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2008年7月 3日 (木)

■奴らは群れでやってくる。『爆笑問題のニッポンの教養』 生物海洋学、上 真一。

今回のテーマは、エチゼンクラゲ。

01
■『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE042:「クラゲ 世界征服計画」 2008.6.24放送
広島大学生物圏科学教授
「里海」創生プロジェクト研究センター長 生物海洋学 上真一(うえしんいち)。

■エチゼンクラゲ、といえば夏の終わりから秋にかけて日本海へ大量に流れ込み大変な漁業被害を与えるなんていうニュースでもうすっかりお馴染みの大型クラゲだ。

大きいものになるとカサの直径2メートル、重さ150キログラムにもなるという。

こんなやつらが1日に5億匹も押し寄せるっていうのだから、漁師さんたちは堪ったものではない。

■で、こいつらはどこからやってくるかというと中国の沿岸部から来るらしい。

かつては40年に一度大発生をしていたのだが、ここのところの中国沿岸部の発展によりその近海が汚染されてクラゲが発生しやすい状況になり、近年の毎年のような大発生につながっているのだという。

汚染された海では魚の数が減り、富栄養化によって動物プランクトンが増える。そこで魚と競合しないクラゲが一気に勢力を伸ばし、魚の稚魚や卵まで食うようになって、ますます魚を駆逐して巨大クラゲ帝国を築き上げる、という寸法だ。

■しかも、その繁殖のしかたが半端ではない。

一匹が抱える卵の数が3億個。

その卵から生まれた「ポリプ」は尺取虫のように歩きながらその足跡に自分の分身を残していく。ひとつのポリプがだいたい5歩ぐらい進むらしい。

そのポリプが成長して5つに分裂し、そのひとつひとつがクラゲになっていく。

一匹のクラゲから生まれる数は、3億×5×5で75億匹!

歩留りってのもあるはずだけれど、それにしても恐るべき繁殖能力だ。

通常は卵とかポリプの段階で魚の格好のエサになり、そこそこの数に抑えられているのだろうけれど、一旦サカナがいない状況になると爆発的に増殖してしまう、ということだろう。

■この恐るべきエチゼンクラゲの生態を研究しているのが広島大学の上(うえ)先生。

上先生曰く、エチゼンクラゲは環境破壊を知らせる使者である。

本来、海というのは豊かなもので、いろんなサカナをはじめとして多種多様な生命が満ち溢れているものなのであって、エチゼンクラゲに埋め尽くされるような海は本来あってはならんことなのだ。

■そして、人間が海に手を加えることで50年前に遊んだあの豊かな海を取り戻す。それが上先生が目指すところだ。

人間が手を入れることで豊かさを保った昔の里山のイメージである。

それは人間にとって有益な姿へと海を近づける試みである。

■そこで太田は深くうなづく。

文明が進んでいったときに、何が正しくて、何が間違っているのか。

その基準は「人間にとって何が一番いいのか」しかないだろう。

「自然」な状態がいいのであれば、人間が存在しないことが一番いいのであって、かといって今さら原始人に戻れるわけでもない。

だから、一度手に取ってしまった「文明」や「技術」を捨てるのではなく、その上に更に文明をのっけて「困難」を解決していくしかないんじゃないか、というのだ。

■のんきに「自然がいちばん!」と言ってしまう無邪気さが、実は「天に唾する」行為であると日頃から深い思索をしているのだろう。

ともすると我々は流氷に取り残されたアザラシの赤ちゃんの映像を見て、「温暖化」はイカンのだ!と断罪するのだけれども、そのシッカリ冷房の効いた部屋で振りあげるこぶしは「マンガ」か「コント」以外の何ものでもない。

我々が享受する豊かな暮らしと引き換えにそういった悲劇が引き起こされていることの絶望がまずあって、そこを考える基点にしているからこその太田の発言なのだと思う。

一見、悲観主義的にみえるけれども、その実、それを乗り越える文明を想定しているところに健全な楽観主義があるのだし、そういう考え方が拡がっていくとしたら、われわれの未来は明るいのだろう。

■ところで、いかにも侵略者=悪役として見られてしまうエチゼンクラゲなのだけれども、果たして本当にそうなのだろうか。

ある一瞬を捉えれば、年間100億円もの漁業被害をもたらす悪魔の群れなのだけれども、10年、20年の単位で見たときに実は海を浄化する働きをしているなんてことは無いのだろうかと空想するのである。

排出される汚水に含まれた多量の有機物をプランクトンが取り込み、無限とも思えるエチゼンクラゲの群れがそのプランクトンを食い尽くす。

中国沿岸でたらふくプランクトンを平らげたエチゼンクラゲは海流に乗って日本海を北上し、津軽を抜けて今度は親潮にのって太平洋沿岸で冬を迎えて死に至る。

そして太平洋の海底に沈んだエチゼンクラゲの死屍累々が、ゆっくりとゆっくりと朽ちていく。

毎年、毎年、愚直に同じことを繰り返す、

息の長い地球の浄化システム。

Photo_5

■そんな、風の谷のナウシカの腐海とか王蟲とか、そういうイメージが浮かんだのだけれども、それは期待のし過ぎだろうか?

まあ、エチゼンクラゲに「存在理由」を問うてみても仕方のないことか・・・。

と、コンビ二で買ってきた惣菜の中華サラダをつまみながら、どうでもいい妄想を愉しむのであった。

って、この中華サラダのクラゲってエチゼンクラゲなの?

これは一杯喰わされた。

・・・お後がよろしいようで。 テケテンテンテンテン。

                            <2008.07.02 記>                     

「中国沿岸から日本海に押し寄せて漁業者たちに大打撃を与えているエチゼンクラゲが、中国から輸入食品として日本に運ばれ、私たちの胃が迎え入れているとは何とも皮肉な話だ。」

【出典】
【生物多様性トレンドへの探検(山根一眞) 現地ルポ】
「海のエイリアン」エチゼンクラゲはなぜ増えたのか(下)

              
Photo_6
■ 瀬戸内海を里海に -新たな視点による再生方策-

      

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飼う人っているんだ・・・。

 

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コメント

おやおや、奇遇です!
只今、冷凍の中華クラゲを解凍中。
さっき、散歩の途中でいただいた、とれたてキュウリと和えた
定番の中華サラダが今夜の一品になる予定です。
原材料名には「くらげ」としかありませんが。。。

投稿: 臨床検査技師 | 2008年7月 3日 (木) 16時53分

臨床検査技師さん、こんにちは。

ついこの間まで意識しないで食べてたんですが、
もしかしたらコレって本物のクラゲ?って突然のように疑問が沸いてきたところだったので、そういう意味でもグッド・タイミングな番組でした。

投稿: 電気羊 | 2008年7月 5日 (土) 16時24分

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