« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

2007年8月

2007年8月31日 (金)

■【ひつじの本棚】『スカイラインとともに』、櫻井眞一郎かく語りき。

今年はスカイライン生誕50周年なのだそうだ。
スカイラインといえば櫻井眞一郎さん、なのである。

Photo
■『スカイラインとともに (わが人生 (2))』
櫻井眞一郎 著 神奈川新聞社 (2006年6月)
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 2件)

■神奈川新聞で連載されていた「わが人生」を単行本化したものだそうで、とても読みやすい構成になっている。

もちろん内容はスカイラインのことが大半を占めている。1957年に完成した初代スカイライン(ALSI型)から、1981年の6代目スカイライン(R30型、いわゆる「ニューマン・スカイライン」)まで、櫻井さんが開発に打ち込んだ情熱がビシビシと伝わってくる本である。

■日産と合併する前のプリンス自動車は中島飛行機と立川飛行機の流れをくむ会社で、「中島」のエンジン技術はピカイチだが、クルマの技術に関しては暗中模索の状況だったようだ。

そのような状況の中で、櫻井さんは上司に励まされつつ独力でサスペンションの技術を磨き上げていったのだ。

■自動車に限らず機械設計の技術者だったら、うーむと唸る言葉が、あちらこちらに散りばめられている。

エンジンの神様、中川良一さん曰く、

「開発に必要なのはクオンタム・ジャンプ(発想の跳躍)だ。大胆に跳べ。」

「おれも失敗を数え切れないほどやってきた。駄目だから元に戻すというのでは、いつまでも進歩しない。元に戻すというようなやり方はするな。櫻井が正しいと思う通りにやれ。」

そうして、板バネや防振ゴムと格闘し、検討と実験を重ねていき技術を積み上げていったのだ。他社の猿マネでは技術は育たない。

Prince_skyline_alsi1_001 2_prince_skyline_s50_1500_deluxe_00
■初代プリンス スカイライン(ALSI-1) ■2代目プリンス スカイライン(S50)

■1966年。プリンスと日産が合併する。

当時、櫻井さんが開発していたC10型スカイラインは、日産の510ブルーバードと競合してしまうが、「出来るだけ共用部品を増やして、別々のクルマにしよう」ということでなんとか生き残る。

この場面での、自らの技術力に対する櫻井さんの絶対的な自信は素晴らしい。理想が高く、信念を持った人でなければこうはいかない。

3_c10 3_c10_rr
■3代目 日産 スカイライン C10型(いわゆるハコスカ)
510
■日産 ブルーバード 510型 【日産ミュージアム】より

■合併後、プリンス系の櫻井さんたちは、「売れる」クルマを作ろうとする日産側と、「『スカイライン』というクルマが持つ哲学、情」といったものを大切にしたい気持ちとの板ばさみに合う。

結果、4代目「ケンメリ」は「羊の皮をかぶった狼」ならぬ、ただの羊になってしまった。と切り捨てる。5代目の「ジャパン」での抵抗も中途半端だった、と悔しがる。

4_c110_rr _c211_japan
■4代目C110型スカイライン「ケンメリ」・5代目C210型スカイライン「ジャパン」
「ケンメリ」は、「ダルマ」セリカと並んで小学生の頃の憧れのクルマだった。

■そして、開発をまとめる立場に立った6代目「(ポール・)ニューマン スカイライン」で、「本来」のスカイラインに回帰することを目指す。

その時の開発陣内でのベクトル合わせのやり方が、身震いする程かっこいい。

『作りたいのは、こういうクルマだ!』と上から伝えるのではなく、まず自分のイメージをドラマ仕立てで作っておいて、開発メンバーに対して語りかける。

それに対してメンバーそれぞれが、役職も肩書きも関係なく、自由闊達に「スカイライン」のイメージについて討論する。そうすると、あたかもオーケストラのように、それぞれの想いが共鳴していく。

製品の開発は、コストを制約とした異なる性能の凌ぎあいとなる場合が多い。そうしたときに「こういう商品をつくるのだ」というイメージが開発メンバーで共有されていると、向かうべき方向が分かっているので話が早い。

このベクトル合わせが、なかなか上手くいかないのである。やはり、櫻井さん自身の人徳によるところが大きいのだろう。

_r30_
■6代目 R30型スカイライン 「ニューマン・スカイライン」
親父がR30を買ったときの嬉しそうな顔を思い出す。

■実際の販売台数では、「大衆迎合」の4代目、5代目は大成功で、むしろ、「所有する人がそのクルマに『愛』を感じる」という「スカイライン」らしさを取り戻した6代目で、売上は半減する。

商売というのは難しいものである。

■その後、櫻井さんの「魂」は、サスペンション設計部を中心に引き継がれ、「90年には世界一のクルマを」という901活動を生み、R32スカイラインGT-Rを代表とした技術的頂点を極める。

_r32_gtr
■8代目 R32型スカイラインGT-R

■だが、その後日産は長い低迷を迎えることになる。

ゴーンさんのマネジメントで財政的には復活を果たした日産自動車。だが、残念ながら「売れる」商品がなかなか産み出せずに苦しんでいる。

愛を求めるお客に向けた「魂」のこもったクルマを創るのか、市場分析による「大衆迎合」で商品像を組み立てていくのか。

私見を述べるのであれば、それぞれのクルマには役割があって、スカイラインは前者である続けるべきクルマなのだと思う。

■櫻井さんが最前線にいた時代から20年。北米に市場を広げることでスカイラインは何とか生き延びてきた。

この秋発表の新型スカイラインクーペは、バルブコントロール機構「VVEL」を搭載するなど、なんだか「スカイライン」らしい匂いも漂ってくる。「スカイライン」と呼ぶかどうか分からないがGT-Rも大進化を遂げて復活するらしい。

さて、ミスター・スカイライン櫻井眞一郎さんは、いまのスカイラインに対してどういう思いを抱いているのだろうか?

V36 _v36
■12代目 V36型スカイライン セダン/クーペ。

                         <2007.08.31 記> 

Photo
■『スカイラインとともに (わが人生 (2))』
櫻井眞一郎 著 神奈川新聞社 (2006年6月)
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 2件)
■何故か絶版。古本は結構出ているようです。

■ Amazon.co.jp ■
■【書籍】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【書籍】 新書・文庫 ― 売上最新ランキング ―■
■【書籍】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

■【DVD】 最新ベストセラー情報 (1時間ごとに更新)■
■【DVD】 ↑ 売上上昇率 ↑ 最新ランキング■

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年8月30日 (木)

■【ひつじの本棚】『成長の限界 人類の選択』、そんなに煽られても困ってしまうのだ。

■全地球的な問題対処するために設立された民間のシンクタンク『ローマ・クラブ』の未来予測、『成長の限界』から30年。

本書は、2002年に出版された3冊目の改訂版であり、最新の情報から人類が持続可能な未来を手に入れる為の方策を提言している、のだが・・・。

_
■成長の限界 人類の選択
デニス・メドウズ 他(著) ダイヤモンド社 (2005年3月)
<Amazon評価>
 ★★★★ (レヴュー数 3件)

■『持続可能性(sustainability,サスティナビリティ)』という言葉を耳にしはじめたのは3年ほど前からだろうか。

1974年のオイルショックの時には、母親につれられてトイレットペーパーを持たされた記憶が微かにある。それ以降、時折石油が枯渇する!と騒がれ、多少の危機感や省エネブームはあったにせよ、20世紀の間には石油が無くなることはなく、ノンキにバブル景気を楽しんだ。

だが、ここのところ、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ)の爆発的経済成長により、石油だけでなく、天然ガス、銅、鉄鉱石などの資源が急激に高騰してきている。

このままで、我々の文明は維持していくことが出来るのであろうか。

■本書では、地球をシステムとしてモデル化しシミュレーションすることで、将来の『傾向』を予測する。そのモデルはおおまかにいうと、3つの部分からなる。

①「人間の経済活動(人口、生活レベル等)」。

②その「供給」側として、天然資源、食料などの確保。

③その「排出」側として、環境汚染の拡大などの処理。

『成長が限界に達する』とは①「人間の経済活動」に対して、②「供給」が間に合わなくなる。または、③「排出」側処理が追いつかず、食糧生産可能な土壌が減少するなどで、①「人間の経済活動」を圧迫する。という形で現れる。

本書が書かれたのは2002年なので、BRICs急成長の影響は未だ現れていなかったが、それを織り込むならば、②エネルギー資源の供給不足と、③大気汚染、CO2排出量急増への対応コストの増大が更に拡大している。ということになるのだろう。

それは、我々の文明が「大規模な食料不足」や「貧困の増大」といった『成長の限界』に到達することを早める要因となることは確実だ。

■本書の重要な考え方に、『幾何級数的増大』がある。

『幾何級数的増大』とは、いわゆる倍々ゲームである。

大きな池に小さな蓮の葉がひとつある。この蓮の葉は一日に2倍に増える。1000日かかって、やっと池の半分を蓮の葉が埋めるところまできた。さて、池が蓮の葉ですべて埋まるのにあと何日必要でしょうか?

答えは、一日である。

増え方は「一日に2倍」と変わらないのだが、絶対的な量で考えると、あるところから爆発的に増加するように見える。

以下のグラフは、世界人口の推移である。

Photo_2

1900年頃に急速に人口が増加している様子が分かる。同じように、我々が使う石油や食糧も幾何級数的に増大しており、また産業排出物も幾何級数的に環境に流れ出している。

■この本の結論は以下のことを2002年にすぐに着手することで、かろうじて2100年頃の人類が安定的な生活を保つことが出来る、と予測している。

1)子供を2人に制限。(例外は無いとする。)
2)先進国の生活を若干落としたレベルを上限とする。
3)資源利用効率、汚染削減、食糧収穫率の技術向上。

ところが、20年後の2022年に対応を始めた場合には、人口の急増は止まらず、経済は発展してしまって、その跳ね返りとして世界的な汚染が広まり深刻な食糧危機に陥る。という予測になるらしい。

手をこまねいているうちに、事態はどんどん悪化していき制御不能になっていく。文明の『安定』を求めるならば今スグ手を打つことだ、と本書は警告している。

■・・・けれど子供の制限も、生活レベルの制限も現実的で無いことは、中国を見れば分かることで、どうも陰々滅々たる未来像しか浮かばない。

あんまり根をつめて真面目に考え過ぎるのも疲れるものである。

このまま流れに身を任せてしまいたい、というゆるい衝動にかられるのだが。やっぱり、ダメですかね。

                         <2007.08.30 記>

■成長の限界 人類の選択
デニス・メドウズ 他(著) ダイヤモンド社 (2005年3月)
<Amazon評価>
 ★★★★ (レヴュー数 3件)

Photo
■『未来惑星ザルドス』
監督 ジョン・ブアマン 主演 ショーン・コネリー (1974年)
<Amazon評価> ★★★★ (レヴュー数 6件)
■このまま世界の格差が拡がっていく未来の姿を考えていたら、ふと、この映画のことを思い出した。巨大な石の顔面が空を飛んでいく奇妙奇天烈な映画なのだが、どこか哲学的で奥深い映画でもあるのだ。ラストの描写が心に残る印象的な作品である。監督は『エクソシスト2』で、原作者を激怒させたというウワサのある異才ジョン・ブアマン。曲者である。

 
■ Amazon.co.jp ■
■■■DVD 「売れている順番」カテゴリー別■■■
■ 日本映画 ■
■ 外国映画 ■
■ アニメーション ■

■■■書籍 「売れている順番」カテゴリー別■■■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ 小説一般 ■
■ 歴史・時代小説 ■
■ミステリ・サスペンス■
    

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月29日 (水)

■映画 『DEATH NOTE デスノート the Last name 』 出来のいいハリウッド映画を見た気分。

後編『 the Last Name 』は期待以上のデキ。原作ファンも十分味わえる作品である。

●●● 名画座 『キネマ電気羊』 ●●●
古今東西なんでもあり、気楽でささやかな名画座をめざします。
ゆっくりUPしていくつもりなので、ひとつ長~い目で見てやってください。

No.04 『DEATH NOTE デスノート the Last name』
          監督:金子修介 公開:2006年11月(前編:2006年6月)

原作では、登場人物の独白で話が展開していくところが多い。どうやってこれを映像化するのか非常に心配していたのだが、さすが金子修介監督、上手く『映画』に仕立ててくれた。特に、ラストの落としどころの「切なさ」は秀逸。レッチリの「スノー」が流れるエンディング・ロールも最高。出来のいいハリウッド映画を見た後のような気分に浸ることが出来た。

           Photo

■DVD 『DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name 』 complete set
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 135件)

■ストーリー■
<前編:「DEATH NOTE デスノート」>
 将来を期待される青年・夜神月(藤原竜也)は、ある日、奇妙な黒いノートを拾う。「そこに名前を書かれた者は死ぬ」。それは死神「リューク(声:中村獅童)」が面白半分に人間界に落とした「デスノート」だったのだ。唾棄すべき凶悪犯が法に守られ、被害者が報われることの少ない現状に不条理を感じていた夜神月は、そのノートによって凶悪犯を次々と粛清していく。
 世界的に広がったこの奇妙な変死事件に対し、数々の難事件を解決してきた謎の名探偵’L’(松山ケンイチ)が立ち上がる。’L’の作戦により犯人像は絞り込まれ、ついに夜神月に疑惑の目が向けられる。

_1st_01 _01 _l

<後編:「DEATH NOTE デスノート the Last Name」>
 凶悪犯に天罰を下す殺人者は、いつしか’キラ’と呼ばれ次第に世間から認められるようになっていく。
 キラ対策本部に潜り込むことに成功した夜神月の前に「第2のキラ」が現れる。別の死神「レム(声:池畑慎之介(ピーター))」からデスノートを手に入れたアイドル・弥海砂(戸田恵梨香)だ。弥海砂は自分の家族を惨殺した犯人を「処刑」してくれたキラを崇拝し、キラ=夜神月の為に、寿命の半分を犠牲にして相手の顔を見ただけで名前がわかる「死神の目」を手に入れる。
 ’L’はキラを特定できるのか、夜神月はその前に’L’の名前を知ることが出来るのか。夜神月の父、総一郎(鹿賀丈史)率いる捜査本部の面々や、視聴率の為ならなんでもありの「さくらTV」をも巻き込みながら、ふたりの激しい頭脳戦が繰り広げられる。
 最後に笑うのはどちらか?

_ _3 __2

■この作品の詳細を見る■
  

■以下、ネタバレあり、注意方。■

■前編、「DEATH NOTE デスノート」で、「神」として己の計画を達成するために、幼なじみの命すら生贄とし、完全に「魂」を売ってしまった夜神月。前編について否定的な意見もままあるが、夜神月に「悪」という印象をしっかりと植え付けたという意味で、十分な役割を果たしている。それ以上をこの作品に期待するのは酷であろう。

そして後編、「DEATH NOTE デスノート the Last Name」である。

■ラストは最高の落としどころだと思う。むしろ原作で望んでいた結末であった。脚本が出来上がるまでに紆余曲折があったやに聞いているけれど、金子修介監督自ら手を入れた脚本には、この作品へのファンとしてのコダワリが感じられる。

映画としてはニアとメロが登場する原作第2部は削らざるをえない。だが、このラストには原作で感動を呼んだメロの魂が宿っているのだ。

夜神月との駆け引きから、’L’は自らの命を賭けなければこの戦いに終止符を打つことは出来ないと「読み」きる。

それは、自分が殺される結果となることを十分予測しながらも、自分がニアの盾となって状況を混乱させる以外に夜神月に勝つ道はないと読みきったメロの「覚悟」と同じである。

第2部をざっくりと切り落としながら、その核心を残す。
あざやかなシナリオ捌きである。

夜神月と決着がついた後、ひとりチェスをしながら「その時」を待つ’L’。冷静な表情とは裏腹に小刻みに震える左手。その指につままれている板チョコはメロが好んでかじっていたものだ。こういう細かいところにも、原作に対する愛が感じられる。

平成ガメラ3部作で培われた 金子修介 監督お得意の「ヒロイン」役。今回、その「ヒロイン」役を演じたのは、準主役「弥海砂」の戸田恵梨香ではなく、夜神月の妹、粧裕を演じた満島ひかりであった。

原作のラストで「キラ」に祈る修道女(弥海砂?)の代りに、粧裕が兄の誕生日を祝おうとするシーンが挿入される。映画という露出の高いメディアでこの作品を語ろうとする場合、この粧裕の純真さ、穢れなさ、をメッセージとしてしっかりと刻んでおきたかったのだろう。それが映画製作者としての良心なのだと思う。

そう考えれば、映画冒頭、「さくらTVまつり」の惨劇の現場に偶然、粧裕がいたことの意味が生まれてくる。少々強引な気もするが、物語の前半で粧裕の純真さを印象付けておくための苦肉の策としては、上出来の方ではないだろうか。

■ひとつだけ、惜しいなと思うところがある。夜神月の「死」の場面である。

お前は死ぬんだよとリュークに宣告され、
もがきながら事切れる夜神月。

そして、訪れる『無』・・・。

その『無』を味わう時間が短すぎるのだ。30秒、いや10秒でいい。ここまでのドラマを「ドン!」と断ち切る圧倒的な『無』。それが欲しかった。最後の詰めのところなだけに非常に残念である。上映事故だと思われない為のルール(時間制限)でもあるのだろうか。

■役者でいえば、やはり松山ケンイチの’L’だろう。原作を読んで読んで読み倒して自分の中に’L’を育てていったに違いない。このあとも追いかけてみたい俳優だ。来年2月公開予定のスピンオフ映画『 L 』(中田秀夫監督)もクランクインしたようであるし、非常に楽しみである。

一方の藤原竜也。抑えた演技でありながら感情を表現する微妙な技を評価すべきなのだろう。だが、原作での夜神月が時折見せる『悪魔的微笑』で醸し出される薄っぺらな人物像が気に入っていただけに、あの抑えた演技は、ちょっと物足りない。けれど、映画であの表情をやってしまったらそれこそマンガになってしまうわけで・・・。本当に、こういう演技のバランスは難しいものである。

                         <2007.08.29 記>

Dvd_
■DVD 『DEATH NOTE デスノート / DEATH NOTE デスノート the Last name 』 complete set
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 135件)
■スタッフ■
■監督: 金子修介
■脚本: 大石哲也、金子修介
■原作: 大場つぐみ、小畑 健
■音楽: 川井憲次
■撮影監督: 高間賢治
■製作: 日本テレビ、他
■配給:ワーナー・ブラザーズ


■キャスト■
■夜神月 ・・・      藤原竜也
■’L’   ・・・      松山ケンイチ
■弥海砂 ・・・      戸田恵梨香
■高田清美・・・    片瀬那奈
■夜神総一郎・・・ 鹿賀丈史
■夜神粧裕・・・    満島ひかり
■松田 ・・・        青山草太
■模木 ・・・        清水 伸
■相沢 ・・・        奥田達士
■ワタリ ・・・        藤村俊二
■死神 リューク(声)・・・中村獅童
■死神 レム(声)・・・     池畑慎之介
          

1
■原作 『DEATH NOTE デスノート』 第1巻
原作・大場つぐみ 漫画・小畑健 集英社 (2004年4月)
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数208件)
■やっぱり’L’が死んだ以降の話は余計だったと思う。少年ジャンプ編集部が、「これで止めちゃもったいないですよ。’L’の遺志を継ぐものとか出して、あっ舞台をアメリカに移したりしてもいいですねー」、なんていう風に半ば強引に話を継続させたに違いない。まぁ、それなりに楽しめたのも事実なのだが。とりあえず、「●●白書」みたいに「トーナメント方式の武闘大会」にまで引きづり込まれなかっただけでも良しとするか。(苦笑)
          

Photo_2
■CD 『ステイディアム・アーケイディアム』
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ (2006年5月)
<Amazon評価> ★★★★ (レヴュー数 64件)
■映画冒頭の「ダニー・カリフォルニア - Dani California 」にのせたデスノートの説明シーンのかっこよさといい、エンディングロールでの「スノー((ヘイ・オー)) - Snow ((Hey Oh)) 」のしみじみ感と曲後半の心を揺るがすビートといい、レッチリ無くしてこの映画は完成しないくらいの影響力があったと思う。アメリカ資本が入ると、こういうゴージャスなことが出来るところが素晴らしい。

 
■金子修介 監督作品■

【特報】平成ガメラ3部作『再販』決定!(2007年10月発売予定)

■『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年7月公開)
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 20件)
■金子修介監督の平成ガメラ3部作は、3作とも素晴らしいのだが、2作目のレギオン襲来は、怪獣映画として、SF映画として、そして戦争映画として非常にレベルの高い作品だ。単品でも十分楽しめるが、出来れば「生物としての怪獣」を描ききった第1作、『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995年3月公開)を先に見た方がより楽しめる。

■ちなみに第3作の『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999年3月公開)については賛否両論あるけれども、「私はガメラを許さない!」というキャッチコピーだけでも十分素晴らしい。両親を殺したガメラを憎むが故に神(怪獣)に仕える巫女となってしまった少女に焦点をあてたこの作品が、むしろ一番「デスノート」に近い作品なのかもしれない。
      

■『ウルトラマンマックス』(05年7月~06年4月TV放映)
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 3件)
■初代ウルトラマンの頃の原点に立ち戻り一話完結形式で製作されたウルトラシリーズ(全39話+1)。メイン監督として金子修介が6作品の監督を務めている。主人公はデスノートで松田刑事を演じた青山草太、チームのマスコット的役柄で満島ひかりが出演している。(リンク先は、不朽の名作「第三番惑星の奇跡」(三池 崇史 監督)が収録されている5巻目です。)

■この時期、金子監督は「デスノート」2本の脚本、監督をやりながら、ウルトラマンマックスの監督もやりつつ、「神の左手、悪魔の右手」を撮ったわけで、どんだけパワーがあるの?という話である。
          

■『神の左手 悪魔の右手』(2006年7月公開)
<Amazon評価> ★★   (レヴュー数 7件)
■ここまで評価の低い映画も珍しい。よっぽどB級なのだろう。元は那須博之さんが監督を担当していたが、監督の急死により金子修介に引き継がれたそうで・・・。スプラッター・ホラーに興味のある方は是非。夜に一人で小便に立てなくなっても当方は一切関知致しません。ちなみに私は未見です。

 
■ Amazon.co.jp ■
■■■DVD 「売れている順番」カテゴリー別■■■
■ 日本映画 ■
■ 外国映画 ■
■ アニメーション ■

■■■書籍 「売れている順番」カテゴリー別■■■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ 小説一般 ■
■ 歴史・時代小説 ■
■ミステリ・サスペンス■
    

| | コメント (0) | トラックバック (1)

■寄り添い、見守る。『プロフェッショナル・仕事の流儀』助産師・神谷整子

今回のプロフェッショナルは、助産師・神谷整子さん。

Photo

■うちのチビ助が、おなかの中にいた頃を思い出した。

性別は教えてもらわなかったので、ポン太と呼んでいた。

神谷さんは、妊婦さんのおなかやからだを触ることで

いろいろなことが解るのだという。

たしかに産婦人科で見せてもらったエコーより、

「ポン太~」と呼びかけながら女房のおなかをなでた時のほうが、

生きてるな、という実感があった。

男にはそれ以上の実感は持てないのだけれど・・・。

 
■出産の大変さはもちろんであるが、

その後の育児がまた大変だ。

ウチの女房の場合は母乳がなかなか出ず、困っていたのだが、

近くの助産院で見てもらったら、すぐに出るようになった。

神谷さんのように、600人も赤ちゃんをとりあげてきて

さらにその後も、お母さんに寄り添って見守っていく。

その「寄り添い、見守る」、という助産師のあたたかい姿勢が、

不安で緊張した母親の気持ちを楽にさせる

という効果もあるのだろう。

頑張らなくても、だいじょうぶ。

ほっておいても子供は、意外とニコニコ笑っているもので

『うまく手を抜く』ということの大切さを、お母さんたちに

伝えたいのだと、神谷さんは語っていた。

 
■何事においても、緊張し、張り詰めた状況というのは

ままあるもので、そうしたときに

面と向かって、「指導する」のではなく、

「寄り添い、見守る」、というあたたかい姿勢を

保つことができる人間の大きさを持ちたいものである。

  
■理想のお産は?

