■出直しますか。『プロフェッショナル・仕事の流儀』 ヘアデザイナー・加茂克也。
今回のプロフェッショナルは、ヘアデザイナーの加茂克也さん。
■あきらめないから、美しい ヘアデザイナー・加茂克也
<2007.11.20放送> (番組HPより)
■ファッションをアピールする舞台で、そのデザインを引き立て、盛り上げるのがヘアデザイナー・加茂克也さんの仕事だ。
手を動かしながら
ふっ、とひらめいたアイデアを試していく。
あきらめずに追求し、
「ちょっと、違うな。」という感覚を残さない。
それが、加茂さんの流儀だ。
だから何でも出来るように、いろんなものをスーツケースに詰め込んで持ち歩く。
そのスーツケースの中の雑然とした小宇宙は、加茂さんの創造力を生み出す無意識の世界を映し出しているのかもしれない。
■加茂さんがヘアデザイナーとして、殻をひとつ突き破る切っ掛けになったのは、ファッションデザイナー渡辺淳弥(わたなべじゅんや)さんとのパリ・コレクションの仕事だ。
細かいことが気になって、本当にやりたいことが見えていなかった。
結局、中途半端なカタチで仕事をまとめることになった。
「デザイナーですよね、加茂さんも。」
渡辺さんの、その言葉が鋭く突き刺さる。
■やりたいことを持っていないと、人と一緒に仕事が出来ない。
加茂さんは、それを痛感したと言っていたが、
その「やりたいこと」とは既にあるものではなく、能力を持っている人と一緒に仕事をすることで仄かに湧き上がってくるものなのだろう。
だから、面白い。
■一皮剥けた加茂さんに、再び渡辺さんから声がかかるようになる。
けれど、渡辺さんとの仕事は単純には進まない。
そこには、試される。認められる。という、馴れ合いを排した師弟関係が存在する。
■出直しますか。
そのあっさりとした渡辺さんの一言は、
まだ「やりたいこと」が生まれてもいないのだと加茂さんを厳しく突き放す。
想像力の枠組みをぶち壊す、【驚き】。
それが欲しいのだ。
■『自分を表現しようと思わない方が表現できる。』
その加茂さんの言葉は、矛盾しているようでいて実は創造性の根源的性質を言い表しているように思える。
アタマで考えられること、それを突き詰めていってもたどり着くのは、やはりアタマで考えられる世界の枠のなか。
極限まで追い込まれたとき、ふっ、と浮かぶもの。
それが、現場で本気に突き抜けたとき、やっとその姿をあらわす無意識からの贈り物なのである。
<2007.11.26 記>
■『パリ・コレクション・インディヴィジュアルズ〈2〉』
林 央子 著 リトルモア (2000/03)
<Amazon評価>★★★★★(レヴュー数 2件)
■アマゾンで関係ありそうな本を探していて見つけました。ファッション・ジャーナリストの林央子さん、結構奥が深くて面白そうな方です。
■林央子さんのインタビュー記事
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