■ドラマ『SP(エスピー)』最終回!?テレビドラマを舐めてはいけない。
おいおい!これで「最終回」ってのは無いだろう!
■第1話で、そのスピード感に圧倒され、それに続く「病院占拠事件」も和製ダイ・ハードとしての出来が良く、岡田准一のアクションに震えた。
だが、「掃除屋」の話あたりから、どうも様子がおかしくなってくる。
妄想がかったシーンに「?」が付き、その中途半端な終わらせ方に呆然とする。
■そして、「総理暗殺」編。
総理の心臓を狙ったスナイパーのペイント弾、井上に襲い掛かるナイフ男。
その混乱からおもむろに抜け出し、拳銃を構え麻田首相(山本 圭)に狙いをさだめる山西(平田 満)。
笹本(真木よう子)、山本(松尾 諭)、石田(神尾 佑)。
自ら麻田首相の盾となり、山西の凶弾に次々と倒れていく警護課の面々。
残された、麻田、山西、井上。
20年前の因縁が甦る。
ここまで、たっぷりと見せてきた井上(岡田准一)の思わせぶりな芝居がここに結実し、その予想を遥かに上回る展開に、はらはらドキドキの50分であった。
・・・というのが、最終回のあるべき姿だろうに。
■初回を見て、「SP」ってスゲー!
と思ったのは、そのスピード感とドライな展開にあったわけで、岡田准一という「裏のある」ヒーローの魅せるアクションとその特殊能力が相まってテレビドラマの枠組みを吹っ飛ばす、「やっぱ、金城は違うわ!」と感嘆してしまうところにその存在意義があったのだ。
それがなんで、平田 満と山本 圭まで使って新劇芝居が始まるわけ??
おあつらえむきに劇場の舞台の上でのシーンだったんだから、ピンスポットでも当てときゃ、平田 満は気を利かせて『銀ちゃん!』って階段落ちの技でも見せてくれていただろう。
でなけりゃ、こんなNHKの「朝のテレビ小説」みたいな説明ゼリフのクサい芝居、とてもやってられない。
■20年前に何があったかが知りたいわけではない。
それを凌駕する驚愕の事実に直面する井上が、その「存在」をかけた最後の戦いにどう臨み、どう決着をつけるかが見たいのだ。
金城一紀はいったいどうしたのか。
拡げすぎた風呂敷の収拾がつかずに放り投げた挙句、適当に辻褄を合わせた。そういう印象が残る「一話」であった。
■一話一話、それぞれが「50分、一本勝負」。その積み重ねがテレビドラマの醍醐味であるし、その地道な積み重ねがあってこそ、『最終回』の感動につながるのである。
この『最終回』が春の特番につなげる単なる一つのエピソードだとしても、それを疎かにする姿勢は「テレビドラマ」をなめてるんじゃねーのか?という謗りを免れることはできない。
■役者も、演出も、音楽も、素晴らしい。
舞台設定だって、上手くできている。
それだけに、そのプロットのツメの甘さがもったいない。
「そもそも『小説』と『脚本』では必要な資質が異なるのだ」、なんてツマラナイことを言わせないで欲しいのである。
そんな愚だ愚だした批評なぞ、「第1話」に見せた、あのスピードでぶっちぎって欲しいのである。
■春の特番。
起死回生の一発を期待したいところだ。
<2008.01.28 記>
■追記■
■SPスペシャル・・・。
総集編と分かっていながら、つい、のめりこんで見てしまった。
ちらほら、「あ、そうだったんだー、」というカットが挿入されていて物語の裏にある構図の理解も深まったりして、なかなか味な真似をしてくれるじゃないの、というところなのだけれど、やっぱりラストは変わらないんだよねー。総集編なんだから当たり前なんだけど。
で、続きは? と思ったら来年に映画公開するんだそうで、絶対映画館には見に行かないからな!!と、意固地になってしまうのであった。
<2008.04.06 記>
■真木よう子はカッコ良かったなー。って、この女優さん映画『ゆれる』で理不尽な死をとげた可哀想な女の役やってた人なのだと今、気がついた。本当に、女の人って髪型と着る物でがらっと印象が変わるもんですな。
■公安の田中(野間口 徹)。こいつは結構いい味を出している。でも、その好奇心の強さが仇となって次回あたりに死亡フラグが立ちそうな予感。「語り部」という位置づけで是非とも生き残って欲しいものである。
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■シナリオ本 『 SP(エスピー) 』
■金城一紀 著■
■★★★★☆(4件のレヴュー)
■金城さんの脚注付き。放映されたドラマは説明を削りまくっているので気づかないところが多いに違いない。気になる本ではある。
■DVD-BOX 『SP エスピー 警視庁警備部警護課第四係』
■★★★★ (34件のレヴュー)
■CD 『SP(エスピー)・オリジナルサウンドトラック』
■音楽・菅野祐悟■
■★★★★★(9件のレヴュー)
■CD 『way of life』(初回限定盤A)(DVD付)
■【DVD付】 V6 ・way of life -Live Clip & Document Clip- ■
■★★★★ (8件のレヴュー)
【追記】途中、NHKの朝の連ドラ云々のくだりがありますが決して貶めているわけじゃないです。むしろ好きなほう。「NHKの朝の連ドラ」は朝ごはんを食べながら気楽に見ることを念頭において敢えて「説明的」なのであって、『緊張と弛緩と裏切り』といった集中力を要求するサスペンス・ドラマとは本質的にジャンルが違う、といいたいのです。念のため。
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コメント
「春の特番」まで長いなぁ。
真木よう子さん、映画「パッチギ」 ガンジャ役での
「ナース姿でとび蹴りシーン」もカッコ良かった!!
「時効警察」では、森の熊さん(?)の回にも出演されてましたね。
投稿: 臨床検査技師 | 2008年1月29日 (火) 17時15分
真木よう子さん。
けっこう活躍してるんですね。
気がつかなかったです。
投稿: 電気羊 | 2008年1月30日 (水) 08時42分