と問われたときの神谷さんの答えにしみじみきた。

「お母さんが、本当の自分をさらけだせる。

まわりに気兼ねすることなく、

『どんな自分でもいいんだ』、と

そのままの自分を受け入れた時に 

初めて生まれる。

お母さんにとっては、そういうお産が理想でしょうね。」  

                        <2007.08.29 記>                   

 
■ Amazon.co.jp ■
■■■DVD 「売れている順番」カテゴリー別■■■
■ 日本映画 ■
■ 外国映画 ■
■ アニメーション ■

■■■書籍 「売れている順番」カテゴリー別■■■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ 小説一般 ■
■ 歴史・時代小説 ■
■ミステリ・サスペンス■

    

■茂木健一郎さんの「クオリア日記」
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2007/08/post_8a0c.html

■プロフェッショナル・仕事の流儀 公式HP
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/index.html    

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年8月28日 (火)

■新人の躾を軍隊に教わるの愚。

防衛省が、民間企業の若手社員を自衛隊に2~3年の期限付きで入隊させる「レンタル移籍制度」の創設を検討している。
<2007.08.27 14時35分 読売新聞>
YOMIURI ONLINE 社会面

こりゃ新手の徴兵制度?
いや、「希望」して入隊するというところが、さらにいやらしい。
本人が希望するんじゃなくて、「会社が希望する」ところがミソなのだが。

記事によると、企業の間で「自衛隊人気」が高まっているそうである。自衛隊は3~4日間の社員の体験入隊を受け入れている。とのことで、昨年度の陸自体験入隊は約1万5000人にも上るそうだ。

けれどたった3~4日で兵隊が作れるはずは無く、いざという時に使い物になる「兵隊」を育てるためには2~3年が必要、ということなのだろう。

予備役なんてコトバが復活したりして、
変な流行にならなきゃいいのだけど・・・。

                   <2007.08.28  記>

 
■ Amazon.co.jp ■
■■■DVD 「売れている順番」カテゴリー別■■■
■ 日本映画 ■
■ 外国映画 ■
■ アニメーション ■

■■■書籍 「売れている順番」カテゴリー別■■■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ 小説一般 ■
■ 歴史・時代小説 ■
■ミステリ・サスペンス■
    

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年8月25日 (土)

■『ハゲタカ』 再放送。組織で働くということ。

■『ハゲタカ』、地上波再放送が終了した。
何度見ても引き込まれてしまうドラマである。

心理状態を描写する見事な構図、照明のあて方
心を揺さぶる音楽、
細部にまでこだわった美術。
(持ち主の読み込み方が一目でわかる文庫版『大木流経営論』の
 「汚し」の見せ方!)

そして、もちろん説明を極力廃し、
「語らずして、語る」 脚本と
それを可能にした演出、役者の素晴らしさ・・・。

ああ、語ればキリがない。

■今回、再放送で見ていて、改めてしみじみしたのが
第3話 「終わりなき入札」だ。

100円を入れても入れても戻ってきてしまう
コーヒーの自動販売機。
その虚しい繰り返し。

「アナタは何をやっているんですか!?」
三島由香の厳しく問いかける声が蘇ってくる。

そして、芝野はサンデートイズの入札合戦に
自ら終止符を打つ。

それは同時に、銀行マンとしてのキャリアに
終止符を打つことも意味していた。

■三葉銀行の役員会議室(?)で
芝野が辞表を出すシーンでの
飯島専務(中尾 彬)のセリフがいい。
 

かっこええな、お前はいつもかっこええ。
(ふっ) だからダメなんだ。

  
最終回では、うまく大団円を迎えることになるわけだが、
その裏で飯島専務が技術流出反対の
ロビー活動をやっていたことを忘れてはいけない。

芝野のような、かっこ良さの影には
いつも汚れ役が必要なのだ。

飯島専務が会議室を出た後に
芝野の同期、広報部長の沼田(佐戸井けん太)が
別れ際に言うセリフが、また心に沁みる。
   

お前は何も見えていない。いや、見ようとしていない。
這いつくばって、罵られて、
それでも与えられた仕事をひとつひとつこなしていく。
そうやって生き続けたとき、次が見えてくる。

俺は最後まで三葉に残る。
やめないのも、勇気だよ。芝野。

   

この沼田や大空電機の塚本社長(大杉 蓮)といった
脇を固める人物について、
組織人としての愚直さを否定せず、
悩みながらも誠実に生きていく姿として描ききったところに
このドラマのしみじみとした奥深さがあるように思う。

我々ひとりひとりが芝野のように
かっこ良くなれるわけではないのだから。

                    <2007.08.25 記>

にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

                     

Dvd_box
●「ハゲタカ」DVD-BOX●
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 51件)
■何度見ても引き込まれます。

■関連記事■
■人間の再生。 NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」

■「企業とは何か」ペンタックス経営統合問題終結。

■『クライスラー売却』ハゲタカは救世主たりうるのか?

     

Photo_2 
●「ハゲタカ」原作● 
真山仁 著
■『ハゲタカ』 (講談社文庫)
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 24件)
■『ハゲタカ2』 (講談社文庫) [ 『バイアウト』改題 ]
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 11件)

Photo_4
●ハゲタカ オリジナルサウンドトラック●
<Amazon評価>★★★★☆(レヴュー数 3件)

 
■■■今、売れている書籍は?■■■
■ ビジネス ・ 経済 ・ 自己啓発 ■
■ ミステリ ・ サスペンス ■
■ ノンフィクション ■
■07年 秋 【 TVドラマ原作本 】 一覧■

【渋谷で働くドラマディレクターの日記】
-土曜ドラマ「ハゲタカ」製作現場から-

にトラックバックさせていただきます。
http://www.nhk.or.jp/hagetaka-blog/

  

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月24日 (金)

■【ひつじの本棚】『あれはだれの歌』。てのひらを太陽に。

やっと見つけた。
「てのひらを太陽に」が載っている詩集を探していたのだ。

Photo_3
■『あれはだれの歌』―やなせたかし詩とメルヘンの世界
やなせ たかし 著 瑞雲舎 (2005/12)
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 1件)

馴れ親しんだ歌だけど 
しみじみ 味わい深い歌である。

 
ぼくらは みんな生きている

生きているから かなしいんだ
  

明るい曲調とは裏腹に人生の苦さが織り込まれている。
そして その手を太陽に透かしてみることで
自分も 赤い血液が流れる
ひとつの命であることを確認する。

そこには、偉いとか 偉くないとか
大きいとか 小さいとか そういう区別はなくって
みんな均しい「いのち」なのだ という思想が流れている。

それは単なる甘い感傷などではなく、
虐げられるものの悲しみと
虐げることでしか生きていくことの出来ない苦しみ
といった逃れることの出来ない
生きる悲しみを含んだ歌なのだ。

その意味で 「てのひらを太陽に」は
やなせたかしさんの思想を代表している歌だと
いえるだろう。

その思想は、
巻末に掲載されている「チリンの鈴」で
悲しみの極みにいたる。

Photo_3
■『あれはだれの歌』―やなせたかし詩とメルヘンの世界
やなせ たかし 著 瑞雲舎 (2005/12)
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 1件)
■詩に添えられたやわらかい水彩のイラストがいい。
パントマイム4コマ漫画、MR.BOの素朴さも捨てがたい。
「チリンの鈴」は絵本版とは異なり、ディテールが描きこまれた
さらに厳しい「おはなし」となっている。

Photo_4
■『チリンのすず 』(フレーベルのえほん 27)
やなせ たかし 著 フレーベル館 (1978/01)
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 2件)
■幼児向けにしては、悲ししすぎるおはなしである。
「めえめえちゃんのママ、食べちゃダメだよね」と
こどもにいわれて何と答えていいやら固まってしまった。

                       <2007.08.24 記>

■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (1) | トラックバック (5)

■セミの一生。

夏も終わりが近づきつつあるけれど
それを知ってか知らでか、やけにセミが騒がしい。  

苦節七年、やっとお天道様を拝むことができたのに
それも二週間の期限付き。 

希望はあるけど、陽の当たらない下積みと
華やかに世に出ては見たけれど、先の見えてる悲しみと。

今は ただ鳴き続けるのみ、か。
  

07_08_22_02
■競い合うように啼く、ミンミンゼミとアブラゼミ。

                        <2007.08.24 記>

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■ヘリ空母、「ひゅうが」進水。

23日、海上自衛隊ヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」の進水式が行われた。

護衛艦と名乗っているけれども、どこからどうみても航空母艦である。平らな甲板(全通甲板)の脇に縦長の艦橋があるのを見れば子供でも『空母』だと思うだろう。非常に挑発的なスタイルである。変な言いがかりが付かなきゃいいのだが。

艦載機についてはヘリコプターのみを考慮して設計されているそうだけれども、このカタチを見たらどうしても「F-35あたりのV/STOL機を載せようと思っているんじゃないの」、とかんぐりたくなるのも人情だ。

そこのところ、どこまで懐の深い設計をしているのか。専守防衛の海上自衛隊は『戦闘機、乗せられます』なんて口が裂けても言えないのだけれども、ちょっと気になるところだ。

この艦の志としては、「アジア各地の天変地異・非常事態に即応し、救援物資を満載して東・南シナ海、インド洋を駆け巡る」というのが自衛隊らしい姿だし、未来永劫、そうあり続けて欲しいものである。

_

ヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」
■基準排水量 1万3500トン
■全長 197メートル
■最大幅 33メートル
■最大速力 30ノット以上
■艦載機 対潜哨戒ヘリ3機(+掃海・輸送ヘリ1機)
■ヘリ同時発着数 3機(+1機?)
■ヘリ最大積載数 11機
■兵装 対空ミサイルESSM、対潜ミサイル アスロック
           近距離防空システム ファランクス(20ミリ機関砲)等
■就役 2008末予定

                          <2007.08.24 記>      

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■『5回のうち4回は流せ!』 スーパーマン・シンドロームに陥らないために。

「常に天才であろうとすると、結果は無残なものになる。」

少し古い話になるが、今年の3月、オシム・ジャパンに中村俊輔が始めて合流したペルー戦で、オシム監督が俊輔について語った言葉である。

05 Photo_2

■自分が出来ることは何だろう。

どうすればチームに貢献できるだろう。

と考えたとき、「俺がやらねば!」という積極的な思いから、自分の能力以上に、完璧に、多くのことへ係わろうとする。強い責任感が、その思いをさらに強いものとする。

だが、それは「エース」と呼ばれて、また自分も「エース」であると自覚している人間が陥りがちな罠である。

■スーパーマンであろうとしても、人間は決してスーパーマンにはなりえない。

更にいえば、「エース」が引っ張ることでチームを動かすやり方では、あるところで限界が生じてしまう。「エース」自身の”その時”の能力がチームの限界を決めてしまうからである。

エースが陥りがちな、この罠のことを仮に『スーパーマン・シンドローム(症候群)』と呼ぶことにしよう。

■6/7号のNumber(Vol.679)に掲載された対談で、このオシム監督のコメントについて、「読売クラブのコーチだったジノ・サニが、ラモス瑠偉に言っていたことと同じ」。と語られている。

『5回に4回は、”流せ”』、と。

記事を読んだときに、この言葉がとてもに気になった。

それから3ヶ月、その意味がやっと腑に落ちてきたような気がする。

すべて全力で『自分がやらねば!』といきり立つのではなくて、少し気を抜いて仲間を信じて”任せる”。

自分からあえて身を引く、そして「出来ること全て」ではなく、「ここぞ!というところ」に集中する。

それが、『5回に4回は、”流せ”』の意味なのではないだろうか。

■頑張っても、頑張っても、前に進まないときがある。

中村俊輔のようなサッカー日本代表を背負って立つエースとまでいかなくとも、チームを引っ張って何かを成し遂げようとする者は、ときにそういう泥沼に嵌り込む。

そんなときに、自分が『スーパーマン・シンドローム』に陥っていないか、落ち着いて眺めてみる余裕を持ちたいものだ。

視野が狭くなっているときにそのことに気付くのは、とても難しいことではあるのだけれど・・・。

                         <2007.08.24  記>

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

*****************************************************
★オシム監督のコメントについて、
 前後の文脈が解るようにインタビューの抜粋を載せておきます。

*****************************************************

■2007/03/24 キリンチャレンジカップ■ 
<ペルー戦後 オシム監督インタビュー抜粋>

・・・私たちの側では、長い間一緒にプレーをしていない選手を加えた。すなわち、異質な選手を組み合わせたチームで、建設的なサッカーをしようとトライしたわけだ。初めて顔を合わせた選手もいれば、一部の選手は何度もボールを触りたがった。自由を認めつつも、その選手は非常に疲れていて、コンディションがよくなかった。疲れている場合、アイデアが出てこないし、ミスも繰り返す。
<中略>

しかし今日の試合は、彼にとって難しい試合だった。彼自身も何か特別のことをやろうという気負いのようなものがあった。プレッシャーが自分の中にあった。つまり、1本1本のパスすべてが、ナイスパスとなることを狙っていたのかもしれない。だが、世界中探してもそんな選手はいない。彼がやるべきは単純なプレーであり、天才ぶりを発揮する場面というのは何回かに1回だ。いつも天才であろうとすると、結果は無残なものになる。ただし、今日の中にもいいプレーはあっただろう。
<中略>

中村俊輔も、時間の経過とともに分かってきたのだと思う。1つ1つのプレーのタッチ数が少なくなってきた。つまり自分で難しいことをするよりも、簡単なプレーをした方が効果的であると、彼自身が気が付いたのだろう。まあ、違う意見もあるだろうが。
<sports navi.com>
******************************************************

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月21日 (火)

■【ひつじの本棚】オタキング・岡田斗司夫さん 激ヤセ! その秘密は『見える化』にあり?

姉さん、大変です!

オタク評論家のオタキングこと岡田斗司夫さんがえらいことに!

(古いか・・・)

_
■「いつも」の岡田さん。

Photo_4 
■今の岡田さん・・・。え?!

何か病気でもしたのかと思ったら、ダイエットの結果なのだそうだ。

なんと、1年間で50kgの減量に成功。

①何時に何を食べたか、②ある決めた時刻での体重、これを毎日ひたすら「記録し続ける」ところからスタート。

これを次第にカロリー計算へとつなげていく。

運動しない、無理しない、とにかく継続する。

名づけて「レコーディング・ダイエット」
    

「ビリーズ ブートキャンプ」の対極に位置する「頭脳的」ダイエット法のようである。

丹念に記録をつけて、日々その成果に微笑む。そこに、理屈とディテールにこだわる「オタク」らしい姿を想像してニヤリとさせられる。

たっぷりと脂肪を蓄えた腹のまわりをなでながら、こっちの方が自分にはあっているかな、とも思う。体を動かすダイエットは続かないのだよねぇ。

その前に、痩せようという意思が薄弱なのが問題なのだけれども・・・。

Photo_2
■新書 『いつまでもデブと思うなよ』
岡田斗司夫 著 新潮新書 (2007年8月)
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 7件)
[未だ読んでないので、書評を参考にしてください。]

■関連書籍■

「レコーディング・ダイエット」の話を聞いて、これは正に『見える化』だな、と思った次第。仕事のマネジメントだけでなく、自己改革にも有効ということか。

Photo
■『見える化』-強い企業をつくる「見える」仕組み
遠藤 功 著 東洋経済新報社 (2005/10/7)
<Amazon評価> ★★★☆ (レヴュー数 30件)
   
■『見える化』とは、「目で見える管理」のこと。管理者はもちろん、現場の人間自身ですら、現場で起きていることについて把握できていなかったりする。しかも厄介なことに本人たちは「解っているつもり」になっているのだ。
   

マネジメント上、そこで有効となる手段が『見える化』である。今の状況をリアルタイムにグラフなどで見えるようにして、メンバーで共有する。そうすると、全体の中で何が上手くいっていないかが見えてきて、改善の動きへとつつながっていく。
   

AMAZONの書評では、「浅い!」と辛めの点数をつける人が多いけれど、「見える化」に初めて取り組もうとする入門者には最適の本だと思います。

                                                      <2007.08.21 記>

■ココセレブ スペシャルインタビュー・岡田斗司夫さん
「好きなことだけやり続ける、それがぼくの生き方」(前編)

http://celeb.cocolog-nifty.com/interview/2007/08/post_5a6f.html
「自分を見つめなおす・・・それがレコーディング・ダイエットです」(後編)
http://celeb.cocolog-nifty.com/interview/2007/08/post_9217.html

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月20日 (月)

■ヒルトン小田原昆虫記。その2、セミの合唱。

ヒルトン小田原に泊まった翌朝、周辺の遊歩道を散策した。

杉林に入るとヒヒヒヒヒヒ、というヒグラシの大合唱に迎えられた。

そこいら中の木の幹に、小さめのセミの抜け殻が山ほどあって、もの凄い数のヒグラシがいるのだろうな、という状況である。

Photo  

ところがその姿を見つけようと目を凝らすのだけれど、なかなかその姿を捉えられない。子供の頃は、さくっと見つけていたのに・・・。大人になると目線が変わってしまうのだろうか。

杉林を抜けると梅林に入った。

セミの声もツクツクボウシとチーと鳴く別のセミのものに変わった。けれど、ツクツクボウシの姿も見つけられない。ほんの目の前で鳴いているはずなのに・・・。つくづく退化したなぁと思う。

と、やっとのことでチーと鳴くほうのセミを見つけた。

Photo_10

ニイニイゼミ。たぶん。・・・これは見つけにくい。

遊歩道は見晴らしの良い丘に抜け、雑木林へと変わっていった。

もう、何が鳴いているやらわからない。

とりあえず、定番のアブラゼミが居るのは分かった。

Photo_12

だが、耳をすましてみると

どうも、「シャワシャワ」鳴く声があちこちから聞こえてくる。

気のせいだろうか。

目を凝らしても、退化したおっさんの眼には見つけられない。

クマゼミだと思う。小学生の時に山口県の叔父さんの家の周りで鳴いていた黒くて大きくて羽が透明のヤツである。

何故、小田原にクマゼミが!!!

そういえば、大阪ではこの15年ほどでクマゼミが大増殖し、アブラゼミが駆逐されているそうである。

でも、大阪のクマゼミ増殖は、ヒートアイランド現象で地面が硬く乾燥してしまった為、大型のクマゼミに有利な環境になったということらしいから、伊豆半島の山の中と状況は違うような気がする。

これも地球温暖化の影響だろうか?

何でもかんでも温暖化のせいにするのは嫌なのだけれど、20年くらいしたら横浜あたりでも普通にクマゼミが鳴いているなんてことになるかもしれない。

大阪では電線に沿って張られた光ケーブルにクマゼミが産卵してネットがつながらなくなる事態が頻発しているという。

クマゼミが関東にたどりつく前に対策してもらわないと困るな・・・、などと無粋なことを考えてしまった自分が哀しい夏休みであった。

                          <2007.08.20 記>

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (1)

■ヒルトン小田原昆虫記。その1、懐かしい面々。

ヒルトン小田原に泊まった。

ビュッフェで旨いものを食って、さて夕涼みにでもと、ほろ酔い加減でホテルの庭に出た。

と思いがけず、チャペルの明かりに集まった懐かしい面々と再会した。

_03
■ ノコギリクワガタ
前脚のダイダイ色の点が懐かしい。

Photo_7
■ シロスジカミキリ (ちょっとピンボケ)
捕まえると「ギイギイ」音を立てた記憶があるのだけれど、今回はおとなしかった。記憶違いかな。

Photo_8
■ ナナフシ
何故、明かりに集まったのかは謎である。そもそもが不思議な虫なのだが。

こいつらと会うのは小学生の頃以来だと思う。

うれしい再会であった。

                      <2007.08.20 記>

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (1) | トラックバック (0)

■ヒルトン小田原 相模湾に昇る朝日。

夏休みということで、温泉プールガーデンで有名なヒルトン小田原に行ってまいりました。

Photo Photo_6

もともとは、雇用保険を財源として445億円を投じて建てられた厚生施設「スパウザ小田原」であったが8億5千万円で小田原市に売却され、運営はヒルトンが行うこととなった。そうである。・・・我々が払った雇用保険のうち434億5千万円が泡と消えた、ということか・・・。

まぁ、そんなこと今さらいっても始まらない。

さすが、445億円かけただけあって豪華なつくり。ヒルトンによる改修もかなりあったということだけれど、海外の豪華ホテルの気分が味わえた。

温泉プール施設もなかなかのもので、うちの3歳児もはしゃぎまわって大満足。

チョットお値段は張るけれど、たまには散財も、いいものである。

_

このホテルは高台にあるので客室からの見晴らしが良く、相模湾から昇る朝日がとても美しい。というウワサを聞いて翌朝5時に起きたのだけれど、残念ながら曇り空。

雲の切れ間からチョットだけ朝日が顔を出してくれた。晴れていれば最高だろうな、と想像しつつ。

                       <2007.08.20 記>

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■真夏の夜の恐ろしい話。都会の闇に蠢く怪生物。

・・・3年ほど前だったろうか、

それは、じめじめと蒸した夏の夜のこと。

妻と二人で東京タワー横の芝公園あたりを歩いていたら

なにやら60cmほどの長い藁(わら)が一本、

妻の足首のあたりにまとわり付いているのに気が付いた。

「藁なんて、どこで拾ってきたのかねー。」

などといいながら、その藁をつまんで取ろうとした

その瞬間、

「にゅるっ」

という感触がして、

そいつは「もぞもぞ」と私の指から逃れようと動いたのだ。

背筋が凍る。

というのを久しぶりに味わった。

私は喉もとまで出かかった悲鳴をかろうじて飲み込むと、

意を決して、そいつを妻の足首から剥ぎ取り

歩道脇の草むらへ投げ込んだ。

妻はきょとんとした顔をしている。

幸いなことに、

彼女は「あの生物」に気が付かなかったようだ。

・・・        

一体あの「生物」は何だったのだろう。

帰宅して早速パソコンを開く。

指先に残る、あの恐ろしい感触を思い出しながら

検索をかける。

ヒル。たぶん、ヒル。或いはナメクジ。

あった。こいつに間違いない。

■コウガイビル
http://www5b.biglobe.ne.jp/~hilihili/keitou/mizika/hen-nihai/oomisuzi-atama01.html

生き物については詳しいほうだと思っていたのだが、

こいつは、まったく初めて知る存在であった。

まさか都会の真ん中で

未知の生物に襲われるとは思いにもよらなかった。

まだまだ我々人類英知の及ばない世界も

残されているのだ。(苦笑)

                         <2007.08.20 記>

【追記】こいつの常食はミミズで、人の血をすすったりはしないそうです。
     ご安心ください。

Photo
■『へんないきもの』
早川いくを 著 バジリコ (2004/07)
<Amazon評価> ★★★★ (レヴュー数 81件)
■後で買ったこの本にも「コウガイビル」は載ってました。
「学術」から程遠い、興味本位の「ゆるい解説」が楽しい本です。
特に巻末の「ツチノコ」考が振るってます。
そういえば、DeNAの南場智子さんの推薦本に
この本があがっていたことがありました。
南場さん、やっぱり変わってますね。

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

■大石英司さんの「代替空港」にT/Bします。
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2007/08/post_acbb.html

    

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月17日 (金)

■NHK「日本の、これから」 『考えてみませんか?憲法9条』 ここが歴史の分水嶺?

日本国憲法 9条
1項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

Photo_3

■憲法9条改憲について、どうも安直に考えていたようだ。

「9条は自衛隊と不整合となっている2項を改訂して、その役割を国土防衛と国連指揮下でのPKOに限るとし、集団的自衛権は、改訂2項の範囲内で定めればいいんじゃないか。」

くらいに捉えていたのだが、この番組の議論を通じて、簡単に「改憲」を語ることの浅はかさに気付かされた。

『今、なぜ憲法9条改正論議が起きているか』について、深く考えていなかったのだ。

■火のないところに煙はたたない。

いつのまにか海外派遣の先遣隊機能を持つ中央即応集団なる部隊が結成され、近い将来キャンプ座間に移る米陸軍第一軍団司令部と合流することになっている。

アメリカが推し進めるグローバリゼーション(世界の画一化)に対する反発としてのイラク、アフガン、イラン、国際テロ活動。

それに対抗する米軍再編と、否応なくそこに組み込まれていく自衛隊。

その文脈から憲法9条改正と集団的自衛権の論議を眺めると、日本国民のあずかり知らぬところで、自衛隊を反米勢力との戦いに引きずりこもうとする米国の思惑に沿って物事が進んでいるように思えてくる。

その流れを踏まえずして現実的な議論はあり得ない。

Photo_2

■それならばと、小林よしのり氏のように「脱アメリカ、国軍の充実」などと一足飛びに出来るほど世の中は単純ではない。

「グローバライゼーション」を推し進める原動力がアメリカの経済界ならば、そこに便乗して権益確保を狙う日本企業も同じ穴のムジナなのである。

そして、「それは、けしからん!」と冷房の効いた快適な部屋でスイカのタネを撒き散らしながら「正義」を振りかざす時、我々はただの道化師と化してしまう。その生活の豊かさを支えているのは未発達地域への経済拡大、つまり「グローバライゼーション」そのものだからだ。

「天ツバ」とは、まさにこのことをいうのだろう。

■だが今回だけは、「我れ、関せず」と世の流れに身を任せるわけにもいくまい。

改憲、改憲と盛り上げておきながら、実は「改憲」論議はタダの当て馬だったりするかもしれない。その影でこっそり、「集団的自衛権」が合憲という新解釈をされてしまい、いつの間にやら自衛隊が米軍と一緒に中東の前線でドンパチやっているなんてことにもなりかねない。

あとで振り返れば、あの時が日本が平和国家であることを捨てた分水嶺であったと記述されることになるかもしれないのだ。

■けれど、「『集団的自衛権』をどうにか行使できるようにしたい」という思惑をもった政治的動きは、逆に「日本国憲法の理想主義」についてしっかりと見つめなおすチャンスを我々に与えてくれているのかもしれない。

日本国憲法の生まれは確かに「押し付け憲法」なのかも知れないが、そこに埋め込まれた実験的な「理想主義」は、生みの親である占領国(アメリカ)の意図に反して成長し、我々のこころにしっかりと根付いている。

だからこそ、我々は「日本国憲法の理想主義」に対してもっと誇りを持って良いのだと思うし、それは今の日本が取り付かれている「経済至上主義」に取って代わる、有力な『理念』なのだと思う。

今、各紛争地域に展開し、命を張って苦労されている自衛官の方々が「何のために体を張っているか」と疑問を抱くようなことがあってはならない。

日本がどういう国でありたいかを決めるのは、他ならぬ我々自身なのだ。しっかりと考えていきたいと思う。

C130

日本国憲法 前文<抜粋>
<前略>日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
<中略>
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。(1946年11月3日公布)

■伊藤真の憲法入門―講義再現版
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 12件)

                        <2007.08.16 記>

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年8月16日 (木)

■【ひつじの本棚】『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』。おじさんは怒っているのだ!

