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2009年6月 9日 (火)

■無邪気なわれわれの罪について考える。『爆笑問題のニッポンの教養』 農学、岩永勝。 

今回のテーマは、農学。

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■ 爆問学問『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE072:「お米レボリューション」 2009.5.26放送
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
作物研究所 所長 岩永勝。

■日本の食料自給率は40%なのだそうで、先進各国のなかでもダントツのビリなのだ。

岩永さんはそんな危機的状況を打開すべく日本に呼び戻された、のかどうかは分からないけれども、30年間にわたる海外での作物の研究と発展途上国での指導経験を買われたのは確かだろう。

■いやいや、食料自給率が低いといったって比較するアメリカとかフランスとかは大平原を持つ農業国、極めて平地の少ないわが国と比べるのは的を得ない、

とか、

そもそもエネルギー自給率4%の日本で食料の自給率だけを問題にするのはナンセンス、

とか、

■ついつい、そういった知ったような口をききたくなってしまうのだけれども、どうやらそういうことではないらしい。

岩永さんが日本の食料自給率を問題にする理由は、日本の危うさの問題ではなく、日本が海外市場で買い占めることによって値段の高騰した穀物を手に入れることが出来きなくなる貧しい国々が出てきてしまう、その罪意識にある。

■ルワンダの友人が惨殺された話があって、そこに、「戦争の原因は食料なのだ、ハラが減っている人たちに対して何を言っても通じないのだ」、という話を重ねてみるとき、想像の枠の外側にある極めて重たいものの存在に慄然とする。

一世紀に一度の不況だなんだといっても、今の日本で食料暴動が起きる心配は無いし、太平洋戦争前夜のような絶対的孤立に陥らない限り、これからもきっとないだろう。

したがってアフリカ各地で起きていることについて新聞やネットで読んだからといって「知っている」なんて決して言えないのである。

それは金満・飽食ニッポンに住む者の想像力の遥か向こう側の話なのだ。

■食いものが足りないと世界中から食料を買い漁ること。

それを食いきれずに、或いはハシをつけることもなく廃棄すること。

言い換えるならば、われわれにとって当たり前の日常を水面下で支えているそういった現実が、貧困と飢餓に苦しむ人たちの目にどう映るか、ということである。

■ならば、どうするか。

といっても’生活’というものはなかなか変えようとして変わるものでもないし、中身を伴わなければ意味も無い。

だから、今できることとして、「知る」ことなのだと思う。

この一日に世界中で何人の人が飢餓で死んでいくのか。

私自身、それが数人レベルなのか何万人なのか、ということすらまったく知らない、せめてこの現状を何とかしたい。

まずは、そこからなのだろう。

知らないことによる無邪気さの罪は、見る立場によっては万死に値することもあるのだ。
  

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                         <2009.06.09 記>

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■ 食料自給率のなぜ (扶桑社新書)
末松 広行 著 扶桑社 (2008/11/27)

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■ 世界の半分が飢えるのはなぜ?
―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実

ジャン ジグレール 著 合同出版 (2003/08)
   

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