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2008年9月23日 (火)

■暗闇に潜む気配から身を守る方法について。『爆笑問題のニッポンの教養』 民俗学、常光徹。

今回のテーマは、民俗学。

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■『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE047:「“学校の怪談”のヒ・ミ・ツ」 2008.9.16放送
国立歴史民俗博物館副館長 民俗学、常光徹。

■民族学とは日々の営みや民間伝承などから、そこに込められた意味を探る学問なのだそうだ。

そんな中でも常光先生は一風変わった存在である。

中学校の教師をしていた時代に生徒のあいだで広まっている怪談に興味をもち、そのままその研究者になってしまった方なのである。

■学校の怪談といえば、トイレの花子さん。

一人で陰部を露出して無防備にしゃがむ、その心細さが背景にあるのでは、と常光先生はにらんでいる。

確かに理科室の人体模型が動き出すのも真夜中の学校であって「心細い状態」が怪談を生む条件のひとつなのかもしれない。

■さらに、と考えていくならば、不特定多数のひとがいる、或いはいたであろう場所、という条件もあてはまるかもしれない。

トイレが怖いといっても、離れにあった昔の便所ならいざしらず、現代の各家庭のトイレではなかなか怪談は成立しにくいだろう。

いつもジメついていて不特定多数の臭気が入り混じった学校のトイレ。

そこの奥から二番目の個室で、むかし・・・、

といった想像力をかき立てる「雰囲気」というものがある。

■その実体の無い「雰囲気」に物語というカタチを与え、なんとか理解して消化しようという試みが「怪談」なのではないだろうか。

何しろ、「何なのかワケが分からないもの」というのはいちばん厄介で、どう対処していいやら分からない絶望的な不安に襲われるものである。

だから、それに「名前」を与えてやることで、口裂け女に対する「ポマード」のような、意味は分からないけれど何らかの「対処法」をあみだし、それにすがるのではないだろうか。

■霊柩車を見たら親指を隠すとか、何やら汚いものを見たときには指を交差させてえんがちょをするとか、そういう仕草には、具体的な由来があって、それを紐解いていくと当たり前だと思っていた日常が面白くなる。と、常光先生はいう。

確かにそこには古い童謡の本来の意味を探るのと同じような知的面白さがある。

けれどその一方で、意味自体が失われたにしても、「親指を隠す」とか「えんがちょ」(或いは「ダブルえんがちょ」)をしたときの指の感覚それ自体がことばとか意味とかそういうものを越えた安心感を生み出すことも我々が体験的に知っている事実である。

■不安の本質が「ワケのわからない」ものだとするならば、対抗手段は「知る」ことではなく、それに対する結界を張る具体的行為にこそあるのではないだろうか。

それら「結界」の仕草をツボとか経絡の概念で調べてみると、不安定な神経を落ち着かせる作用があるとか、意外とそこに「理屈」を通り越した「意味」が見い出せるかもしれない。

だとすると面白いんだけどね。

                             <2008.09.23 記>

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■『 しぐさの民俗学 ―呪術的世界と心性 』
■常光徹 著 ミネルヴァ書房 (2006/09)
   

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■『 学校の怪談 』(講談社KK文庫)
■常光徹 著  講談社 (1990/11)
   

■『 学校の怪談 ―口承文芸の研究〈1〉 』
■常光徹 著 角川書店 (2002/07)
   

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