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2007年11月12日 (月)

■【ひつじの本棚】 『タオ―老子』 加島祥造。もうひとりの自分に気づくこと。

新聞の広告で、『求めない』という本が目についた。

著者の加島祥造さんは、『老子』の現代語訳で有名な方だということだったので、まず、そちらを読んでみることにした。

■ タオ ― 老子
Photo
加島祥造 著 ちくま文庫 (2006/10)
<Amazon評価>
 ★★★★☆(レヴュー数 8件)

スッと気持ちが楽になる。そういう本である。

■『老子』の全81章のひとつひとつが、加島さんのこころでじっくりと咀嚼され、現代詩のかたちで再生されている。

そして、その「加島祥造」という翻訳機のちからを借りて、2500年前の老子の世界が直かに目の前に広がっていく。

なんて贅沢な本なのだろう。

■「老子」といえば世の中から避けて生きる隠遁の哲学だと勝手に思い込んでいたが、どうやら正反対の考え方をしていたようだ。

老子が語っていたのは、世の中のしがらみに縛られた「自分」に対して、赤ん坊のように無垢で、いろいろな可能性を内に秘めた「もうひとりの自分」があることに気付くこと。

その自分は、自然とか、宇宙とか、そういったおおきな広がりをもった世界の一部であり、そのおおきさ故に、生きることに焦らない自分である、ということだ。

■大切なのは、そのやさしさにあふれた世界に逃げ込むことではなく、いま現在、厳しい現実にさらされて「がんじがらめになっている自分」から一歩うしろに引いていいのだと、二歩も三歩も、ずーとうしろまで引いていいのだ、と知ることだ。

そうしてダメな自分をそのまま受け入れることで生まれる余裕が、現実を生き抜いていく上での力となるのだ。

■地位とか名誉とか財産とか、そういったものを求めれば求めるほど不幸になっていく。たとえ、それが得られたとしても、「求める」限りその不幸は自分にまとわりついてくる。

「生き物」として自然な自分を認めること。

そしてまわりの人々を、まっすぐなひとも、曲がりくねったひとも、「そのひと」としてそのまま受け止めること。

その「そのまま」を受け入れることが幸せに生きるための智恵なのだと「老子」は教えてくれているのだ。

■これから繰り返し、繰り返し、味わっていきたい。

この本と出合えたことが、とてもうれしい。

                          <2007.11.12 記>     

■ タオ ―老子
加島祥造 著 ちくま文庫 (2006/10)
<Amazon評価>
 ★★★★☆(レヴュー数 8件)

■ 求めない
Photo_2
加島祥造 著 小学館 (2007/6/29)
<Amazon評価>
 ★★★★☆(レヴュー数 25件)
■老子から受け止めた人生観を、「求めない―」から始まる100の詩篇で語りかけてくる。たぶん、きっと、疲れた気持ちを楽にしてくれる本、なのだとおもう。

■追記■
『求めない』読みました。記事はこちら。
■足るを知ること。詩集、『求めない』 加島祥造。

  
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