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2012年8月18日 (土)

■【映画評】『フロム・ダスク・ティル・ドーン』。超ド級の変化球も見慣れてしまえば・・・。

20年くらい前に見て衝撃を受けたのだけれども、タイトルを失念。ネットで探ってようやくたどり着いた次第。

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
    
No.55  『フロム・ダスク・ティル・ドーン
           原題: From Dusk Till Dawn
           監督 ロバート・ロドリゲス 脚本 クエンティン・タランティーノ
             公開:1996年1月
       出演: ジョージ・クルーニー   クエンティン・タランティーノ 他

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■ストーリー■

強盗殺人犯ゲッコー兄弟は逃亡の途中のモーテルで出くわした元牧師の一家を脅し、そのキャンピングカーに隠れることで、まんまとメキシコへの逃亡に成功する。現地の犯罪組織と落ち合う場所として指定されたのは、とあるナイトクラブ。だが、そこはただのナイトクラブではなく・・・。

■画期的作品だ。

何が画期的かというとネタバレになってしまうので後述とするが、ともかく予備知識なしで見たのが幸いしてか初見のときは拍手喝采、もろにツボにはまってしまった。

なかなかこういう体験は出来ないものである。

決してお上品な映画ではないので、万人へのおすすめは出来ないが、B級映画好きであれば一度は見ておきたい作品である。

   
■■■ 以下、ネタバレ注意 ■■■

■前半、ゲッコー兄弟の逃亡劇が丁寧に描かれているのが効いている。

タランティーノ自らが演じているリッチ―の狂気。これだけで一本の映画として押していける濃密さがある。

性的倒錯者であるリッチ―がフラー一家の娘に向ける目線。ああ、このあと彼女はどうなってしまうのか。

メキシコへの逃亡が成功したあとの展開が気になるところである。

■だが、それも例のナイトクラブに到着した途端にどうでもよくなってしまうのが素晴らしい。

何しろ、そのナイトクラブはバンパイアの巣窟で、真っ先にリッチ―が殺られてしまうのだから。

一風変わった犯罪映画と思いきや、あっさりとバンパイア映画に切り替わってしまうのである。

強盗も人質も関係なくなって、ともかく目の前の異変、襲いくるバンパイア達に追い詰められながらも撃退していく。

なんじゃこりゃ、という驚き。

それがこの映画のすべてである。

■その感覚をもう一度味わいたくて再見した訳なのだけれども、どうも乗り切れない。やっぱりビックリ箱に二度目は無いのである。

どんでん返しの映画は数多くあり、その結果を知っていても、やっぱり何度でも楽しめる。そういう映画がある中でいうと、質的にはイマイチということなのだろうか。

バンパイアに噛まれると、その人間もバンパイアと化してしまう。そのお約束の心理劇もあるにはあるのだが、残念ながら深みが足りない。

そこにドラマとしてもうひねりあると何度でも鑑賞に堪える傑作になったのだが。

前半の犯罪劇の質が高いだけに非常にもったいない映画である。

                       <2012.08.18 記>

■STAFF■
監督 : ロバート・ロドリゲス
脚本 : クエンティン・タランティーノ
製作 : ジャンニ・ヌナリ
      メイア・テペル
製作総指揮 : ロバート・ロドリゲス
          クエンティン・タランティーノ
            ローレンス・ベンダー
音楽 : グレーム・レヴェル
撮影 : ギレルモ・ナヴァロ
編集 : ロバート・ロドリゲス

■CAST■
セス・ゲッコー    : ジョージ・クルーニー
リチャード(リッチー)・ゲッコー : クエンティン・タランティーノ
ジェイコブ・フラー  : ハーヴェイ・カイテル
ケイト・フラー    : ジュリエット・ルイス
スコット・フラー   : アーネスト・リュー
地獄のサンタニコ : サルマ・ハエック
バーテンダー   : ダニー・トレホ
チェット・プッシー、カルロス、国境警備員 : チーチ・マリン(三役)
フロスト       : フレッド・ウィリアムソン
セックスマシーン : トム・サヴィーニ
テキサス・レンジャー、アール・マクグロー :マイケル・パークス(二役)

●●● もくじ 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●

 

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