■土曜ドラマ「リミット―刑事の現場2」最終回。いいドラマ、というのはこういうものなのかもしれない。
これがドラマなんだな、と思う。
■18年前に梅木(武田鉄矢)の恋人を殺した黒川(ARATA)が、今度は啓吾(森山未來)の恋人の茉莉亜(加藤あい)を誘拐する。
前の恋人を轢き逃げした犯人に対して抱いている茉莉亜のこころのなかのわだかまりを利用して彼女を憎しみの世界へ引き込もうとする、その試みは18年前に満たされなかった黒川の心の闇の再演なのである。
黒川にとってこの世界は、憎しみこそ何よりも勝るのであって、愛だとか優しさいったもので何とかなるものではない。
そう信じることでしか己の不幸な生い立ちに折り合いをつけることが出来なかったのだ。
■茉莉亜の救出に成功し、黒川を屋上に追い詰める梅木と啓吾。
そこで演じられる啓吾の黒川に対する憎しみも、梅木の18年間の苦しみも、実は黒川の世の中に対する憎しみと同質のものなのである。
■18年の苦しみに決着をつけるべく黒川のこめかみに拳銃を突きつける梅木に対する啓吾の叫び。
嗤われてもいい、愛を信じたい。
この場面、涙をこらえるのにやっとでありました。
■そこまでの不自然な偶然の積み重ねやらご都合主義などというものは全くもって気にならない。
その次元のもっと上の高みでドラマが進行している感じなのだ。
いいドラマ、というのはこういうものなのかもしれない。
■最後の方で啓吾が茉莉亜にいう。
結婚って、お互いに不幸せになることなんだって。
というそのセリフにもやられました。
それはお互いの不幸を背負い合う覚悟をもつこと。
その二人の背中にもまた、ジンときてしまったのである。
<2009.08.10 記>
■Amazon.co.jp■へのリンク
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
■STAFF■
原作・脚本 : 遊川和彦 (『女王の教室』、『さとうきび畑の唄』)
演出 : 渡辺一貴
製作 : 磯 智明
■CAST■
梅木拳 :武田鉄矢(中央署の一匹狼)
加藤啓吾 : 森山未來(若手3年目の刑事)
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
青井茉莉亜 : 加藤あい(啓吾の婚約者)
東野恵一 : 杉本哲太(刑事課長)
筒井薫 : 若村麻由美(庶務係)
太宰満 : 伊武雅刀(課長代理)
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
黒川真治 :ARATA
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
■過去記事■
■TVドラマ雑感・バックナンバー
■トラックバックさせていただきます■
■’まぁ、お茶でも’ さんの「《リミット~刑事の現場2》#05」
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■
■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■
| 固定リンク
« ■【書評】『図解雑学 ゲーム理論』渡辺隆裕 著。他者とのやりとりで迷ったときに選択すべき道はどれか。 | トップページ | ■NHKスペシャル 「日本海軍 400時間の証言 第二回 特攻 やましき沈黙」。それは口で言うほどたやすいことではなく。 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント