« ■【映画評】『ゴジラ』、最初にして最高の怪獣映画。 | トップページ | ■久しぶりに。 »

2010年3月20日 (土)

■【映画評】『ディア・ドクター』、医者と白衣とペンライト。

♪遠回り 遠回りするのさ

 どんな道草にも 花は咲く

                ― エンディング曲 「笑う花」 ―

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
    
No.39  『ディア・ドクター
          
           監督: 西川美和 公開:2009年6月
       出演:笑福亭鶴瓶 瑛太 余貴美子 井川遥 香川照之 八千草薫 他

     Photo_2

■ストーリー■
山間の小さな村。そこで唯一の医師として村民から慕われている男・伊野のもとに研修医がやってくる。戸惑いながらも次第に伊野の献身に惹かれ、血の通った本当の医療に目覚めていく研修医。だが、伊野は誰にも言えぬ、ある秘密を抱えていたのだった。

41x8ohyjo2l__sl500_aa240_
【DVD】ディア・ドクター

■西川美和は詩人である。

ドラマに差し挟まれる風景に余韻があって、その隙間が見る者の感情を開かせる。

その文体は多くを語らないが故に豊穣な印象に満ち溢れているのである。

   
■■■ 以下、ネタバレ注意 ■■■

■医師の印象を作り上げるもの、象徴としての白衣。

医師であるから白衣を着るのか、

白衣を着るから医師となるのか。

この物語のテーマは後者にあって、そこに巻き込まれていった男の泣き笑いを軽妙に、けれど深々と描きこんでいく。

■球が飛んでくるから打つ。

打つからまた球が飛んでくる。

それを繰り返しているうちに、だんだんその気になってくる。

そうやって目の前のことに無心になって取り組んでいるとき、

ニセモノでも、本物でも、論点はそこには無い。

■生きていく。

というのは、そういうことなのかもしれない。

  

●にほんブログ村● 
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

                           <2010.03.19 記>

Photo_4
【DVD】ゆれる
揺れ動く記憶の風景。
オダギリジョー、香川照之のまさに「競演」が凄い。

  

Photo_5
【CD】モアリズム「笑う花」

 

Photo_3

■STAFF■
原作:西川美和 「きのうの神さま」(ポプラ社刊)
監督・脚本:西川美和
撮影:柳島克己


■CAST■
伊野治:笑福亭鶴瓶
相馬啓介:瑛太
大竹朱美:余貴美子
斎門正芳:香川照之
波多野行成巡査部長:松重豊
岡安嘉文警部補:岩松了
曽根登喜男村長:笹野高史
鳥飼りつ子:井川遥
鳥飼かづ子:八千草薫

    
■過去記事■

■【映画評】名画座・キネマ電気羊 <目次>へ

   
■ Amazon.co.jp ■

■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

|

« ■【映画評】『ゴジラ』、最初にして最高の怪獣映画。 | トップページ | ■久しぶりに。 »

コメント

♪遠回り 道草・・・
おとなになっても、大好きです。

白衣姿の自分は、さてさて、何に見えるのかしら?

投稿: 臨床検査技師 | 2010年3月23日 (火) 21時27分

電気羊様、御無沙汰しておりました。

久々のコメント送信でしたのに、
ごあいさつを書きそびれてれてしまいました。
またの更新を楽しみにしております。

投稿: 臨床検査技師 | 2010年3月24日 (水) 22時23分

臨床検査技師さん、お久しぶりです。
 
最近あまり記事をUPできなくなってしまいました。次がいつかは分からないのですが、気が向いたらまた覗いてみてください。

投稿: 電気羊 | 2010年3月25日 (木) 20時37分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■【映画評】『ディア・ドクター』、医者と白衣とペンライト。:

« ■【映画評】『ゴジラ』、最初にして最高の怪獣映画。 | トップページ | ■久しぶりに。 »