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2008年8月11日 (月)

■NHK課外授業 ~ようこそ先輩~ 押井守。視点を変えることで生まれる不思議な感覚。

押井 守 監督が母校の小学生を相手に「授業」をおこなった。

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■NHK 課外授業 ~ようこそ先輩~
「“見方”を変えて 退屈をけとばせ」 押井守。 <2008年7月20日放送>

■大学生の頃、家庭教師をしていた生徒の家が小学1年生の頃まで私が住んでいた社宅の近くだったので、そこを覗いてみたことがある。

場所も造りもほとんど変わらないはずなのに、そこには見たことも無いミニチュアのような小さくせせこましい景色があった。

その、「知っているはずなのに見たことの無い」不思議な風景を前にして、あの私の知っている子供の頃の景色はもう自分の記憶の中にしか存在しないのだと、すこし寂しい気分におそわれた。

45年ぶりに母校を訪れた押井守も、それとおんなじ感覚を覚えたようだ。

■今回の授業のテーマは、視点を変えることで起きる不思議を体験すること。

押井守は小学生たちを外に連れ出し、都心を流れる川を屋形船で遡り、まわりよりもずっと低い川面から見上げる首都高速やビル群がいつもとは違う大きな強さをもって覆いかぶさってくる、そういう不思議な感覚を彼らに教えた。

その足で超高層ビルの展望室に移動して、同じ都心の町並みを今度は上から見下ろしてみる。

なんとも頼りない、模型のような風景。

そこでは、さっきの力強い生命感はすっかり影を潜めている。

■同じ景色も視点を変えることで、これほどまでにも違って見える。

その感動を意識的に学ぶことが出来た小学生たちはとても幸福である。

これから成長し大人になっていく過程でその記憶はきっと薄れていくだろう。

けれど、ふとした瞬間にその時の感覚を思い出す。

世の中に「絶対」などというものはなく、今、目に映っているもの、そしてそこから感じるものは、物理的にも心理的にも、今の自分の「視線」の位置によるものでしかない。

今回の授業の記憶は、そのことに気付くための強力な切っ掛けとして、彼らの胸の中に深く埋め込まれたに違いない。

■押井守は「それ」が映画監督の仕事なのだという。

現実も、妄想も、どちらも自らの心に映るものであって、それをどうやって区別しようというのか。

いかにも押井 守 監督らしい授業であった。

                          <2008.08.11 記>

【追記】台湾の町並みを撮影するのにリアカーにカメラを載せて「犬の視線の高さ、犬の歩く速さ」で撮った映像が紹介されていたけれど、これは面白かった。主としてアニメを表現手段として選択しているけれど、押井守は根っからの映画監督なんだな、と感嘆した次第。

   

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■【DVD】 うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
■攻殻機動隊もいいけれど、やっぱり押井守の原点はビューティフル・ドリーマーなんだとおもう。

     

押井守 監督 最新作 映画『スカイ・クロラ』公式HP
■主人公たちが飛ばす戦闘機が【震電】(しんでん)というところがマニア泣かせだ。やっぱり、これが編隊で出撃していく光景を「妄想」したかったんだろうな。

NHK 課外授業 ~ようこそ先輩~番組HP

    

■過去記事■ 文化・芸術など

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大石英司さんの’代替空港’
’悠々日記’ さんの「NHK「課外授業ようこそ先輩」に押井守監督が登場」
 

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