『事実』とは多面的なものである。

世の中が、ひとつの意見にまとまって動き出すような時には、特に注意が必要だ。

そういうことを考えさせられる本である。

Photo_4
■『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』
武田邦彦 著 洋泉社ペーパーバックス (2007/03)
<Amazon評価> ★★★★ (レヴュー数 78件)

■本の装丁は多少インチキくさいが(笑)、中身は非常にまともである。

タイトルからして勘違いしそうだけれど、決して『環境問題』反対論の本ではない。『環境問題』の周辺に渦巻く利権や不誠実さについて我々が知らない『事実』を怒りをもって訴えかけている本なのである。

■例えば、『資源リサイクル』の代表格であるペットボトル。

その消費量のうち分別回収されるのは約半分。そして実際に資源として再利用されるのは『回収』されたペットボトルの10%に過ぎず、残りの90%は捨てられているという。

さらにプラスチック容器の分別コストは自治体に200億円/年の負担増やし、小売業者がリサイクル協会に支払う費用は500億円/年にのぼる。

我々がごみを分別した結果が、ほとんど再利用されず、さらに毎年700億円もの無駄な負担を増やしているという現実。

リサイクルは新しい利権構造を生み出しただけなのだと、著者の武田教授は断罪する。

■また武田教授は、ニュースのセンセーショナルな側面をことさら切り出して報道するマスコミに対しても怒りの鉄槌を振り下ろす。

かつて世間を震撼させた「ダイオキシン」や「環境ホルモン」。テレビのニュース番組は危険性を煽るだけ煽っておいて、科学的に人体に影響がないと分かったところで大きく訂正することはない。実際に風評被害などで被害にあった人がいても、その傷みに対して省みようとしない、その姿勢。

地球温暖化についても、科学的事実をろくに調べもせずに不安を煽るような報道を繰り返す、そのいいかげんさ。

その『不誠実』に対して怒りを爆発させているのだ。

■武田教授は真面目すぎる人である。

真面目すぎるが故に世の中の『いい加減さ』が許せず正論を吐く。けれど、まわりからは煙たがられる。そういうオジサンがたまに居るけれど、武田教授も、その手の方のようだ。

けれど、そういう正義感をもったオジサンが居なければ世の中は面白くない。その説が「正しい」とか「間違っている」とか、そういう問題ではなく、イロイロな視点からの「異論」が飛び交うこと自体が世の中を面白くし、かつ民主主義として大切なのだと思う。

実際、私自身、この本に書かれていることにそのまま同意するわけではない。けれど新しい別の視点を与えてくれたことを評価するのである。

■「群盲、象を評す」。というけれど、『事実』にはいろいろな側面があり、多面的な情報があってはじめて全体像の理解にいたる。

大本営発表の情報だけでは、決してものごとの『全体像』をつかむことは出来ないのだ。

そういう意味で、武田教授のような「正義の人」が専門的見地から声をあげるというのは民主主義社会として非常に健全なことだ。

その役目は『社会の木鐸』たる報道機関が本来果たすべきなのだが、如何せん世の中のシステムが巨大で複雑になりすぎていて、なかなか追いつかないのが実態なのだろう。

だからこそ、各分野のプロフェッショナルが勇気をもって声を上げることが求められているのだ。

Photo_4
■『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』
武田邦彦 著 洋泉社ペーパーバックス (2007/03)
<Amazon評価> ★★★★ (レヴュー数 78件)

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月15日 (水)

■夕景。

夕方、ふと外に目をやると雲が藤色に染まっていた。

Photo_2

太陽の沈み方と太陽にかかる雲の具合で

色合いが強弱を伴いながらすこしづつ変わっていく。

   

しばらく、 

それを眺めていた。

Photo_3

                       <2007.08.15 記>

  
■■■ 空の写真 ■■■  
↑カテゴリー・【空の写真】へのリンクです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月12日 (日)

■【ひつじの本棚】『図録 王立科学博物館』 しばし現実から逃避する愉悦。

食玩なるものが世に出てどれくらい経つだろうか。

雑誌『宇宙船』やら『ホビージャパン』の後ろのほうの白黒ページに載っていた海洋堂のガレージキットを物欲しげに眺めていた時代を思い出す。到底、中高生に手が出るような値段ではなかった。

『王立科学博物館』のフィギュアを改めて眺めるにつけ、本当にいい時代になったな、と思う。
(記事を書こう書こうと思っている間に、3ヶ月くらい経ってしまった・・・。←イイワケ、イラネ!)

Photo
■ 図録「王立科学博物館」
岡田斗司夫 総監督 三才ムック (2007.04)
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 4件)

言わずもがなだが、『王立科学博物館』は、2003年から2004年にかけてTAKARAからリリースされた宇宙関連の食玩シリーズである。海洋堂の手による採算度外視とも思える精密なフィギュアと16ページにも及ぶ「過剰な」解説本が『男子』の心を揺さぶった。

ところが、フィギュアは落ち着くべきところに飾られてあるのだが、押入れの箱の中にしまった「解説本」たちがどうも気になるのだ。本来であれば本棚の「世界の傑作機」シリーズのとなりにでも並んでいるべき内容のものだからである。

そういう気持ちが通じたか、今回、その「解説本」たちを一冊にまとめたカタチで本書が刊行されたというわけだ。まさに、「かゆいところに手が届く」とはこのことだ。

大きな図版で23件の記事をまとめて眺める味わいは、また格別だ。やっと落ち着くところに落ち着いたなという感慨にひたりつつ、「発射台の総統 ギュンター・ヴェント」の記事やらモリナガ・ヨウさんの楽しいコメント入りイラストを眺め、しばし時間を忘れるのであった。

しかし、この本には抜けがある。この本自体に付属するフィギュア「ケープ・カナベラル、ふたたび(スペースシャトル)」の解説本が織り込まれてないのだ。「えー、小さい本とダブってもいいから入れてよー。」というのが正直なところ。

とはいえ、今回のフィギュアはまた恐ろしく出来が良い。しかも赤色LEDで発射のイメージまで出来るという芸の細かさ。海洋堂と岡田斗司夫のコダワリの深さには頭が下がる。

なんだか、この続きを期待したくもあり、そろそろ許して!という気持ちもあり、ファンの気持ちは複雑だ。

Aa01 Bb02
■『ケープ・カナベラル、ふたたび』 スペースシャトル& MLP on Crawler
「図録 王立科学博物館」付録(2007年4月)

■さて、「お気に入り」を並べて、しばし逃避を愉しもうか。

03_4 
■『スプートニク・ショック』 地球儀&スプートニク衛星
第一展示場「月とその彼方」より(2003年8月)

011_6 
■『聖夜』 月の暗黒面から出るアポロ8号
第二展示場「白のパイオニア」より(2004年7月)

A02_2 Bb02_3
■『鷲は舞い降りた』 アポロ11号
モノマガジンvol.479 8-16/9-2合併号付録(2003年8月)

03_6
■『人類、月に立つ』 月面に立つ宇宙飛行士
第一展示場「月とその彼方」より(2003年8月)

02 _01_2
■(左)『ロケットの夏』 離床するサターンⅤ型ロケット
第一展示場「月とその彼方」より(2003年8月)

■(右)『遠雷』 ソユーズロケットの発射
第二展示場「白のパイオニア」より(2004年7月)

03_7
■『久遠』 ボイジャー深宇宙探査機
第二展示場「黒のフロンティア」より(2004年7月)
 

                         <2007.08.12 記>

■ 図録「王立科学博物館」
岡田斗司夫 総監督 三才ムック (2007.04)
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 4件)
アマゾンの在庫はもう無いようだけれども、本屋さんにひょっこり置いてあったりします。

  
■関連DVD■

■『FROM THE EARTH TO THE MOON』
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 10件)

■『ライトスタッフ』 スペシャル・エディション
<Amazon評価> ★★★★★(レヴュー数 15件)
【再販】ライトスタッフ スペシャル・エディション
↑再販廉価版は、こちら。

■『アポロ13』 10th アニバーサリー スペシャル・エディション
<Amazon評価> ★★★★☆(レヴュー数 3件)

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■くるくるまわる、ひまわりの花~♪

Up_070808_2

■夏ですねぇー。

                    <2007.08.11 記>

ひまわり《デジタルリマスター版》
監督 ヴィットリオ・デ・シーカ 1970年作品
主演 ソフィア・ローレン
音楽 ヘンリー・マンシーニ
<Amazon評価 
 ★★★★★レヴュー数 22件)>

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■【ひつじの本棚】『「法華経」を読む』を読む。偉大なる予告編。

知人と「使命」がどうたらという話をしていたら、法華経を薦められた。般若心経なら多少馴染みもあるのだけれど、法華経となると食わず嫌いでさっぱりわからず、とりあえず古くから読み継がれているらしい、この本を手にとってみた。

Photo
■新書 『「法華経」を読む』
紀野一義 著 講談社現代新書 (1982/01) 
<Amazon評価 ★★★★ (レヴュー数 1件)>

■「仏教」自体がよく分かっていなかったのだけれど、この本の前半部分でなんとなくの概要はつかめた気がする。

釈尊が入滅して400年。紀元0年あたりで、在家の信者の集団の中から般若経やら法華経が生まれてきたらしい。それらを中国に伝え、流れるような漢訳を行ったのが羅什(らじゅう)という中央アジアのお坊さん。紀元400年頃の話だから、三蔵法師の250年ほど前になる。

100年単位で出来事を語るインド、中国の歴史の奥深さをしみじみ感じ入る。

■さて、歴史がわかったところで本論に入るわけだが、「法華経」自体についてはあまり詳しい解説はない。タイトルの通り「読む」に主眼が置かれ、著者の体験や宮沢賢治の作品などを織り交ぜながら法華経の世界観が語られる。

まぁ、よく考えれば200ページそこそこの新書本で「法華経」を理解しようというのが、そもそも甘い考えであったのだ。

けれど、胸をつく、いくつもの言葉に出会えたのも事実で、世の人に「法華経」の素晴らしさを説く、という著者の紀野さんの使命は確かに果たされているということか。

■使命感

「人生から何かを得られる」という考え方ではなく、
『人生が(世の中が)、私に何を期待しているか』
ということを考える。その発想の転換が、生き生きとした人生をつくる活力となる。

まず、人を助けたい。
まず、人を幸せにしたい、という願い。
その為に「生かされている」と感じること。

そこに使命感が生まれる。

■すさまじき絶対肯定

現実を肯定し、肯定し、絶対肯定する生き方。

それは怨念を捨て、無条件で相手を許すすさまじさであり、殺されたって人を信じ通す人生観を捨てないすさまじさなのだ。

そのすさまじさは、いつも微笑みを浮かべ一見気楽そうに見えるだけに、より一層凄みを増すのである。

■一元論

人が花を見る。だが花は人を見ない。
それでは人は「花を見た」ことにならない。
花と私が一体であると感じるとき、「花は人を見る」。

「わたし」と「あなた」が出会うのではなく、
あなたの中にわたしと出会う、という感覚。

我(アートマン:自我)と梵(ブラフマン:宇宙)が
同じであるとする「梵我一如」の考え方。

■よい話として胸に残るのだけれども、どうにも難しすぎて、こころにストンと落ちて来ない。ここから先は法華経の本編を読まないと、どうにもならない気がする。本編を読んだところで、すぐに会得できるはずもないけれど、挑戦してみようという気にはさせられた。

そういう意味では、やはり著者の術中にまんまとハマッた、ということなのだろう。

Photo
■新書 『「法華経」を読む』
紀野一義 著 講談社現代新書 (1982/01) 
<Amazon評価 ★★★★ (レヴュー数 1件)>

Photo_2
■『図説 法華経大全』―「妙法蓮華経全二十八品」
現代語訳総解説 (エソテリカ・セレクション)

大角 修 (翻訳) 学習研究社 (2001/03)
<Amazon評価 ★★★★★(レヴュー数 3件)>
■さて、次は本番!これから読む予定です。

   
■ 常懐悲感 心遂醒悟
  常に悲感をいだいて、心ついに覚醒す。

積極的でダイナミックな法華経にまつわるお話の中で
この言葉だけが、いやにリアルなのである。
悲しみは、大切に胸の奥にしまっておくものだよ・・・。
亡き人を偲ぶこの季節。沁みる言葉です。

                      <2007.08.11 記>

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月10日 (金)

■ とのさまガエル。げろげろげーろ、あとはまかせた!

