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2007年10月12日 (金)

■その老獪さにプロ根性を見た。WBC世界フライ級タイトルマッチ。内藤大助が亀田大毅を下し、初防衛。

いじめられっこ?

冗談じゃない。老獪なプロの仕事師だ。

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■近い距離からの強烈な一発を狙うために 

しっかりとガードを固め、前へ前へと押してくる亀田大毅。

対するチャンピオンの内藤は、

左を使って常に自分の距離を守ろうとする。

コーナーに追い込まれても上手に逃げる。

逃げられないとなると右腕で首を抱え込む。

決して華麗とはいえない、泥臭いボクシングである。

■視野の外から突然現れる変則的な右フック。

と思えばアッパー、ボディ、ストレート。

その右が、どこへ飛んでくるのか分からない。

伸ばした左で相手の頭の位置を把握しているから

目視していなくても、正確に相手の急所をとらえてくる。

決して、ガードごと脳みそをもっていくような強烈な

パンチではないが、着実にポイントを稼いでいく。

Photo

■さらに大毅の左が単調なだけに、

チャンピオンのディフェンスの上手さが目立つ。

スウェー、ダッキング。

大毅の豪腕がむなしく空を切る。

危険な距離にはいると、またクリンチ。

この繰り返し。

空振りは体力と気力を萎えさせる。

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■空を切る大毅の左。

■11R後半、大毅のガードが下がってくる。

スタミナは限界。

思うように動かない自分の体が、さらにイライラをつのらせる。

■12R。大毅はブロックを解いて倒しに来る。

残された道はK.O.のみ。

だが、内藤のふところにもぐりこもうとすると

すぐに首根っこを抱え込むようなクリンチで逃げられる。

つのりにつのったイライラが、冷静な判断を狂わせる。

内藤のしつこいクリンチに対してカラダをあずけて倒れこむ

そこで減点をくらったことで、未熟な心がポキリと折れた。

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■「オイオイ、それバックドロップちゃうやん。」

■やにわに内藤を抱え上げ、投げの姿勢に入る。

そりゃ、もうボクシングじゃない。プロレスだ。

12ラウンド 45秒。

既にその時点で終了のゴングは鳴っていた。

きれいごとだけでは勝ちきることは出来ない。

35回の戦いを潜り抜けてきた33歳のチャンピオン。

その経験からくる老獪さが際立つ試合であった。

■プロボクシングは最もストイックなスポーツであると同時に

お客を集め、金を儲けるための興行でもある。

WBCのベルトをつかむため、王者ポンサクレックに対し

内藤が3度目の勝負を挑んだタイトル戦は

スポンサーがつかずに試合が流れかけたという。

亀田でなければ「商売」にならないのだ。

■亀田大毅 10戦10勝 7 K.O.

とはいえ何のタイトルも無いWBCフライ級15位、18歳。

それが、なぜ脚光を浴びるのか。

一体、何を求めてお客は集まるのか。

■悲しいけれど所詮それが貧乏ジムの限界なのさ

と卑屈になってみてもメシが食えるようになるわけじゃない。

だから、内藤は亀田興毅との対戦を熱望するのだ。

「ハングリー」な、ボクシング本来の泥臭い世界へ

世の中を引き戻すために。

■前哨戦は終わった。

亀田興毅は、もう逃げることは出来ないだろう。

内藤の使命はまだ完遂されていない。

亀田興毅を倒すことで、

ボクシングがもつ本来の魅力を世間に伝えること。

それは、マスコミにたかられ、

商品として「消費」されていく亀田3兄弟を

その地獄の淵から救い出す行為でもあるのだ。

■年末にはポンサクレックとの再戦という話もある。

興毅を倒すまで、チャンプであり続けなければならない。

内藤大助 33歳にかせられた使命は重い。

Wbc

                        <2007.10.12 記>

 
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