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2009年2月25日 (水)

■NHKスペシャル うつ病治療 常識が変わる。不安を抱えて孤立している状態はやっぱり良くないということで。

■Nスペでうつの話をみた。

今までのうつ病に対する認識を改めなければならない状況になってきている、という。

NスペのHPの表現を借りれば、

「これまで『心のカゼ』と呼ばれ、休養を取り、抗うつ薬を服用すれば半年から1年で治ると考えられてきたが、現実には4人に1人は治療が2年以上かかり、半数が再発する。」

ということなのだ。

■その原因のひとつとして、いろいろな種類の抗うつ剤を大量に処方され、かえってうつの病状を悪化させているケースがあって、実際に別の医者のところに駆け込んで抗うつ剤を整理して減らした途端、ものの数ヶ月で日常生活が送ることができるところまで回復した女性の例が紹介された。

別の例では、5、6ヶ所いろんな病院へ行ってみたら薬の処方がテンでバラバラで、驚くことに初診にも関わらず3種類以上の抗うつ剤をまとめて出した医者もいる。

■どうも最近、双極性障害Ⅱ型(躁うつ病)とか、非定型うつ病とかいった別の種類の気分障害が増えてきていて、うつ病と診断されてはいるのだけれど実際には違う病気なものだから、抗うつ剤を飲んでもなかなか治らない、ということもあるらしい。

その背景には、メンタルヘルスが流行りだということで、精神病の臨床経験がほとんど無いような医者が開業して精神科を標榜している例があり、複雑な症状を見極める診断能力の無い、ありていにいえばヤブ医者が増殖しているという現状がある。

さらには、信じられないことだけれど、説明もなしにいきなり注射をしたり、同じ効果のクスリを複数出したりして、要するに精神科の治療をゼニ儲けとしてしか考えていない輩までいるというのだから恐れ入る。

■・・・けどね、

こういう不安を煽り立てるような論調はいかがなものか。

それは確かに事実としてそういうことはあるのだろうし、投薬の狙いと副作用を説明しない医者なんぞは論外だと思う。

■でも、ちゃんとした治療を受けながらも病状が回復途上のまま、なかなかその先に進んでいかない患者さんもいるのだということ、いやむしろ、そういう不安を抱えている人の方が圧倒的に多いのが実態なのではなかろうか。

うつからの回復の為に必要なのは、焦らず、まあいいか、とゆったり構えることであって、それが何とも難しいのだけれども、少なくとも危機感を煽られることでイイことはあまり無い、ということは言えるだろう。

■とはいえ、うつを抱えて孤立している状態が続くと本人にとっても家族にとっても「このままでいいのだろうか」という漠然とした不安がつのるばかり。

あれこれネットで検索したり手当たり次第に本を読んでも、情報が増えるばっかりで、こんどは何が正しいのかが分からなくなって却って混乱を招いたりするものである。

■そういうときは、カウンセラーだとかの専門家にしっかり時間をかけて話を聞いてもらうことだと思う。

話をしているうちに自然と問題が整理されてくるものだし、第三者的立場からの客観的な意見がもらえて、今、自分がどうすればいいかが見えてくることもある。(もちろん当たり外れはありますが・・・。)

また、各県にある障害者職業センターで行われている復職支援プログラム(リワーク)とか、民間のクリニックで行われているプログラムを実際に受けてみるのもいいと思う。

同じ悩みを抱えている人と交流できる場を持つと、ひとりじゃない、という実感があって心強いものである。

                          <2009.02.25 記>

●地域障害者職業センター
(独立行政法人 高齢・障害者職業支援機構)
http://www.jeed.or.jp/jeed/location/loc01.html#03

    

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Photo
■ うつからの脱出―プチ認知療法で「自信回復作戦」
■下園 壮太 著 日本評論社 (2004/05)
   
■うまく表現できない、うつのつらい気持ちを分かってくれる、寄り添ってくれているあたたかさを感じる本であり、この病気を理解する上でオススメ出来る一冊。

番組でも言っていたけれど、抗うつ剤による治療だけではなかなか治っていかないのが実際であって、じゃあどうすればいいのか、という「作戦」も具体的に記されていて有用だと思う。(何しろ著者は自衛隊で「うつからの救出作戦(カウンセリング)」を幾千もこなしてきた猛者なのだ。)

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2008_12_16_03

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受信: 2009年2月25日 (水) 18時53分

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