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2008年2月29日 (金)

■何の為に。『プロフェッショナル・仕事の流儀』中小企業経営者・片山象三。

今回のプロフェッショナルは、織物機械を製造する中小企業の経営者・片山象三さん。

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■「あきらめなければ、失敗ではない」 中小企業経営者・片山象三
<2008.2.19放送> (番組HPより)

■織物業界は今、危機に瀕している。中国産の安い織物が市場を席巻しているのだ。

兵庫県、西脇。古くから織物で栄えてきたこの町も例外ではない。

中小の織物メーカーが寄り合うこの町では、20年前に1300社あった織物メーカーが300社を数えるほどにまで激減してしまった。

■そんな中、縦糸を取り替える段取りに大きな手間がかかっていることに着目し、織物のコストと納期を5分の1にまで低減させる画期的な織物機械を生み出した男がいる。それが、今回の主人公、片山象三さんである。

機械に関しては素人だと謙遜する片山さんなのだが、むしろ素人であることを強みとして、前例が無かったり、一般に困難だといわれることでも恐れ知らずに挑んでいく。

■そこで片山さんが素晴らしいのは、「一人では実現できない」ということを心の底から認識していて、西脇の町にあるいろいろな業界のプロのところへ訪ねまわり、頭を下げて教えを請い続けるところにある。

画期的なアイデアを実現して西脇の織物産業をなんとか生き延びさせたい。その情熱が周りの人たちの心を揺さぶり、巻き込んでいく。

■けれど人情としては片山さんに共鳴したとしても、現実問題として、日々、苦境に立たされている人たちの中からは、付き合いきれない、という声も上がってくる。

それでも片山さんがあきらめずに、何か自分にできることはないかと本気を見せることによって、その人たちを「輪」のなかにつなぎとめることができるのは、片山さんに誰よりも強い使命感があるからだ。

■「ちゃんと仕事をしている人が、ちゃんと生きていけるようにするには、どうしたらいいんかね?」

西脇の織物産業が置かれた苦境をなんとか打開しなければならない。その使命感からおこなった大きな投資に失敗し、最終的に自殺に追い込まれてしまった染物工場の社長さん。

片山さんが尊敬していたその社長さんの無念を思うとき、先の言葉が重く染み渡っていく。

■あきらめなければ失敗ではない。

希望があれば頑張れる。だから希望の灯は絶対に消さない。

そして、それを自分が本気で信じていれば、それは仲間にも伝わっていき、ベクトルも揃っていく。人の輪がつながっていく。

■理想論。

という言葉が頭に浮かぶ。

「あきらめない」、「自分が本気で信じる」。

そういう言葉は何度も聞いた、何度も読んだ。

■だけれども、そこで片山さんが違うのは『何の為に』、という揺るぎない土台がしっかりとあることだ。

西脇の地場産業が生き残っていけること。ちゃんと働けば、ちゃんと生きていけること。

ただ、それだけ。だから強い。仲間がまとまる。

■「一社では決して生きていけない。・・・、生きていけないんですよね。」

片山さんの心の底からこぼれ出たようなその言葉が全てをいいあらわしているように思う。

強い使命感が孤立したとき、それが強ければ強いほど、その代償として自らをすり減らし、その人を重く押しつぶしていく。

だから、謙虚に、ひたすら謙虚に、その言葉を噛み締めたい。

                         <2008.02.29 記>

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■ ドラッカー名著集1 経営者の条件
■ピーター・ドラッカーは『何の為に』というところを、「(その組織の目的に対する)『貢献』に焦点を合わせる」と表現しいている。
 

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過去の記事■『プロフェッショナル・仕事の流儀』

■『プロフェッショナル・仕事の流儀』番組HP

■茂木健一郎さんのクオリア日記にT/Bさせていただきます。

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