■日曜劇場 ドラマ 『官僚たちの夏』 今、高度成長期を再演することの意味。
拡大版というのを忘れてオシリの20分が切れてしまったのは残念だったが、それでも濃密で十分楽しめた第一話であった。
■1955年頃までの戦後復興期を越え、高度経済成長を迎えようとする時代。
それからの驚異的成長は当時の現在形では到底想像もできず、それでも戦勝国アメリカに経済力、豊かさでなんとか追いつこうと苦闘した官僚たちの物語である。
■第一話は、自動車を基幹産業として立ち上げようと試みる、国民車構想の話。
町工場のオヤジと若い連中がその夢見たいな構想を意気に感じて捩じりハチマキ、時速100km/hが出せて10万キロ走っても壊れない車を苦戦のすえに作り上げるあたり、やっぱりモノづくりの話は面白い。
実際に画面に出てきたのはトヨタ パブリカと思われ、作ったのは町工場でもなんでもないのだけれども、まだ当時は零細自動車企業がいろいろあったようで、このドラマのような場面も場合によってはあったかもしれない。(たぶん無かったんだろうけど。)
■それはそれとして、『官僚たちの夏』を何故、今、企画するのかという意味である。
今の日本の置かれている状況を2度目の焼け野原と言った人がいる。
逆に言えばここからが面白いということだ。
■そういったときに思いを50年後に飛ばすならば、今が、新たな’戦後復興’、新たな’高度経済成長’の基点になることを夢見ることは可能だろう。
それは決して同じことの繰り返しではないし、アメリカというお手本があるわけでもない。
その意味で、かつての高度経済成長期の官僚たちよりももっと強靭で夢のあるヴィジョンが必要とされるだろう。
■複雑系的に考えるならば、たぶん、それは誰がいうともなく生まれてくるモノに違いない。
問題なのは、自然発生的に生まれてきたその芽に気付き、育てる人の存在なのだと思う。
これからの10年。
東京オリンピックもあるかもしれないし、新しい東京タワーも立つわけで状況は万全。
楽観的に眺めてみようじゃないか。
(↑って、なんで参加意識がないの?、(笑))
<2009.07.11 記>
■Amazon.co.jp■へのリンク
【原作】官僚たちの夏 (新潮文庫)
城山三郎 著 新潮文庫 (1980/11)
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
■STAFF■
原作 : 『官僚たちの夏』 城山三郎著 (新潮文庫刊)
脚本 : 橋本裕志
演出 : 平野俊一 大岡進 松田礼人
主題歌 : コブクロ『STAY』
音楽 : 佐橋俊彦
制作統括 : 貴島誠一郎
プロデューサー : 伊佐野英樹 真木 明
製作著作 : TBS
■CAST■
風越信吾 : 佐藤浩市
庭野貴久 : 堺雅人
鮎川光太郎 : 高橋克実
西丸賢治 : 佐野史郎
丸尾要 : 西村雅彦
牧順三 : 杉本哲太
山本真 : 吹石一恵
御影大樹 : 田中圭
風越道子 : 床嶋佳子
風越貴子 : 村川絵梨
片山泰介 : 高橋克典
玉木博文 : 船越英一郎
池内信人 : 北大路欣也
<第1話ゲスト出演>
朝原太一 : 蟹江敬三
朝原弥生 : 市毛良枝
日向毅 : 加藤虎ノ介
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
■過去記事■
■TVドラマ雑感・バックナンバー
■トラックバックさせていただきます■
■’まぁ、お茶でも’ さんの「《官僚たちの夏》#01」
リンク: 佐藤浩市 ドラマ好調!.
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■
■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■
| 固定リンク
« ■neoteny japan ネオテニー・ジャパン ―高橋コレクション。クール・ジャパンの本質は、ポップな甘さの奥にある生々しい思想とそれを支える超絶技巧にあるのだ。 | トップページ | ■裁判員制度は誰の権利を守るものなのか。『爆笑問題のニッポンの教養』 刑事訴訟法、後藤昭。 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント