■NHKスペシャル・ミラクルボディ・第4回 反応の限界を超えろ
トップアスリートの驚くべき世界を明らかにしようというこの企画、結構面白い。
今回はトップアスリートたちの驚くべき反応速度を超ハイスピードカメラで追った。
■WBC世界ミニマム級・前チャンプ、イーグル・デーン・ジュンラパン
2008_5_4(日)放送 NHKスペシャルHPより
■史上最速で500本安打を達成したヤクルトの青木宣親。
日ハムのエース・ダルビッシュ有の速球に対応する、その青木の「動き」をカメラが追う。
ボールがダルの手元を離れて、青木がそれをバットで捉えるまで0.4秒。
青木が「ストレート!」と判断したことがフォームに現れるまでが0.22秒。この瞬間、ボールはマウンドとバッターボックスのちょうど中間にいる。
その0.22秒の間に「判断」をして、残りの0.18秒で「対応」する。
本人曰く、あくまでもボールの軌跡で判定しているのだけれども、球種やコースを見極めたらあとは「見ているようで、見ていない」のだそうだ。
脳の研究者にいわせると、どうやら小脳を使っているらしい。今までの「経験」を蓄積して、投手毎、球種毎のレパートリーを備えているのではないか、とのことであった。
■WBC世界ミニマム級・前チャンプ、イーグル・デーン・ジュンラパンはさらに凄い。
カウンターパンチの使い手であるイーグルは、相手の左が動き始めてから0.16秒で反応を見せる。
初めの1ラウンドで相手のリズムを覚えたら、あとは動きが読めてしまうのだという。
■小脳での経験の蓄積で無意識に体が反応し、意識はあとからついてくる。というのは、「マインド・タイム ―脳と意識の時間―」という本で知ってはいたが、どうもコレくらいのレベルになると、さらに凄いことをしているようだ。
相手の動きを読む→反応する。
という小脳に出来上がった「自動的反応回路」を意識的に回避する、ということをやってのけているのである。
つまり、「フェイント」に惑わされずに「意思で動く」ということだ。
■日本剣道選手権なんかになると、もうまったくついていけない。
テレビで見ていてもボクシングなら多少はついていけるのだけれども、剣道の動きはまったく分からない。
バーン、と音がしたと思ったら、もう決まっている。そういう感じ。
速い選手だと動き出しから面が決まるまで0.10秒なのだそうな。
この速い動きも凄いのだけれどもそれに対処できる相手の選手はもっと凄いのだ。
■決勝戦での面の相打ちのシーンを超高速度撮影したもの(60倍)をやっていたが、それでもどっちが決めたのか判断できない!!
その差、実に0.009秒。
一方が「胴」へ行くと見せかけて「面」の動作に入る、その瞬間から相打ちの瞬間まで0.16秒。相手がその動きを察知して「相打ち」に至るまでが0.09秒。
その0.16秒の中に双方の「判断」が入り乱れる。
ため息が出るほど凄い世界。
けれども、実は、その0.009秒の差を正確に判定してしまう審判が一番スゴかったりするのである。ふー。
<2008.05.12 記>
■マインド・タイム ― 脳と意識の時間 ―
ベンジャミン・リベット 著 岩波書店 (2005/7/28)
<Amazon評価>★★★★☆(レヴュー数 10件)
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反応の限界を超えろ~特撮・一瞬の闘い~
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