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2007年10月23日 (火)

■「美」がこころを揺り動かすものだとするならば。『爆笑問題のニッポンの教養』 日本美術史、辻惟雄

今回のテーマは「美術」。

予定調和的流れを太田が引っ掻き回して、想定外の着地点にたどりつくところが面白いこの番組なのだが、どうもいつもと様子が違うのだ。

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FILE:013 「異形のモノに美は宿る」(番組HPより)
東京大学、多摩美術大学名誉教授。MIHO MUSEUM館長(日本美術史)辻惟雄
2007年10月16日放送

■太田が議論を吹っかけずにゲストと同調する姿勢を示したのは初めてのことではないだろうか。

おじいちゃんに話を聞いてもらう、そういう和やかな空気が漂っていた。

辻さんは太田に、若い頃の跳ねっ返りな自分自身を重ねてみたのかもしれない。

■卒業する為にしかたなく日本美術史を専攻したという辻さん。けれど、その目には「わび、さび、風流」なんていう日本美術は非常にツマラナイものにしか映らなかった。

かたや西洋美術に目を移すと、ピカソなんて面白い絵を描くひとがいる。そういう変な絵を描くひとは果たして日本にはいなかったのだろうか?と辻さんは探してみた。

するとそれが居た、のである。

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■曽我蕭白「蝦墓・鉄拐図屏風」、長沢芦雪「寒山拾得図」

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■伊藤若冲 「鳥獣花木図屏風」

■イメージによって不自然に歪められた「異形」の世界。

その非日常的な不気味さを漂わせる世界を辻は、「奇想」と呼ぶ。

そこに「品格」というものは無い。

だが、見るものの心を不安に陥れる、強いチカラを放出している。

「美」が、「美しい」ものを指し示すだけのものではなく、人のこころを揺り動かすものであるならば、これらの絵もまた、「美」のひとつのカタチなのである。

■戦乱の時代が終わって150年余り。

文化・文政、江戸庶民の文化が花開く少し前の時代にこれらの絵は描かれた。

この歪んだイメージは、世の中を茶化して楽しむ葛飾北斎が登場する為には不可欠な要素であったに違いない。

そして、その「品格に欠けた文化」の流れは着実に現在まで受け継がれ、マンガ、アニメへとつながっているのだ。

■日本という国のカタチがどうだ、国家の品格がこうだ、と眉間にしわを寄せて堅苦しい議論をたたかわせている偉いオジサンたち。

その横っちょで、自由奔放に世界へ拡がっていく日本のオタク文化。

どちらが日本の本質をあらわしているかと考えたとき、なんとも小気味いい構図じゃないかと、愉快な気持ちになるのであった。

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■『奇想の系譜』
辻 惟雄 著 ちくま学芸文庫 (2004/9/9)
<Amazon評価>
 ★★★★★(レヴュー数 4件)
 

                           <2007.10.23 記>

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■曽我蕭白<1730-81> 「群仙図屏風」 部分。細密さがすごい。

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■長沢芦雪<1754-99> 「白象黒牛図屏風」。犬!?

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■伊藤若冲<1716-1800> 「群鶏図」、「蓮池遊魚図」

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新書版 「爆笑問題のニッポンの教養」

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