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2011年2月 5日 (土)

■【映画評】僕の彼女はサイボーグ。視点の転換にググっとくるのだ。

ラストのタネあかしが思い出せず、気になってしまって、再見。

いやー、そう来ましたか。

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
    
No.43  『僕の彼女はサイボーグ
          監督・脚本:郭在容(クァク・ジェヨン) 公開:2008年5月
      出演    :綾瀬はるか、小出恵介 他

01

■ストーリー■
僕、ジローは20歳の誕生日をひとり寂しく過ごしていた。そこに不思議な’彼女’が現れて楽しい時間を過ごすが、不可解な言葉を残したまま去ってしまう。

その一年後の誕生日、またしても’彼女’がジローの目の前に現れるのだが、どこかが違う・・・。

■話の組み立てがとてもいい。

映画は、観るものの予測をいい塩梅で裏切る、その加減がひとつの指標だとおもうのだけれども、郭在容(クァク・ジェヨン)は、そこが上手い。

いいエンターテイメントとはそいういうものだと思う。

■前半部は少しテンポが遅いような気もするが、いくつか他の映画のパロディというか、オマージュが散りばめられていて、くすりとさせる。

レストランで彼女が目の前に現れたときのハッピーバースデー(生きる)とか、

一年後の’彼女’の登場シーン(ターミネーター)とか。

タイトルは思い出せないが、どっかで見たなあ、というところもちらほら。

後半部でストーリーは一気に加速するのだけれども、ネタバレになってしまうので、ここでは書くまい。

■作品のテイストは日本映画でありながら、コテコテの韓国味だ。

小出恵介がどうしても韓国の人に見えてしまう。

監督、脚本の力は絶大なのだな、と思う。

■ところで、タイトルの’サイボーグ’。

本来、サイボーグとは生身の人間を改造して機械化したものを指すので、これは間違いである。ロボット、というよりアンドロイドと言ったほうがいい。

が、やっぱり映画はタイトルが命。

「僕の彼女はロボット」、「僕の彼女はアンドロイド」、

ではやっぱり’すわり’が悪かったのだろう。

   

   
■■■ 以下、ネタバレ注意 ■■■

■さて、後半部の展開について。

ジローとの生活のなかで’彼女’の人工頭脳が学習し、やっと二人がこころを通わせる、ああこれからだな、というところで突然の大地震。

ビルが、街が崩壊していく、その中でジローを守り抜き、自らを犠牲にして破壊されてしまう’彼女’。

その後の人生のすべてをかけて復元に成功した’彼女’に看取られて幸せにつつまれながら逝くジロー。

それからさらに未来の世界で、自分そっくりの’彼女’に出会う本当の’彼女’。

■ジローの独白のカタチで物語は進行していく。

このやり方は好みなのだが、よくあるパターン。

やられたなぁ、と思うのは’さらなる未来’の段階で、独白の主体が’彼女’に転換するところだ。

■ロボットの’彼女’の記憶を埋め込んで、その切なさを自分のものとした本物の’彼女’。

ジローと初めて出会ったその日を、今度は’彼女’の視点でリフレインする。

しかし、あふれる想いを胸にその場を去らなければならない’彼女’。

ああ、泣ける。これは切ない。

と、いうところでラストのハッピーエンドを用意する心憎さがたまりません。

この感覚は「猟奇的な彼女」でも、味わった気がするな。

郭在容(クァク・ジェヨン)、侮るべからず。

■そういえば、少し前に日テレの土曜日にやっていた「Q10(キュート)」というドラマがあって、結構面白くてはまっていたのだけれども、これは完璧にこの映画から着想を得てますな。

方や恋愛もの、方や青春もの、ということでテーマは少し違うのだけども、ラストはやっぱり泣けます。

                      <2011.02.05 記>

Dvd
■【DVD】僕の彼女はサイボーグ スペシャル・エディション

    

■STAFF■
監督・脚本:郭在容(クァク・ジェヨン)


■CAST■
彼女     :綾瀬はるか
北村ジロー :小出恵介
ジローの友人  :桐谷健太
教師       :竹中直人
無差別殺人犯  :田口浩正

 

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