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2010年8月11日 (水)

■【書評】『ゲゲゲの女房』、武良布枝。やっぱり水木サンは努力の人なのだ。

遅ればせながらゲゲゲの女房を読んでみた。

Photo ■ ゲゲゲの女房 武良布枝 著

■水木しげるさんの名言集、「がんばるなかれ」なる本があって、とても勇気づけられるいい本なのだけれども、その言葉の背景をもっと知りたくて、いや、『水木しげる伝』なんかの自伝的マンガは読んだのだけれどもそこに描かれていない部分があるはずだと思って、本書を手にした次第。

結論からいえば大正解。

水木サン独特の表現では出てこない常人の視点が、最後の妖怪(?)水木しげること武良茂の本当の姿を照らし出してくれるのだ。

■極貧の紙芝居、貸本まんが家時代。

超売れっ子の激務の時代。

そして、妖怪研究家、「水木サン」の時代。

ともすると我々は現在のひょうひょうとした「水木サン」のことばをそのまま受け止めてしまうのだけれども、実はその「なまけ者になりなさい」という言葉の裏には、「なまけもの」になれるように努力すべきときにはうんと努力しなさい、という気持ちがあって、そのとき、水木さんの30年、40年に渡る極貧時代、売れっ子時代の苦労が大きな意味をもってくる。

■水木ほど努力に努力を重ねたひとはそういない、

という布枝夫人の確信は、水木しげるを支えてきた彼女の人生そのものであって、それ故にその素直なメッセージは読むものに強固に伝わってくる。

その上で改めて水木サンの人生論に触れるとき、厳しい現実世界をいかに地に足をつけて生きていくのか、というリアリティをもった言葉としてそれが浮き上がってくるのだ。

                     <2010.08.11記>

■水木しげるの作品・著作

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