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2007年8月30日 (木)

■【ひつじの本棚】『成長の限界 人類の選択』、そんなに煽られても困ってしまうのだ。

■全地球的な問題対処するために設立された民間のシンクタンク『ローマ・クラブ』の未来予測、『成長の限界』から30年。

本書は、2002年に出版された3冊目の改訂版であり、最新の情報から人類が持続可能な未来を手に入れる為の方策を提言している、のだが・・・。

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■成長の限界 人類の選択
デニス・メドウズ 他(著) ダイヤモンド社 (2005年3月)
<Amazon評価>
 ★★★★ (レヴュー数 3件)

■『持続可能性(sustainability,サスティナビリティ)』という言葉を耳にしはじめたのは3年ほど前からだろうか。

1974年のオイルショックの時には、母親につれられてトイレットペーパーを持たされた記憶が微かにある。それ以降、時折石油が枯渇する!と騒がれ、多少の危機感や省エネブームはあったにせよ、20世紀の間には石油が無くなることはなく、ノンキにバブル景気を楽しんだ。

だが、ここのところ、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ)の爆発的経済成長により、石油だけでなく、天然ガス、銅、鉄鉱石などの資源が急激に高騰してきている。

このままで、我々の文明は維持していくことが出来るのであろうか。

■本書では、地球をシステムとしてモデル化しシミュレーションすることで、将来の『傾向』を予測する。そのモデルはおおまかにいうと、3つの部分からなる。

①「人間の経済活動(人口、生活レベル等)」。

②その「供給」側として、天然資源、食料などの確保。

③その「排出」側として、環境汚染の拡大などの処理。

『成長が限界に達する』とは①「人間の経済活動」に対して、②「供給」が間に合わなくなる。または、③「排出」側処理が追いつかず、食糧生産可能な土壌が減少するなどで、①「人間の経済活動」を圧迫する。という形で現れる。

本書が書かれたのは2002年なので、BRICs急成長の影響は未だ現れていなかったが、それを織り込むならば、②エネルギー資源の供給不足と、③大気汚染、CO2排出量急増への対応コストの増大が更に拡大している。ということになるのだろう。

それは、我々の文明が「大規模な食料不足」や「貧困の増大」といった『成長の限界』に到達することを早める要因となることは確実だ。

■本書の重要な考え方に、『幾何級数的増大』がある。

『幾何級数的増大』とは、いわゆる倍々ゲームである。

大きな池に小さな蓮の葉がひとつある。この蓮の葉は一日に2倍に増える。1000日かかって、やっと池の半分を蓮の葉が埋めるところまできた。さて、池が蓮の葉ですべて埋まるのにあと何日必要でしょうか?

答えは、一日である。

増え方は「一日に2倍」と変わらないのだが、絶対的な量で考えると、あるところから爆発的に増加するように見える。

以下のグラフは、世界人口の推移である。

Photo_2

1900年頃に急速に人口が増加している様子が分かる。同じように、我々が使う石油や食糧も幾何級数的に増大しており、また産業排出物も幾何級数的に環境に流れ出している。

■この本の結論は以下のことを2002年にすぐに着手することで、かろうじて2100年頃の人類が安定的な生活を保つことが出来る、と予測している。

1)子供を2人に制限。(例外は無いとする。)
2)先進国の生活を若干落としたレベルを上限とする。
3)資源利用効率、汚染削減、食糧収穫率の技術向上。

ところが、20年後の2022年に対応を始めた場合には、人口の急増は止まらず、経済は発展してしまって、その跳ね返りとして世界的な汚染が広まり深刻な食糧危機に陥る。という予測になるらしい。

手をこまねいているうちに、事態はどんどん悪化していき制御不能になっていく。文明の『安定』を求めるならば今スグ手を打つことだ、と本書は警告している。

■・・・けれど子供の制限も、生活レベルの制限も現実的で無いことは、中国を見れば分かることで、どうも陰々滅々たる未来像しか浮かばない。

あんまり根をつめて真面目に考え過ぎるのも疲れるものである。

このまま流れに身を任せてしまいたい、というゆるい衝動にかられるのだが。やっぱり、ダメですかね。

                         <2007.08.30 記>

■成長の限界 人類の選択
デニス・メドウズ 他(著) ダイヤモンド社 (2005年3月)
<Amazon評価>
 ★★★★ (レヴュー数 3件)

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■『未来惑星ザルドス』
監督 ジョン・ブアマン 主演 ショーン・コネリー (1974年)
<Amazon評価> ★★★★ (レヴュー数 6件)
■このまま世界の格差が拡がっていく未来の姿を考えていたら、ふと、この映画のことを思い出した。巨大な石の顔面が空を飛んでいく奇妙奇天烈な映画なのだが、どこか哲学的で奥深い映画でもあるのだ。ラストの描写が心に残る印象的な作品である。監督は『エクソシスト2』で、原作者を激怒させたというウワサのある異才ジョン・ブアマン。曲者である。

 
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