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2016年11月 8日 (火)

■電通:過労死事件に思う。電通鬼十則が諸悪の根源なのか?

■電通:社長説明に社員違和感 長時間労働、改善疑問視(毎日新聞)
 
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 30歳代の元社員の男性は電通勤務時代、残業時間をごまかすために本社の入退館をICチップ入り社員証で記録するゲートを「入退出が記録されないようにほふく前進でくぐり、残業をしていた」と振り返る。電通は10月24日から午後10時で全館消灯するようになったが、男性は「10時に仕事が終わるわけがない」と断言する。
 
 
これ、ネタだろ!信じるなよwww
 
 
けどさ、電通の鬼十則。叩かれてるけど、実にいいこと言ってるよな。
 

1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。

2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。

3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。

4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。

5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。

6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。

7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。

8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。

9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。

10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

 

■要するに「自分」を持って仕事をしろってことでしょ?これを否定したら、「仕事」ってなんなの?って思う。これが諸悪の根源だっていう人って単純というか、バカ?

新人女性が亡くなったのは、痛ましい「事件」だが、犯人は鬼十則ではないだろう。すり替えだよ。悪いのは絶対に上司と職場。もっといえば会社の空気だ。

バブル時代には過酷な残業なんて腐るほどあったのだろう?バブル直後入社の自分でも、そのノリはわかるつもりだ。そういった時代の人たちに育てられたからね。

その時代と今の時代には決定的な差があって、たぶん、07年のリーマンショック後に大きく変質したのだけれど、それは「成果主義」という化け物である。

生身の人間が作り出す仕事を「ものさし」で測ろうという考え方だ。

一見、えこひいきを排する公平な仕組みに見えるけれども、これがこの国の企業をダメにし、社員を精神的にたたきのめす主原因となっているのだと、わたしはにらんでいる。

実際、成果主義を導入した企業で働いていて、しみじみ感じることだ。

「結果にコミットする」

ではないが、成果主義なるものでは、まず社員に約束をさせる。

その成果が出なければ〇、できなければ×。きわめて明確だ。

けどさ、×だって今後の仕事や個人のこやしになったりするわけだろう?それを認めない。

きわめて短期の期限を区切り、そこまでに結果を出せなきゃ×をつける。

 

われわれはブロイラーではない。

 

そこに高い志は生まれるのか?

そこに働くよろこびがあるのか?

そこに協力し合う、助け合う風土は生まれるのか?

電通の新入社員は、それに殺されたのだ。

人はけっこう強いものだ。けれど、その存在を否定され、努力を否定されたとき、人は折れるのだ。

長時間労働がいいとは言わない。けれど、長時間労働が直接の原因ではないし、そういった単純な見方こそが、成果主義の背景にある、思慮のない浅はかな「科学的」思考方法であり、今回の出来事の原因と同根となるものなのである。

むしろ、鬼十則は、そういった単純な、ものの考え方と真っ向から対立する。

むしろ、この成果主義社会から働くものを救う考え方なのだと、だれも気が付かないのであろうか?

■もし、電通鬼十則が問題の根幹にあるのだとするならば、それは運用側にあったのかもしれない。

 

4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。

5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。

 

と、いうところだけを抜き取り、個人のコミットメント(主体的関与という意味もあるが、この場合は契約、約束)を盾に、無理やり業務を遂行させるような風土がもしあるとするならば、それは大いに問題だ。

リーマンショック以降の成果主義の流れのなかで電通鬼十則がそのように変質していくのは、もしかすると必然かもしれない。

「成果主義」は人間同士のつながりを分断する。

「成果主義」と時期を同じくして登場してきたことばが、「自己責任」だ。

自分でコミットしたんだから、自分で何とかしろ。部下を同僚を助けたところで、自分のコミットメントには何のメリットもない。もし、成果の取り合いがあるのならば、まわりはみんな敵になる。

新人が、そんな冷たい海に投げ出されたらひとたまりもないだろう。

バブル終盤入社のわたしも海に投げ出されたが、しっかり見てもらっているという安心感がそこにはあった。

ときには戸塚ヨットスクールばりの人間もいたが、それはあくまでも異端であって、現在との大きな違いは、人のつながりが、しっかりと感じられ、そこに安心があったことだ。

その文脈でこそ電通鬼十則は生きた、そういうことなのかもしれない。

■けれど、もう、社会は変質してしまった。

これはもう、戻らないと思う。企業も生き残るために、短期的な成果を出さねばならない社会構造のなかにあるからだ。企業もまた、歯車のなかにある。

だから、さらなる変革を目指すのが最善の策だろう。

古く善き鬼十則に戻るのではなく、成果主義に偏るのでもない、両者をうまく組み合わせながら、個人の充実感と健康と企業のハイパフォーマンスのすべてを高次元でみたす、そういう社会を、風土を作り上げなければならない。でなければ、この日本は早晩、確実にダメになる。

もう、すでに始まっている。犠牲になった新入社員の事件は、単独の事象ではなく、三菱自動車の事件につながる事象なのだ。

では、どうするのか?

まずは、その問題意識を社会で共有することだと思う。

この記事がその意味を少しでも持つことを願うばかりだ。

彼女の冥福を祈りつつ。

                    2016.11.08記

 

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