みんなのうた 『とのさまガエル』

Photo_3

いや、とくに理由はないのだけれど、

急に、この脱力感にひたりたくなっただけです。

■みんなのうた 『とのさまガエル』 <youtube>音声に注意!
http://www.youtube.com/watch?v=_gn_7XhJdyY

名作だなぁ・・。

                    <2007.08.10 記>

■とのさまガエル(DVD+CD)
歌:2Who’z 語り:石坂浩二 画:しりあがり寿 (2004年4、5月放映)
<Amazon評価  ★★★★ レヴュー数 4件)>

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■新型 マツダ6/アテンザ そのデザインに葛藤はあったか?

新型マツダ6/アテンザが、

9月のフランクフルトでデビューする。

2007_6_

フロントヴューのみの公開だけれど、いかにもスポーティ。

ボンネットの両端を持ち上げてAピラーへ流れるライン。

フェンダーを低く、段付きにすることで

歩行者保護の対象エリアから外す手法。

歩行者保護の頭部打撃要件を満たしながら

スポーティーなデザインを演出する、

これがひとつのデザイントレンドになりそうだ。

07_2
■よく見りゃデミオも同じやりかた。 

でも、この設計思想って

歩行者を撥ねた時にボンネットで受け止めるエリアを減らして

フェンダーですべって直接地面に頭が当たる確率を増やしている

ような気がするのだが・・・。

マツダのデザイナーにそういう葛藤はあったのだろうか?

悩ましい問題ではあるけれど・・・。

                     <2007.08.10 記>

   

■Motor Fan illustrated VOL.9―図解・自動車のテクノロジー (9)
特集:ITS/プロダクション・デザイン/図解ランボルギーニ カウンタック 
■「カーデザイン」を敢えて「プロダクション・デザイン」と呼ぶコダワリ。
デザインの特集は、なかなか深く掘り下げられていて楽しめた。

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2007年8月 8日 (水)

■朝焼けと雲の水面(みなも)。

Photo_2 

久しぶりに早く起きたら

日の出を拝むことが出来た。

上空の雲が水面のように ゆらゆらと輝いている。

                         <2007.08.09 記>

  
■■■ 空の写真 ■■■  
↑カテゴリー・【空の写真】へのリンクです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 7日 (火)

■【ひつじの本棚】『われら以外の人類』 ヒトの進化を俯瞰する。

■1980年代前半、私が中学生の頃には、北京原人から現生人類の間をつなぐ化石が見つかっておらず、その「ミッシングリンク」をめぐる論争が、一部冒険活劇的ドラマを含みながら語られていたように記憶している。

どうやら私に断りも無く、「人類史」は随分と進んでしまったようである。

Photo
『われら以外の人類 猿人からネアンデルタール人まで』
内村直之 朝日新聞社 2005年9月
<Amazon評価  ★★★★ レヴュー数 5件)>

■プロローグが衝撃的だ。

我々日本人(の一部?)が縄文時代を生きていた頃に、その南方には人類と異なる小人族が住んでいたというのだから驚きである。(2003年にインドネシアで発見されたホモ・フローレンシス、身長1メートル 3万8000年前~1万4000年前)

ここ10年の間にいろいろな発見があって、人類史が大きく塗り替えられている。ホモ・フローレンシスの発見は、その象徴的な『事件』である。

■本書は、そういった最新の発見と研究結果を俯瞰し、700万年前に類人猿から人類が分化して以降の複雑で興味深い『人類の歴史』を語ってくれる。

未だ諸説いろいろあるようだけれど、この本は基本的には、分子進化学に基づいた『アウト・オブ・アフリカ説』の考え方に沿っている。

ホモ・エレクトス(北京原人、ジャワ原人)は、160万年ほど前に狩りの獲物をもとめてアフリカを出たホモ・エルガスターの末裔であり、30万年ほど前に絶滅。先の小人族、ホモ・フローレンシスもこの末裔と思われる。

50万年前、地中海を渡ってヨーロッパに広がったホモ・ハイデルベルゲンシス(ハイデルベルグ人)は、15万年前頃にホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)に進化した。が、3万年前頃に消えるように居なくなってしまった。

一方、20万年前頃にアフリカで誕生したホモ・サピエンス(我々)は、10万年ほど前にアフリカを出た。一部、中東でネアンデルタール人と共存していた時期もあったが、さらに広く世界へ進出していった。

■つまり、かつて人類の祖先として教えられた北京原人やネアンデルタール人は、我々とは血がつながっていなかったのだ。

1987年に、現代人147人の胎盤からミトコンドリアのDNAを調べて系図を紐解いていくと約20万年前の一人のアフリカ人女性にたどりつくという『ミトコンドリア・イヴ』の研究もこれを裏付けている。

■さらに面白いことに、アフリカの同じ山の2頭のゴリラと、違う大陸の2人の現代人のミトコンドリアDNAを比べると、同じ山の2頭のゴリラより違う大陸の2人の現代人のほうが遥かに似ているのだそうだ(1994 ハーバード大 M・ルボロ)

それは我々人類が、アフリカで生まれ、世界に広がる途中で一時絶滅の危機に瀕して少人数まで絞り込まれたことによるものだと分かってきている。それを『ボトルネック効果(ビンの首効果)』と呼ぶそうである。

現在の遺伝子研究によると、10万人~4万人程度であったヒトの集団が、1万人程度まで減少する事態が起きたようである。実に90~75%が死に絶えた、ということだ。

我々人類は、アフリカ人、ヨーロッパ人、日本人と、随分違うように見えるけれども遺伝子レベルでは極めて純粋で多様性が無い、というのが面白い。

■さて、これからの人類はどうなるか。

Photo_2

1600年に5億人だった人口が、
1800年に10億人(100年で2倍)
1925年に20億人( 75年で2倍)
1975年に40億人( 50年で2倍)
2000年に60億人( 25年で1.5倍)

遺伝子の多様性のなさを補うように、「文化」という柔軟度の高い適応手段を得て、人類は加速度的に「増殖」した。

けれども、北京原人が30万年前に滅んだように、ネアンデルタール人が3万年前に消え去ったように、数十万年のタイムスパンの中では我々ホモ・サピエンスも、いつかは消え去る運命にあるのだろう。

その消滅は、どういう形で現れてくるのだろうか?

「進化」か、「新しい文明」か、判らないけれども、今と違う形で後継者に受け継がれていくのだろうか。

それとも、老人が記憶を失っていくように、数万年の年月をかけてゆっくりと減衰していくのだろうか?

或いは、小松左京が『復活の日』で描いたような、ウイルス感染で一挙に人口が激減するという唐突なカタチで現れるのだろうか・・・。 

人類が歩んだ数百万年という長い時間(タイムスパン)で考えたとき、ふと、そんな空想に耽りたくなる。われわれホモ・サピエンスが特別だという理由など、どこにも無いのだから。

果たして700万年後の世界で、我々はどのように『歴史』として記述されているのだろうか。
   

Photo
■『われら以外の人類 猿人からネアンデルタール人まで』
内村直之 朝日新聞社 2005年9月
<Amazon評価 
 ★★★★ レヴュー数 5件)>

  
■参考図書■
     

__2
■文庫 『復活の日』
小松左京 角川春樹事務所 (1998/01<初1964年>)
<Amazon評価  ★★★★☆レヴュー数 11件)>
■細菌兵器が事故により流出。爆発的な勢いで世界各地を襲い始めたウイルスの前に人類はなすすべも無く滅亡する。南極に一万人足らずの人類を残して・・・。
ウイルスの感染によって日常が崩壊し人類が次第に滅んでいくシーンのリアルさに慄然とする。神々しさすら感じるラストシーンもまた涙ものである。

■DVD 『復活の日』
角川映画 1980年作品
監督 深作欣二
主演 草刈正雄 オリビア・ハッセー
<Amazon評価  ★★★★☆レヴュー数 31件)>
■この頃の角川映画は大掛かりでしたねー。

Photo_2
■『成長の限界 人類の選択』
ダイヤモンド社 2005年
<Amazon評価  ★★★★ (レヴュー数 3件)>

                          <2007.08.07 記> 

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 6日 (月)

■岸田劉生と麗子像。

梅雨明けの週末に東京国立近代美術館に行った。

P8030234

お目当ては別にあったのだが、思いがけず岸田劉生を勉強することになった。

岸田劉生といえば、教科書に載っていた恐ろしげな「麗子像」しか知らなかったので、新鮮な驚きを得ることが出来た。

___41915
■岸田劉生 『道路と土手と塀(切通之写生)』 大正4年(1915年)

この迫力に圧倒された。   

坂道が持つ質量がドカンと存在する。

左手の白い石組み、右奥の土盛り、坂の上に広がる空、

全てがこれ以上ないと思われるバランスで

それぞれが存在を主張している。

坂道を横切る影は電信棒のものだろうか、

この2本の影は、絵に奥行きを持たせているだけでなく

正午過ぎのじりじりと照りつける太陽や、土のにおい、

といった「現実感」を産み出している。

その場面に気持ちが吸い込まれていくようだ。

しばし見とれてしまった一枚である。 
  
  

___7_1918_2
■岸田劉生 麗子肖像(麗子五歳之像) 大正7年(1918年)

数えで5つだから、麗子が3歳か4歳のころの肖像である。

上の「道路と土手と塀」を見た上で麗子像をみると、

そこに感じる一種の「怖さ」は、

岸田劉生のリアルすぎる画風に由来するものだと気付く。

   
特別展示されていた写真に写った麗子ちゃんは

お母さん似で、子供らしい可愛らしさに

あふれたものであった。

また、岸田劉生から麗子に宛てた絵手紙や

麗子から父に宛てたハガキも展示されていて

それらを眺めると、

そこには、いつの時代も変わらない、

父と娘のあたたかい情感が感じられてくる。

モデルをやってる時に、お父様のためにと

足が痛いのを我慢するという文面もあって、いじらしい。

  
同じく娘を持つ親の身として、

お父さん、ちょっとは可愛らしく描いてあげなよ、と

突っ込みをいれたくなってしまった。

__1914
■岸田劉生 自画像 大正3年(1914年)

                                      <2007.08.06 記>

■Amazon.co.jp■へのリンク

_
■ 岸田劉生 内なる美―在るということの神秘 (Art & words)
画と文:岸田劉生 二玄社 (1997/07)

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■北脇昇と出会う。東京国立近代美術館。

靉光(あいみつ)を直に見たいと思い立って、東京国立近代美術館に行ったのだが、残念ながら靉光(あいみつ)の作品は展示されていなかった。

その代わりに、北脇昇の『独活(うど)』という異様な作品に出会った。

__1937_12
北脇昇 『独活(うど)』 昭和12年 1937年

切り株の傍らに2本の独活が立っている。

それは立ち話をする二人の男にも見える。右手奥の壁に映る二人の影法師が、せわしない身振り手振りで会話を楽しんでいる。

だが、奥の男には首は無く、生々しい赤い絵の具が載せられている。或いは、足元に注目するならば、奥の男は逆立ちをしているのかもしれない。これで「会話」は成立するのだろうか?

日常の生活が実体の無い「影」として描かれ、実際には「会話」が成立していない可笑しさを暗喩しているようにも見える。その「伝わらない」苦悩の表情が手前の切り株に浮かんでいる。

「意味」というものを見つめてしまったが故に、「意味」自体が崩壊していく。それでいて「正気」を保っている、その悲劇が描かれた作品なのかもしれない。
  

24_1949
北脇昇 『クォ・ヴァディス』 昭和24年 1949年

「クォ・ヴァディス(Domine,)quo vadis?」とは、ラテン語で「(主よ)いずこへ行き給うぞ」の意味。死に赴くキリストに対する聖ペテロの質問なのだそうだ。

敗戦によって、現実として全ての「意味」が崩壊してしまった空白。

その遠景、右手には嵐が、左手には労働運動のデモ隊が、現実感の無い風景として描かれる。  

そのどちらかに歩を踏み出そうとしている男の傍らにはカタツムリの殻が現実感を持って存在する。この置き去りにされる殻は、敗戦という「超現実」を突きつけられて、その存在価値を失ってしまったシュルレアリスムとの決別を意味しているのかもしれない。

この絵を、戦後の再出発を描いた楽観的寓意ととる意見もあるが、右手左手いずれの道もリアリティを失ったこの旅立ちに力強い意思は感じられず、むしろ虚無を感じるのは私だけであろうか。

                        <2007.08.06 記>

■文庫 『シュルレアリスムとは何か』
巌谷 国士 著  ちくま学芸文庫 (2002/03)
<Amazon評価 ★★★★★(レヴュー数 7件)> 

■『魔術的芸術』
アンドレ・ブルトン 著  河出書房新社; 普及版 1997年刊
<Amazon評価 ★★★★☆(レヴュー数 3件)>
■アンドレ・ブルトンの晩年の大事業であり、20世紀最大の「幻の書物」の完訳。古今のあらゆる芸術を踏査し、「魔術的」という視野からシュルレアリスムの理念に照らし、美術史そのものを書きかえる。97年刊の普及版。(解説より)

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 5日 (日)

■アンリ・ミショー展。イメージが運動する。

特別な意図を持たずに描いてごらん

機械的に描きなぐってごらん

紙の上には ほとんどいつも

いくつかの顔が現れる

         ― アンリ・ミショー 1963

Ds___1961
墨 1961年頃

Ds1956_58_
≪メスカリン素描≫インク・カラーインク 1956-58年
この、恐ろしいほどの線の密度!!
 

