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2008年3月13日 (木)

■無意識にインプットされる風景。『爆笑問題のニッポンの教養』 連想情報学、高野明彦。

今回のテーマは、検索エンジン。

Photo
■『爆笑問題のニッポンの教養』(番組HPより)
FILE030:「検索エンジンは脳の夢を見る」 2008.3.4放送
国立情報学研究所 連想情報学研究開発センター長 兼
東京大学大学院情報理工学系研究科教授 高野明彦。

■もうGoogle無し、Wikipedia無しでは生きていけない。

あるコトバがこころに引っかかったとしてもググれば何かしらの答えを得ることが出来るし、そのコトバの前に’Wiki’とつければ魔法のように知りたいことが即座に分かってしまう。

■太田はそういった自分自身のGoogle・Wiki依存生活に強い危機意識を感じている。知識をアタマにインプットしなくなる、というのだ。

すでにワープロ依存症で「漢字を書く」という能力を失って久しいが、実はもう「知識を蓄える」能力までも失いつつあるのかもしれない。

その心配が確かなものかどうかは分からないが、「コピペで作られた情報に対しては想像力が拡がらない」、「アタマに留めるものが細切れで断片的であり、文脈がない」という高野先生の見方にはうなづけるものがある。

■ここで終わってしまってはただのボヤきに過ぎないのだけれども、そこでその状況を打開するアイデアをカタチにしてしまうところが高野先生の凄いところである。

無意識も含めた’アタマ’が「検索」する実際の構造を「検索エンジン」に組み込んでしまったのだ。題して「連想検索」。

■新書マップ[連想検索]

■上の「新書マップ」というリンクを開いてみる。

試しに左上の「キーワードか文章を入力してください」という欄に’話し方’と入れてみると、なにやらぐるぐるまわって、’話し方’を頂点にして円の内側と外側に「キーワード」がならぶ。

ひとつの「言葉」に触れると、ぼやん、とまわりの「言葉」が反応する。

どうやら、円の内側の「言葉」は’話し方’から連想されることばで、逆にその連想された「言葉たち」から連想される’話し方’と並列な関係にあることばが、円の外周に配置されるようである。

どうでもいいが、円の内側の「言葉」で’話し方’に一番近いのが’バカ’というのが意表を突いていて面白い。「新書マップ」だけに、「バカの壁」の影響があるのだろうか、それなら’品格’があっても良さそうなものだが・・・。

■それはさて置き、この検索エンジンの狙いは「情報が景色のようにやってくること」。

従来の検索エンジンは注目している「言葉」から直列的に(或いは芋づる的に?)情報を引っ張り出してくるけれど、「連想検索」では注目していない「背景」も見せるというところがポイントなのである。

■人間のほとんどの行動は、実は0.5秒前に無意識のうちに決定されている。

自分があまり意識していないまわりの景色のさまざまな情報から必要な判断を半ば自動的にこなしてしまう。そういう仕組みになっているのだ。
[参照方:関連記事 ■ 『マインド・タイム』 身体は意識より0.5秒先行する!?

とするならば、大切なのは「無意識にインプットされる風景」であり、つまりは注目している言葉そのものよりむしろその言葉の背景に漫然と拡がっている「言葉のちらばり」の方が重要だったりするわけである。

■そこに現れる景色は「書店」そのものである。

Amazon.co.jpで次々に紹介される「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に引きずられてサイバー・ジャングルをさ迷い歩く夜とは似ているようでいて実はだいぶ違う懐かしい時間。

とくに何かあてがあるでもなく、売れている本のコーナーを物色するというよりは、紀伊国屋とかちょっと大きめの本屋でふらりふらりと、心理とか自然とか航空機とか、そういった定まったジャンルの棚からまた違った次のジャンルの棚へと渡り歩く感じ。

その漫然とした感覚のなかで、あっ、と思える本に出会う。

その高揚した気持ちは、やっぱりアマゾンでは味わえない。

■今、ある本にとめている視線のまわりでぼんやりと存在している背表紙たち。その佇まい、その匂い。

ネット空間は無尽の広さを誇れどもアクセスするのは所詮ブラウザに表示された一枚のページに過ぎない。

その意味では、その瞬間、瞬間において、「現実世界」の方が圧倒的に情報量が多いのであるし、人間はそれだけの情報量を、無意識であるにせよ、把握する能力をもっているのだ。

高野先生の連想検索はその人間が持つ無意識の能力を活かしながら、どうやって無限に拡がるネット世界を把握するか、という試みなのである。

■この手の話を考えるとき、いつも思うのは現実の体験を持たずにネットの世界に入っていく子供たちのことである。

辞書をめくらず、図鑑を眺めず、そういった面倒な手順や周辺の無駄な情報を一切省き、ネット検索によって切り出された「答え」だけに接していく。

その「理解」の蓄積がいったいどういう思想を育んでいくのか。或いは何も生まないのか。

いやいや、心配ご無用。

ネットにはネットの「匂い」があって、十分に豊かな体験を得られるのですよ、あなたが感じないだけで。

というオチがいちばん しゃくにさわって嫌なのだけれども。

                           <2008.03.12 記>

■電子ジャーナルで図書館が変わる (情報学シリーズ)
■ 高野明彦ほか 共著 ■
    

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■【爆笑問題のニッポンの教養】の本 ■
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■新書版 『爆笑問題のニッポンの教養』
     

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コメント

竹花です。はじめまして。
トラックバックさせていただきます。

たしかヘンリー・フォードだったと思うのですが、記者から問題の解決法を尋ねられて、電話を指して、これで専門家に聞いてみると答えたとか。

投稿: 竹花です。 | 2008年3月13日 (木) 10時30分

竹花さん、はじめまして。

>電話を指して、これで専門家に聞いてみると答えたとか。
うーむ、やっぱり大規模ネットワークの始まりは電話なんですかね。

ところでトラックバックですが、こちらに届いていません。時々こういう症状が出るようなので、もしよろしければ再度トライしてみてください。

では、気が向いたらまた遊びに来てくださいネ。

投稿: 電気羊 | 2008年3月13日 (木) 19時08分

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