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2009年10月10日 (土)

■【書評】自分の小さな「箱」から脱出する方法。人間関係がうまくいかない根本原因はどこにあるのか。

たった一つ、気持ちを切り替えるだけで周りの世界が違って見える。

本書は単なるハウツー本ではなく、「生き方」について気付きを与えてくれる本なのだ。

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■自分の小さな「箱」から脱出する方法
アービンジャー インスティチュート 著 大和書房 (2006/10/19)

■およそ人間関係がうまくいかない原因は、実は自分自身が相手に対して「箱」に入っているからだ、とこの本は説く。

ここでいう「箱」とは自己欺瞞、自分の気持ちを裏切ること。

例えば、失敗をした部下に対して、「何でそんな簡単なことさえ出来ないのか」、と思う、そのとき「私」は「箱」に入っている。

「私」は部下に育って欲しいと考えている、

そういう「自分の本来の気持ち」を裏切り、

「こんなにお前のことを思ってやっているのに」と、怒りの感情に流されてしまう。

■何故かというと、

「こんなにお前のことを思ってやっているのに」

と考えているときの主人公は実は「私」であり、それはそんな「立派な私」を正当化するための自己防衛的な思考となってしまうからだ。

本当に「部下に育って欲しい」と考えるならば、主人公は部下の方であって、その○○さんについて考える、その気持ちを汲み取り、関心をもつ。そのときに自然と湧き上がってくるのが本来の「私」の気持ちにそった行動なのである。

そういったことが、会社の中だけでなく、家庭でも、その他いたるところで起きていて、ギクシャクした人間関係を作り出してしまっている。

■この本では、その「箱」の概念とその驚くべき影響力の大きさ、そしてそこから脱出する方法について、主人公が学んでいくドラマ形式で語られる。

ゆえに非常に面白く、分かりやすい。

いや、むしろ「箱」について伝えるためには、講義形式では非常に困難で、読むものが自分の日常を重ね合わせることができるような形式であることが必要だったのだと思う。

なぜかならば本書のテーマ自体が、「私」と同じように血の通った「相手」にちゃんと関心を持つこと、心を向ける、そこにあったからなのではないだろうか。

■じゃあ、この本に書かれている内容を「理解」したとして、それで人生が明るく開けるか、というと、なかなかそうはいかない。

実は、この本を読んだのは3年ほど前で、その時も非常に感銘をうけて(お節介にも)、他の人に紹介までしてしまった。

それにも関わらず、今回再読してみて、自分が未だにすっぽりと「箱」に入っている現実に気付き、なんとも情けない気持ちに沈んでしまったのである。

■この本の最後の部分にも書かれているのだけれども、「箱」から出た状態を保つことは非常に難しい。

それほどまでに「箱」への誘惑は強烈で、いつの間にかまたそこに捉われてしまう。

ふと、一休さんの悟りに近いものなのかもしれないとおもう。

■「私」という洞穴から去る。

その感覚を掴んだ、とおもう間もなく、人間であるがゆえの煩悩に再び絡めとられてしまい、もとの洞穴に引き戻されてしまう。

けれども、「箱」を意識し続ける限りその洞穴の出口の光は常に目の前に開けるわけで、結局は「箱」を気に留めておく、そこに尽きるのかもしれない。

  
有漏地より 無漏地に帰る 一休み

雨ふらば降れ、風ふかば吹け

                      一休

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                          <2009.10.10 記>

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■自分の小さな「箱」から脱出する方法
■アービンジャー インスティチュート 著 大和書房 (2006/10/19)

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■2日で人生が変わる「箱」の法則
■アービンジャー インスティチュート 著 祥伝社 (2007/9/6)
エピソード・ゼロ的内容なのだそうで、現在取り寄せ中。
面白かったら改めて書評を書いてみたいとおもう。
  

■関連記事■
■【書評】『あっかんべェ一休』、坂口 尚。認めるより仕方ないじゃないか、それが今の’私’なのだから。
■ああ、半年前にも「気付いて」いたんじゃないか。
本当に情けない・・・。
と、おもう「私」もまた洞穴のなか(笑)。

   

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コメント

はじめまして。
福岡の20の大学生です。
同じく本のレビューのブログをしているものです。

良かったら遊びに来てください。
http://yomumonosubete.blog91.fc2.com/
ちなみに始めたばかりです。

投稿: 本屋に5時間 | 2009年10月14日 (水) 02時04分

本屋に5時間さん、
コメントどうもありがとうございます。
面白いハンドルネームですね、
思わず笑ってしまいました(失礼、笑)。
書評ブログ、楽しくがんばってください。

投稿: 電気羊 | 2009年10月15日 (木) 07時54分

いやー
確かにその通りだと思います。

投稿: 茶人 | 2009年11月 8日 (日) 20時49分

茶人さん、
コメントどうもありがとうございます。

この記事はまとまりがなくてちょっと自信が無かったんで、
コメントを頂けて大変うれしいです!

投稿: 電気羊 | 2009年11月10日 (火) 19時13分

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