■ アンリ・ミショーひとのかたち
東京国立近代美術館・編纂 平凡社 (2007/07)

                         <2007.08.05 記>

■ Amazon.co.jp ■   
■■■書籍 「今、売れている順番」カテゴリー別■■■
■ 小説一般 ■
■ 歴史・時代小説 ■
■ミステリ・サスペンス■
■書籍 売上上昇率ランキング■
 
■■■DVD 「今、売れている順番」カテゴリー別■■■
■ 日本映画 ■
■ 外国映画 ■
■ アニメーション ■
■DVD売上上昇率ランキング■

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 3日 (金)

■【ひつじの本棚】『不都合な真実』 アル・ゴア<地球温暖化>CO2削減が「目的化」することを憂う。

アル・ゴア アメリカ元副大統領の地球温暖化現象に対する強い使命感が良くわかる。
そして本の途中に散りばめられたゴアさんの家族への想いは、その使命感の純粋さを補強している。
 
だが、この本を評価するのは、なかなか難しい。
事実と仮説が入り乱れているからだ。

「本質的な問題は何か」、それがキーポイントである。
(少し長い記事になりますので、手早く中身を知りたい方は下の青いテキストリンクをクリックしてアマゾンの書評をご覧ください。)
 
___2

■ 不都合な真実
アメリカ元副大統領 アル・ゴア著 
ランダムハウス講談社 (2007年1月)
<Amazon評価  ★★★★☆(レヴュー数 72件)>

■この本の主張の根源には「文明と生態系の衝突」というテーマがあって、自然の循環が根本的に変わりつつある、という危機的状況を強く訴えかけてくる。

単純に未来予測を語っている本ではない。今、まさに起こっていることについて語っているのである。そこにこの本の価値がある。

■我々も、もう肌で感じているはずだ。冬が昔ほど寒くない。子供の頃に遊んだ池に氷が張ることはなくなり、霜柱をシャリシャリ踏むこともなくなっている。

雨の降り方も変わってきた。しとしと降る長い雨は影をひそめ、ドカンと降る豪雨が増えてきた。台風も960hPaくらいが普通だったが、最近は945hPaなんてのも上陸してくるようになった。

■この本は、そういった感覚的なものを現実としてビジュアルに突きつける。
・各地、高山の雪の激減、氷河の急速な後退。
・北米における夏季の最高気温の記録更新と
 大規模なハリケーン。
・北半球での大規模洪水の増加。
・一方アフリカ赤道地帯での旱魃と
 世界で6番目に大きかったチャド湖の消失。

Photo_4 Photo_5

一体、地球に何が起きているのだろうか。

■本書は、ここで短絡的に「人間が排出するCO2」に話が飛ぶから議論がややこしくなる。

少し視点を変えて、今起きている現象について考えてみよう。

■まず、砂時計を想像してみる。上から落ちてくる砂は砂時計の底に円錐型の山をかたちづくる。その頂点に少しづつ砂が落ちてくる。そして、とある瞬間、円錐型の山肌が崩れ、小さな雪崩が発生する。

「どの砂粒」で雪崩が発生するかを正確に予測することは不可能である。上から落ちてくる「ひとつの砂粒」と砂山の微妙な位置関係など、いろいろな要素がそこに介在しているからだ。

だが、一旦砂山の頂点での砂のバランスが崩れると、雪崩として山は崩れ、次の安定した砂山の形になるまで、その雪崩は収まらない。

■今の地球の気候は、その砂時計の山のように不安定な状態にあるのではないだろうか。

もっと具体的に言えば、地球大気の循環、海流の循環が不安定な状態に陥っているのではないかということである。

赤道付近で温めたれた空気は気流の流れで高緯度地方に熱を伝える。海流もまた然り。そうして地球全体に暖かさを安定的に供給するシステムがあり、その結果として我々は、それぞれの国の気候にあわせて安定した暮らしを送っている。

だが、先に述べたとおり、世界各地の気象は現在、異常な振る舞いを見せ始めている。

■本書にあるとおり、北極やグリーンランドの氷が融け始めている。そうすると、グリーンランド南部に真水が流れ込み、海水の塩分濃度が薄まって比重が軽くなり、海流が深層に沈み込む循環ポンプとしての能力が低下する。つまり世界を流れる海流を動かす力が弱まってしまうのだ。

それによって、たとえば南欧などの暖流によって暖められてきた地域は、皮肉なことに寒冷化する可能性もある。ということだ。

始まりは小さな水溜りだったのかもしれない。だが、融けた水が氷層に割れ目をつくり、そこに水が流れ込む。そうして加速度的に氷が融け出すモードがあることが分かってきた。そのモードに入って氷が分断されれば、さらに氷は融けやすくなっていく。(自己強化型フィードバック)

__3
    
北極やグリーンランドの氷の上の水溜り。
それが砂時計の山を突き崩す「ひとつの砂粒」である。

雪崩(気流、海流の変動)はもう始まっていると考えた方が良いのかもしれない。

その雪崩が収まるまで、人類は異常気象に悩まされ続ける。いや、雪崩はさらに大きく成長していくのかもしれない。そのあいだ、金銭で問題を解決できない弱い人、貧しい人たちにしわ寄せがくるのは目に見えてる。非常に不幸なことである。

なんとか、この変動を抑える方法が無いのだろうか。

■そこで、地球温暖化物質としてのCO2がお白州にあがることになる。

ここ100年CO2濃度は上昇している。同じく世界の平均気温も上昇している。したがって、産業革命以降人間が大量に排出してきた地球温暖化物質CO2があやしいのだ。

そして、そのCO2濃度上昇度を織込んで、ばかでかいコンピュータを使ったシミュレーションをまわすと、過去100年の気温上昇を上手く説明できた。だからこのシミュレーションは正しいし、CO2もクロで決定。(と学者さんは言っている。)

このシミュレーションで100年後の未来を予測すると、CO2増加について一番楽観的なB1シナリオで、世界平均気温、約2℃上昇。海面上昇は20~30cm。最悪のA1FIシナリオでは、世界平均気温、約4℃上昇。海面上昇は25~60cm。( IPCC 第4次評価報告書から丸めた数値)

「なんだ、最悪4℃程度か」と安心してはいけない。

今の気候変動の原因と思われる、世界平均気温のここ100年での上昇代は、たったの0.6℃なのだ。(気象庁データベースより)

一番楽観的なシナリオでも、気候変動はさらに大規模なものになってしまうということだ。

■だから、気候変動の拡大を抑えこむ為に、CO2削減の努力は行うべきである。

もし万が一CO2が原因で無いとしても、CO2排出量の削減はエネルギー消費の効率化を意味する。BRICsの経済成長と人口増加を考えれば、それは今すぐに全世界レベルで取り組むべき課題である。

だが、それだけで良いのだろうか。

もし我々が非常に革命的なCO2削減方法が確立して、CO2排出量が現在のレベルに止まったとしよう。

だが、我々が既に気候変動という雪崩を起す引き金を引いてしまったのであれば、一度発生してしまったその雪崩を止めることは出来るのであろうか。

「直感的」には、NOだと思う。

CO2排出量削減に意味が無いとは思わないが、もし手遅れであった場合の手も考えておくべきだ。何も、イスカンダルから「コスモクリーナーD」を持ってこいと言っているわけではない。今ある解析手段(シミュレーション)を用いて積極的に気候を安定させる手段を模索するべきではないか、と思うのだ。

■一番心配するのは、「CO2削減」自体が目的化することだ。

「CO2削減」が経済活動と結びついたとき、バイオ燃料確保の名の下にアマゾンの密林が開拓されサトウキビ畑に変貌する。といった本末転倒が起こる可能性が多分にある。

先のグリーンランドの氷の話と同じくジャングルも亀裂が入るように開拓されてしまえば、ジャングル全体が生きる力を失っていく。

「CO2削減」は単なる手段に過ぎないのだ。CO2削減のノルマ達成にこだわるあまり、本来の目的を見失うようなことがあってはならない。

大切なのは、我々の生活を脅かす気候変動を最小に食い止めることだ。そこにプライオリティを置いた議論と研究が必要で、そのためには「政治」のリーダーシップが不可欠だと思うのだが、いかがなものだろうか。

さて、問題は私に何が出来るか・・・だ。
それを今、思案中である。

とりあえずは、早く寝て電気代を節約すること、か。
では、続きは夢の中で。

                       <2007.08.03 記>

___3
■<書籍> 不都合な真実 
アメリカ元副大統領 アル・ゴア著 
ランダムハウス講談社 (2007年1月)
<Amazon評価 
 ★★★★☆(レヴュー数 72件)>

Photo_5 
■<DVD> 不都合な真実 スペシャル・コレクターズ・エディション 
監督 デイビス・グッゲンハイム
出演 アル・ゴア アメリカ元副大統領
アカデミー賞2部門(最優秀長編ドキュメンタリー賞、最優秀歌曲賞)受賞
2006年パラマウント映画
<Amazon評価 
 ★★★★☆(レヴュー数 35件)>

■関連記事■
■『新報道プレミアA』 地球温暖化を考える。
(勉強する前のノンキな記事です。「生き方」に逃げてはいけませんね。)

http://soko-tama.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_c55f.html

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

**************<以下おまけ>****************

■地球温暖化に関する考察■

今回調べたことについて、少し整理してみよう。

■論点① 地球は温暖化しているか?

これは非常に明らかで、平均してみればこの100年、地球は温暖化している。
以下のグラフは世界の平均気温と平年値(1971~2000年の平均値)の温度差を年毎に並べたものである。<出展:気象庁データベース>

2007___2

多少の凸凹はあるものの、だいたい100年で0.6℃気温が上昇しているのがわかる。但し、1990年代後半以降、さらに気温の上昇傾向が大きくなっているが、これが長期的な傾向なのか、過去のデータと同じ局部的な波なのかは、ここからは読み取れない。

■論点② CO2濃度は増加しているか。

これもYES.である。同じく、気象庁の観測データを見てみよう。

__3

だいたい2.0ppm/年でCO2が増加していることがわかる。2006年が385ppm程度だから、このペースでいけば2100年には573ppmとなる。因みに、気象庁が温暖化予測のベースとしているIPCCのSRES A2シナリオだと、2100年時点のCO2濃度は860ppmである。(おしなべると5.0ppm/年!)

論点③ 人類のCO2排出量増加によって温暖化が起きているのか?

