 

■第5位 『ライトスタッフ』 1983年 アメリカ

       監督: フィリップ・カウフマン

人間を宇宙に送り出すマーキュリー計画に選ばれたライトスタッフ(正しい素質) を有する宇宙飛行士たち、その一方で、そこに選ばれなかった敏腕テストパイロット、チャック・イェーガーは実験機での超音速、高高度記録を狙い続ける、その挑戦する男たちの熱い物語。

高校時代は戦闘機が大好きで、とくにF-104が好きだったから、イェーガーが銀色に輝くNF-104で高高度に挑戦する姿にはもうシビレまくっていた。

航空機ファンにとどまらず、少年のこころを持つものにはたまらない、あまりにもかっこよすぎる映画である。

ああ、いつかスミソニアンへ。

 

■第4位 『野獣死すべし』 1980年

       監督: 村川透 主演: 松田優作

頭脳明晰でクラッシック音楽を愛する物静かな青年は、実は連続強盗犯であった。彼に惹かれていた女は、偶然その犯行現場に居合わせるのだが。

この映画は、終盤のリップ・ヴァン・ウィンクルのシーンに尽きる。

強盗犯(松田優作)を追った刑事(室田日出男)が、夜行列車のボックス席で男に拳銃を突きつけられるシーンだ。

強盗犯の男は外信部の記者で、幾多の地獄の戦場を目の当たりにしたために、狂気の世界に入り込んでしまっている。

その男が刑事に突きつけた銃でロシアンルーレットをやりながら語り掛ける。

リップ・バン・ウインクルの話って知ってます?

いい名前でしょ・・・リップ・バン・ウインクル。

彼がね、山へ狩りに行ったんですよ。山へ狩りに・・・

松田優作は、狂気をそのうちに秘めた俳優であった。

それは、『太陽にほえろ!』のジーパンの「なんじゃこりゃ!」の記憶から始まるのだが、続く『探偵物語』での魅力も、その狂気による部分が多かったのだと思う。

遺作となった『ブラックレイン』では、その狂気は触れば切れる日本刀のように研ぎ澄まされたものとなっていた。

こういう俳優は、もう二度と出てこないのではないだろうか。

永遠に語り継がれるべき俳優である。

 

■第3位 『エイリアン』 1979年アメリカ

       監督: リドリー・スコット 主演: シガニー・ウィーバー

宇宙貨物船ノストロモ号は救難信号をキャッチし、ある惑星に降り立つ。そこには巨大で異様な異星人の建造物があり、そこに産み付けられた卵状のものに顔を近づけた乗組員は、、、、

光と闇。雨と霧。

リドリー・スコットの世界は常にその幻想的美しさに包まれている。だが、それは暖かいものではなく、常に何らかの緊張感をはらんでいて、それがドラマに奥深さを与えているのだ。

わたしはリドリー・スコットの世界が大好きだ。

キネマ電気羊の名前でわかる方もいるかと思うが、高校時代に「思索」というものを教えてくれたSF作家のP・K・ディックが好きで、彼の『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』を原作とした『ブレードランナー』を挙げたいところなのだけれども、その原作と、シド・ミードのデザインを持っていしても、決して『エイリアン』を超えることはできない。

高倉健と松田優作の『ブラックレイン』も捨てがたいが、やはりどうしても『エイリアン』なのだ。

それほどの完成度を『エイリアン』は持っている。

細部まで凝りに凝った設定と、次から次へと予想を超えて展開するプロットと、何度も見てそれが分かっていてもびっくりしてしまう演出と、それに応えるシガニーたち役者の演技、リドリーの魔術的な映像と不安をあおる音楽。

しかし、それだけでは最高のSFホラーであって、『エイリアン』が唯一無二の作品である所以は、H・R・ギーガーの作り出した悪夢世界にある。

ビッグチャップは最も完成された生命体とされているが、ぞの造形美はほかの追従を許さない。

というわけで、わたしの部屋には何体ものビッグチャップのフィギュアが並んでいて、女房と娘の眉をひそませるのである。

<記事>
【エイリアン】観る者の心をつかんで離さない、認知を超えた悪夢。

 

