■金曜ナイトドラマ 『未来講師めぐる』。クドカン節、炸裂。
宮藤官九郎、久々の連続ドラマ。しかもクセの強い作品を次々と生み出してきたテレ朝「金曜ナイトドラマ」枠だというのだから否が応にも期待はふくらむワケである。
■満腹になると、まわりにいる人たちの姿が「20年後」の姿に見えてしまう。そんな能力に目覚めてしまった塾講師、吉田めぐる(深田恭子)24歳と、その生徒たちの物語・・・。
なんだけれども、その設定からしてものすごく「変」なのである。
■めぐるには、砂場で遊ぶ子供たちが「おまわりさん」、「やくざ」、「ホステス」、「看護婦」に見えてしまう。
中3の生徒たちが待っているはずの教室の扉をあけると各種色とりどりのオッサン、オバサンたちが、はやく授業を始めてよ、とコッチを見ている。
そんな感じでクルクルと登場人物が変わるもんだから、もうハチャメチャな展開。
■さらに、クセのある登場人物それぞれが、自分の関心事にしか興味が無くって相手に話を合わせようとする気がまるで無い。
生徒の指導について文句を言いに来た親御さんに対して、めぐるは自分が父親から小遣いを札束でもらっていたと話し出す。
「それ、自慢ですか!?」と、親御さん。
そんな脈絡の無い会話や展開を連打しておいて物語がちゃんと転がっていくのだから、クドカンはやっぱり天才なのである。
■塾の名前をどうするかにしか関心が無い塾長(武田真治)。
突然、太った親父(田口浩正)に変身するめぐるの恋人(勝地 涼)。
実は、昔から「20年後」を見る能力をもっていためぐるのおじいちゃん(地井武男)。
バブルと破産の浮き沈みが激しすぎるめぐるの父親(船越英一郎)。
そういったレギュラーメンバーにとどまらず、ちょい役の人物も侮れない。便所でレイ・チャールズの「空耳」を歌う黒人ペンキ屋の「意味の分からなさ」は最高であった。
で、ナンセンスなだけかと思いきや、最後は「ちょっといい話」になるようにキッチリと納めてくる。そのあたりの「あたたかさ」もクドカンの魅力なのだ。
■どうやら今後は、めぐるの生徒たちが入れ替わりに「主役」となる一話完結方式で進んでいくようだから、見逃すまいと毎週気をもむ必要はなさそうだ。
気楽に見れるのが「金曜ナイトドラマ」のいいところなんだよな。
<2008.01.12 記>
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■DVD BOX 『 未来講師めぐる 』
■続編 『 未来ナースめぐる 』を収録!?■
■キャスト■
吉田めぐる(英語) - 深田恭子
門伝大(塾長) - 武田真治
* * * * * * *
海老沢ユーキ(恋人) - 勝地涼
20年後 - 田口浩正
吉田はまる(父) - 船越英一郎
吉田中吉(祖父) - 地井武男
■スタッフ■
脚本:宮藤官九郎
演出:唐木希浩、高橋伸之
音楽:野崎良太(JAZZTRONIC)
■主題歌:やなわらばー 『サクラ』(初回限定盤)(DVD付)
■2008年2月6日発売
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
■記事の続き■
■『未来講師めぐる』 最終回。「見える」未来より、いま信じる未来。
■『未来講師めぐる』第3話。黒川智花の参戦で一気にブレイク!
■関連作品■
■DVD-BOX 『ぼくの魔法使い』
脚本・ 宮藤官九郎 日テレ系(2003年春シーズン放映)
出演・ 伊藤英明, 篠原涼子, 古田新太, 阿部サダヲ, 西村雅彦
<Amazon評価>★★★★★(レヴュー数 30件)
■満腹になると20年後が見えてしまうという『未来講師めぐる』の設定は同じクドカン脚本の作品である『ぼくの魔法使い』をほうふつとさせる。
伊藤英明(みったん)と篠原涼子(るみたん)のバカ夫婦が繰り広げる、あったか系ドタバタ・コメディ。
「るみたん」が何か思い出そうとして「うーん」とうなると、急にオッサン(古田新太)とカラダが入れ替わってしまうという、これまた変な設定。篠原涼子の「うーん」の顔と古田新太が演じるくねくねした「るみたん」の演技は腹が捩れるほどに面白い。
■過去記事■
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