ここがよくわからない。が、たぶんそうなのだろう。

CO2が人類の経済活動によるものであることは、以下の3点が根拠となっている。(IPCC第4次報告書による)

1)CO2大気中濃度は、工業化以前の約280ppmから2005 年には379ppmに増加した。

2)南極に降り積もった氷を調べてみると、過去約65 万年間のCO2濃度の変動範囲は180~300ppmであり、現在の379ppmは異常に高い値である。

3)最近10年の上昇率、1.9ppm/年は、過去45年の平均上昇率1.4ppm/年と比べて大きい。

けれど、これは地球46億年の歴史のうちの最近65万年の中で、ここ50~100年CO2濃度が上昇傾向にある。ということを言っているだけであって、「工業化」が原因であるかどうかは推測に過ぎない。

そこで「シミュレーション」の登場である。

____ipcc4
<IPCC第4次報告書より>

これは、過去100年の気温の変化をシミュレーションした結果である。青いエリアは、太陽活動と火山の影響を考慮に入れたグラフである(いくつかのシミュレーションの幅として示される)。赤いエリアは、さらに「人間の経済活動が起源となる」要因を考慮に入れたグラフである。黒いグラフが実際の過去100年の平均気温実測値である。

実測値は見事に赤いエリアに収まっている。これにより、過去100年の気温上昇の要因が人為起源(CO2の増加)のものであるとがシミュレーションで示すことが出来た。といっている。

そして、このシミュレーションを使って、今後のCO2濃度上昇のパターンを振って、2100年の気象予測を行っているのだ。

■地球温暖化の議論に噛み付く人は、大抵、このシミュレーションの前提条件や予測精度の問題に疑問を投げかけている。

CO2の増加が人間の経済活動が起源とは証明できていない、とか、そもそもシミュレーションでカオス的振る舞いをする気象の長期予測自体がナンセンスだ。とか、そういう投げかけである。

正直、その反論は正しいと思うところが多い。だから、この記事も初めは反「地球温暖化対策」の路線で考察をすすめようと考えていた。

けれど、その反論は「何か」を生むのだろうか。

「今」、現実に気候変動の影響に苦しんでいるアフリカやインドや東南アジアの人たちにとって、その反論は、どういう意味があるのだろうか。と思い直したのだ。

■政治的圧力によってゆがめられた研究結果であれば、それは当然排除すべきである。だが、IPCCの報告書を眺める限り、雲の影響は考慮に入れられていないとか、自らの足りないところも表明したうえで勇気をもって誠実に発言しているように思えるのだ。

予測が外れるのは当たり前である。

予測が外れた原因を追究することに科学的な意味があり、そこから新しい理解が生まれてくる。

結果としてそれは無駄な努力なのかもしれない。けれども、分からないことを解明しようと前進する意思には、常に新しい可能性が秘められている。

その崇高な意思を挫くようなことがあってはならない。
    

■ IPCC 第4次評価報告書第1作業部会報告書政策決定者向け要約
(2007年3月 翻訳:気象庁)<PDFファイルです。>

http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1_spm_Jpn_rev.pdf

■気象庁データベース
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/an_wld.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 2日 (木)

■秘境、カムチャツカ!ヒグマはデカイし、シャケはうようよ。

■「ダーウィンが来た」 火山が巨大ヒグマを育てる。
<2007年6月放送>

__

ロシア、カムチャツカ半島のヒグマはデカイらしい。

どれくらいデカイかというと、体重で北海道のヒグマの倍以上になるそうだ。大きいヤツだと体長3メートル、体重500kgというのだから、さすがのウイリー・ウイリアムスでも二の足を踏むだろう。

カムチャツカ半島は火山が多いので地面があたたかく、冬ごもりの期間が2ヶ月程度で済んでしまう(北海道のヒグマは5ヶ月冬眠する)。また、サケ・マスが5月から11月まで大量に遡上してくるので、エサも豊富にある。

というわけで、カムチャツカのヒグマは巨大になるというのだけれど、同じ種で、そんなにも大きさに違いが出てしまうものなのかとビックリ仰天なのである。

それならば、かつて少年サンデーで連載されていた「青春動物園ズウ」(*)に登場する身の丈4メートル(笑)ほどある恐るべきロシア人、セルゲイの信憑性も高まるというものだ。
ねぇ、ししにいちゃん。(by ヨッコ )
* 小池一夫:作 やまさき拓味:画 連載~昭和56年、全16巻 絶版。

いづれにせよ、ロシア恐るべしという話だ。

  
それにしても、サケ・マス天国というのは、フライフィッシャーの心を強く揺さぶるものがある。

カムチャツカの火山灰に含まれる燐(リン)が、植物プランクトンを増殖させ、それをえさにする動物プランクトンも増える。その豊富な動物プランクトンによってサケ・マス類の稚魚が生き残る確率が高くなる。という寸法で、カムチャツカの川は5月から11月まで7種類ものサケ・マスで溢れかえるというワケだ。

        5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
カラフトマス  ●  ●  ●   ●  ●
ベニザケ       ●  ●   ●  ●   ●    ●
マスノスケ    ●                   ●   ●    ●
サクラマス          ●
シロザケ                 ●   ●  ●
スチールヘッド                ●  ●
ギンザケ                       ●  ●

うーむ。恐るべしカムチャッカ。
これからまさにシーズン突入!というわけか。
行ってみたい!!!

そういえば、あと半月ほどで知床にもカラフトマスがやってくる。
マスノスケ(最大2メートル!)なんて大物ではないけれど、
60cm程度でも引きは抜群。

06_9__0001 Ds_06_9__003
■2006年9月上旬 知床半島モイレウシにて。
久しぶりにバッキングラインまで引き出してくれた元気なカラフトマスくん(♂)
若干「せっぱり」が出始めている。

Photo_3
■忠類川に遡上したカラフトマス(♂)。川に入ると背中の色が濃くなり
背中が大きく出っ張る。色は保護色として理解できるが、
「せっぱり」の意味がよく分からない。セックスアピールなのだろうか。
     

しかしながら、今年は懐がさびしくて北海道遠征にいく余裕が無い。
来年に向けて、せっせと小遣いを貯めねば!         

                 <2007.08.02 記>

   
■ダーウィンが来た 生き物新伝説
火山が巨大ヒグマを育てる。(2007.6月放送)
http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program058.html  

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■歌謡曲の巨星堕つ。阿久悠さん死去。

阿久悠さんが昨日、8月1日に亡くなった。
死因は尿管がん。70歳であった。

01

思えば1970~80年代は、歌謡曲の時代であった。

NTVでは紅白歌のベストテン、TBSではザ・ベストテン。
ゴールデンタイムには、歌謡曲が流れていた。

過去を振り返ってはいけないというけれど、
あの頃の歌は、歌詞が心にしみついて
無意識に、ふと、口ずさむような歌が多かった。

楽しい気分の時には楽しい歌を
ブルーな気分の時には切ない歌を。

ピンクレディーが歌う、異次元的な恋の駆け引き。
沢田研二が歌う、かっこいい男の美学。

小学生時代の自分に、その歌詞が
どこまで理解できていたかは、わからない。

けれど、その強烈なインパクトは、
しっかりと体の芯まで浸透し、
その時の気分と連動して歌が浮かび上がってくる、
という意味で、今や自己の一部となっている。

  
「どうにもとまらない」 「恋のダイヤル6700」

「また逢う日まで」     「あの鐘を鳴らすのはあなた」

「津軽海峡冬景色」   「舟歌」

「青春時代」        「熱き心に」

   
「歌謡曲」と呼ばれるような歌は、一部の演歌を除き
ほぼ絶滅してしまった。

その後も延々と歌は作り続けられ、ヒット曲もある。
音楽的なレベルも上がって素晴らしい曲もある。
けれど、聞き手はどんどん分散していき、
だれもが、その歌に身を任せられる。
そんな歌が極めて少なくなってしまったのだ。
   

老若男女 聞けば楽しくなって踊りだすような
老若男女 聞けば胸を締め付けられるような
   

阿久悠さんは、そういう歌を作ってきた。
けれど、ご安心ください。

阿久悠さんの歌は、
まだこの胸に生きているのですから。
     

こころより ご冥福をお祈り致します。
                      <2007.08.02 記>

_
■CD 『 人間万葉歌 阿久悠作詩集 』
・テーマ別4枚のベスト選集+本人の思い入れが深い作品を年代順に集めた特別ボーナス盤から成るCD5枚組みの永久保存盤。
・阿久悠最新ロングインタビュー及び直筆メッセージを特別収録。
<Amazon評価 
 ★★★★ (レヴュー数 3件)>

■単行本 『歌謡曲の時代』
阿久悠 著 新潮社 (2004年9月)
・・・作詞家・阿久悠が書いた99の歌謡曲を通して
   日本人の心を見つめるエッセー。

<Amazon評価  ★★★★☆(レヴュー数 2件)>

■新書 『愛すべき名歌たち』
阿久悠 著 岩波新書 (1999年7月)
・・・ 幼少期から現在まで,心をゆさぶり続けた「名歌」たちの
      息づかいを時代の風景の中に描き出した自伝的歌謡曲論。

<Amazon評価  ★★★★ (レヴュー数 1件)>
    

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年8月 1日 (水)

■感覚を磨くということ。『プロフェショナル・仕事の流儀』 職人スペシャル。

今回は、「腕に覚えあり」の職人さんトーク集。
(見よ、この面構え!)

Photo
花火師・野村陽一さん

Photo_2
宮大工・菊池恭二さん

Photo_3
左官・挾土秀平さん

Photo_4
庭師・北山安夫さん

彼らの技術を支えているのは、身体で感じる生の「感覚」だ。

それは、「星」と呼ばれる火薬を0.5mmづつ成長させる技術であったり、屋根が一番美しい曲線を描くための部材選定であったり、土を壁に塗るときの水分の蒸発具合であったり、選定する石と庭全体との調和であったり、する。

「正しい」かどうかは身体が判断してくれる。

「感覚」は、意外と正確なものである、
と脳科学者の茂木健一郎さんはいう。

但し、これら一流の職人の「感覚」は、我々の持つ感覚とは異なる。

当然である。

職人の研ぎ澄まされた「感覚」は、ひとつのこだわりに執着しながら、20年、30年と愚直に同じ作業を繰り返す、気の遠くなるような鍛錬の上に始めて得られるものなのだ。

と、自らを振り返れば、
執着すべき「こだわり」さえ見つけられない未熟もの。
ただただ、伏し目がちに頭をかくばかりである。

                        <2007.08.01 記>

■プロフェショナル・仕事の流儀<2007.07.31放送>
トークスペシャルPart4 職人たちの流儀スペシャル

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070731/index.html

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

■身体のバランス感覚とインターロック運動。

■小学生になりたての頃だったろうか、背筋を伸ばして歩くのはどうも気恥ずかしく、猫背でとぼとぼ歩く妙なクセがついた。運動神経が悪いから自信がつかなかったのか、姿勢が悪いから運動神経がつかなかったかは定かではないが、未だに運動は苦手である。

だから社会人になっても、できるだけそういう場面は避けて通ってきた。けれども、日常の場面で、向こうから歩いてくる人とぶつかったり、行き帰りの電車の中で一人だけよろけたりする時に、あーなんて運動神経が悪いんだろうと再認識しては、不甲斐ない自分の身体感覚の弱さに落ち込むのである。

■先日、なんとなく見ていた「世界一受けたい授業」でダンスが上手いインチキおじさん(失礼!)が、「体幹を鍛えるインターロック運動」なるものを紹介していた。

インターロック運動とは、身体の軸をぶらさずに、リズムにのって体幹を動かす運動。日本人は、手拍子みたいに身体の一部だけでリズムをとるが、アフリカ系の人は全身でリズムをとる。これが身体のバランス感覚の違いとして現れる。体幹を動かす練習を続けることで、身体のバランス感覚が鍛えられる。というのだ。

ミーハーな私は、即座に「これだ!」と思った。

インチキおじさんなんていってごめんなさい。
七類誠一郎先生!

■紹介されたのは3つの体操。
(名前は私が勝手につけたので気にしないでください。)

①首 【はとぽっぽ体操】
  ●後ろ斜め上にぐっとあごを引いて
→●あごを前方下方向に突き出す。
これを音楽のリズムに合わせて繰り返す。

この時、首以外の部分の余計な力を抜くのが
ポイント(これが難しい。)
首の血行が良くなる効果もある。

②胸 【むきむきサル体操】
  ●胸を水平に後ろに引く
   (力を抜いた手は前にだらんとなる。)
→●胸を水平に前に出す。
これを音楽のリズムに合わせて繰り返す。

この時も、胸以外の部分はリラックスさせて
胸の動きに勝手に連動するように。
ボートを漕ぐイメージに近い。
私は背中が凝るので、この運動は気持ちいい。

③腰 【ずんずん体操】
  ●腰を後ろに引く
 (腕は自然に前へ、力を抜いて軽くひじを曲げる感じ)
→●腰を「ずん!」と前方水平に出す。
これを音楽のリズムに合わせて繰り返す。

はじめはゆっくりしたテンポで、しっかり形を身体で覚えるのがいいようだ。また、無理は禁物。(特に腰は要注意ですな、ご同輩。)

■そういえば、桑田真澄が習っていた古武術を紹介した番組で、
「相手の手をつかもうとするときに、腕だけ動かそうとしても早い対応はできない。身体全体でつかみにいけば素早い動きが可能になる」という話があった。

なんだか、それに通じるものがあるようだ。

■さて、理屈はわかったが問題は実践である。

ま、気張らずに思い出したときにでもやってみようと思う。
「気持ちよければ続くでしょう」くらいの軽い気持ちで・・・。
   

                       <2007.08.01 記>

_
 
■黒人リズム感の秘密
七類誠一郎  郁朋社 (1999/03)
<Amazon評価 ★★★★★(レヴュー数 5件)>

転びにくい身体を作る体幹連動運動
↓詳しくはこちら。
■「世界一受けたい授業」七類誠一郎先生の講義
http://www.ntv.co.jp/sekaju/class/070728/03.html

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »