■NHKスペシャル 菜の花畑の笑顔と銃弾。 戦乱のアフガニスタンで31歳の青年の目にはいったい何が映っていたのか。
2008年8月。31歳の青年がアフガニスタンで殺害された。
青年の名は、伊藤和也。
20代半ばでNGOペシャワール会のメンバーとして農業技術を伝えるためにアフガンに渡り、現地の人たちと共に働き続けた男である。
■NHKスペシャル 菜の花畑の笑顔と銃弾 (2009.02.23放送)
■彼はアフガンでの5年間に3,000枚もの写真を残した。
始めは作物の育ち具合とかアフガニスタンの厳しい環境を記録するためのものだったのだが、カメラを構える伊藤さんに好奇心旺盛な子供たちが興味をもって近づいてきて、次第に懐いて写真を撮ってくれとせがむようになってくる。
そのようすが写真にも現れていて、子供たちの固い表情がどんどん和らいでいくのがしみじみと伝わってくる。
子供の笑顔はどこの国であっても最高である。
そこから伊藤さんと現地の人たちとの距離もぐっと縮まり、こころを通わせるようになっていった。
■伊藤さんが何年も失敗しながら苦心して、やっと収穫に成功したサツマイモ。戦後の日本人を支えたその作物が今度はアフガニスタンの地に根付こうとしている。
その収穫物をうれしそうに抱えている子供の笑顔。
土地を肥やすために育てた黄色いっぱいに広がる菜の花畑のなかで微笑む少女の写真。
一般の報道からは決して想像することのできない光景である。
それだけに、伊藤和也さんの若すぎる死が痛ましい。
■報道陣さえ二の足を踏む危険地帯にその身を投じて、困っている人を助けようとする人たちがいる。
崇高なことだと思う。
けれど、私にはその気持ちがどうしても分からない。
人の役に立ちたい、という気持ちと引き換えにニッポンでの安穏とした暮らしを捨てる、その思い切りが、自分自身の中のどこを探しても無いのである。
■きっとそこには私には想像できないような生きている実感があって、本当に生きているその眼には、私には見ることの出来ない震えるような真実が映っていたのだろう。
その為の一歩を踏み出す力は、きっと理屈ではない。
生まれ育った環境だとか出会いだとかのめぐり合わせがそうさせるのだと思う。
それがいいとか、悪いとかそういうことではないのだけれど
いつか自分にもその日がくるのだろうかと、ふと思うのである。
<2009.02.26 記>
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