■ストーンヘンジ。「知識」と「理解」は明らかに違う。
世界のドキュメンタリーを放映する『地球ドラマチック』(NHK教育)の再放送で『ストーンヘンジ ~復元!謎の巨石群~』を見た。
■ストーンヘンジといっても特に感慨を覚えることは無かったのだが、この番組で見る目がまるっきり変わってしまった。
映画の特殊撮影用のリアルな模型を作るチームが3ヶ月をかけて発泡スチロール製の原寸大ストーンヘンジを作成、4000年前の本来の姿を再現する。
馬蹄形に並んだ石組み高さは7メートル。その周囲直径100メートルの円状にならんだ高さ5メートルの石組み。その隙間を埋めるように人間の背の高さほどのブルーストーンが並ぶ。
■別にわざわざそんなバカでかい実寸模型を作らなくてもCGで十分じゃないか。という気もするが、やはり「現実のもの」でしか味わえないものもあるのだ。
夏至の日の出、冬至の日没。その時の太陽光の入射角は巨石と巨石の間を絶妙に通り抜け、中央の石に反射して荘厳な光の芸術を作り出す。
さらに円状に並んだ巨石により、音が反射、増幅され「うなり」のような効果も生み出される。
どちらもデジタルな解析モデルで検証可能だし、むしろCGの方が発泡スチロールの張りぼてよりよっぽどリアルな映像を再現できることだろう。
けれども、高さ7メートルの物体に囲まれてそこに立つ人間が体感する感動は、現実の世界でしか味わえないものである。
■TVのこちら側でも、その感覚は十分伝わってきた。ストーンヘンジに対して今までの教科書的な「知識」としての認識から、祭祀の場としての生き生きとした存在へと自分の中で大きく変貌を遂げたのである。
うまく表現は出来ないが、自分の認識に「質的」変化をありあり感じたということである。
「知識」と「理解」は明らかに違う。
そんなことを考えさられる番組であった。
<2007.10.06 記>
■『地球ドラマチック』バックナンバー
http://www.nhk.or.jp/dramatic/backnumber/57.html
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コメント
石組みは7mもあったんですか。発泡スチロールでも3ヶ月かかったなんて、あらためてスケールの大きさにびっくりです!
当方、昨日より「レンガ」と格闘中です。
そのうち、レンガが枕になってしまうかも、ですが・・・^^;
投稿: 臨床検査技師 | 2007年10月 7日 (日) 19時38分
地球ドラマチックは、来年4月からはTBSが「悪魔の契約にサイン」の後継番組として放送するそうです。
投稿: 杉田平和町 | 2008年12月 7日 (日) 13時50分
杉田平和町さん、
コメントどうもありがとうございます。
地球ドラマチック、
水曜ゴールデンですか!凄いですね。
これも最近のドキュメンタリー・ブームにのった動きなんでしょうか。
ピーター・バラカンさんあたりが司会をするような落ち着いた番組になるといいですね。
投稿: 電気羊 | 2008年12月 8日 (月) 18時49分