■第2位 『サンタ・サングレ/聖なる血』 

      1989年イタリア・メキシコ

       監督: アレハンドロ・ホドロフスキー

サーカスの団長の妻は、夫の浮気をなじったのを逆上され、ナイフでその両腕を切り落とされる。その息子は、それ以来、母親の両腕の代わりとなって生きていくのだが、彼が青年となったとき、そのまわりに近づく女性が次々と殺されるようになり。。。。

この映画のテーマは魂の救済だ。

美しく、それでいてわかりやすく、力強い、その救済のシーンほどの解放感を他に知らない。

アレハンドロ・ホドロフスキーは『エル・トポ』とか、『ホーリー・マウンテン』とか、わけの分からない強烈な映画を撮る作家だが、ストーリーがあるこの作品においても、その意味不明な映像の持つ力は健在で、至る所にちりばめられた象徴が、ラストシーンで一気に昇華される構図となっている。

結局、大切なのはストーリーそのものではなくて、そこから受ける印象なのだ。それが観る者の体験となり、没入した感覚がどう動くのか、どう動かせるのか、それが映画の肝なのだと思う。

『サンタ・サングレ』は、その意味で最高の体験を与えてくれる。

だが、とても残念なのは、この作品のマイナーさだ。

ネットで検索しても、Wikiの次の2番目に、この弱小ブログの記事が出てくるほどで、ほとんどの人がこの映画の存在を知らないのだ。

とても衝撃的で刺激が強い作品なのだけれども、映画好きの人には是非一度は見てもらいたい映画なのである。

<記事>
【サンタ・サングレ/聖なる血】心を揺さぶる魂の解放。

 

■第1位 『生きる』 1952年 監督: 黒澤明 主演: 志村喬

風采の上がらぬ市役所の課長がガンを宣告され、人生を取り戻そうとする物語。

死を目の前に突き付けられた志村喬の迫力に圧倒される作品である。

特に、いまだにいろいろなドラマなどでオマージュとしてなぞられる「ハッピーバースデー」のシーンには魂を根本から揺さぶられる。

「生きる」とはどういうことなのか。

わたしは本当の意味で生きていなかった、などと人は簡単に口にするけれども、本当に生きる、本当に生きているってどういうことなのだろうか。

この作品は前半に主人公の生きた姿を、後半に彼が亡くなった後の葬儀の場で彼についてまわりの人たちが語る姿を描くのだけれども、その構成に、黒澤明がつかんだ答えがあるのかもしれない。

いずれにしても、人生の節目に何度も見返したい作品である。

<記事>
■【 生きる 】。「無音」の迫力。「映画」とは「体験」なのだ。

 

 

■【結論】10本じゃ無理。。。。

『ブルース・ブラザーズ』も、『天使にラブ・ソングを・・・』も、『黒いオルフェ』も、『炎のランナー』も、『地獄の黙示録』も、『羊たちの沈黙』も、『ローマの休日』も、『雨の訪問者』も、『竜二』も、『野生の証明』も、『麻雀放浪記』も、『蒲田行進曲』も、『ゆきゆきて神軍』も、『サイン』も、『パンズ・ラビリンス』も、『マッドマックス 怒りのデスロード』も、『トレマーズ』も、『アンドロメダ・・・』も、『ガメラ3』も、『ブルークリスマス』も、『ジーザス・クライスト=スーパースター』も、『やぶにらみの暴君』も、うーん、次から次へと大切な映画が湧いてくる。

今度はちゃんとテーマを決めようかと思う。

名画座と名乗るからには、かつての文芸坐のように、○○特集なんて銘打って企画記事でも書いてみますかね。

                       <2017.01.08記>

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