■NHKスペシャル、『あなたの笑顔を覚えていたい』。たった一人の自分だから。
■ハンディキャップを負ってしまった人を追うドキュメンタリーというのは、どこかやるせなく、居心地が悪いものである。
けれどこの番組を見て、少し見方が変わったかもしれない。
■子供の時の交通事故が原因で脳が萎縮してしまい、事故以降の「出来事」についての記憶が保てなくなってしまった36歳の女性。
その女性が、実母に支えられながら生後5ヶ月のわが子を育てていく姿を、一年に渡って記録したドキュメントである。
■その障害に対して決してあきらめようとしない決然とした実母の愛。それを優しく見守る姉の愛。少しでも家族の楽しい記憶を残そうと努力する夫の愛。
そして、赤ちゃんが母親に見せる無垢な愛。
■はじめは記憶を補うためにミルクを与えた時間や量、眠った時間といった数字をメモに残していた彼女が、子供の成長とともに、わが子とのうれしい出来事をメモに残すようになっていく。
たぶん、それは実母、姉、夫、そして可愛いわが子。それぞれたった一人しかいない、かけがえの無い家族に支えられた「自分」というものをそのまま受け入れ、あるべきところにおさまっていく。
そういう経過をカメラが写し撮っていったのだと思う。
■「それが私の人生なのかなー、と思うときがある」
という彼女のことばが、深く印象に残った。
<2007.10.30 記>
■NHKスペシャル「あなたの笑顔を覚えていたい」
(2007.10.29 放送)
■文庫 『博士の愛した数式』
小川洋子 著 新潮文庫 (2005年11月、単行本・2003年8月刊)
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 191件)
■この本を読んだ時に湧き上がった、あたたかく優しい感情が深くこころに残っている作品です。
■映画 『博士の愛した数式』
監督:小泉堯史 公開:2006年1月
<Amazon評価> ★★★★ (レヴュー数 61件)
出演: 寺尾聰、深津絵里、齋藤隆成、吉岡秀隆、浅丘ルリ子
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