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2007年8月24日 (金)

■『5回のうち4回は流せ!』 スーパーマン・シンドロームに陥らないために。

「常に天才であろうとすると、結果は無残なものになる。」

少し古い話になるが、今年の3月、オシム・ジャパンに中村俊輔が始めて合流したペルー戦で、オシム監督が俊輔について語った言葉である。

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■自分が出来ることは何だろう。

どうすればチームに貢献できるだろう。

と考えたとき、「俺がやらねば!」という積極的な思いから、自分の能力以上に、完璧に、多くのことへ係わろうとする。強い責任感が、その思いをさらに強いものとする。

だが、それは「エース」と呼ばれて、また自分も「エース」であると自覚している人間が陥りがちな罠である。

■スーパーマンであろうとしても、人間は決してスーパーマンにはなりえない。

更にいえば、「エース」が引っ張ることでチームを動かすやり方では、あるところで限界が生じてしまう。「エース」自身の”その時”の能力がチームの限界を決めてしまうからである。

エースが陥りがちな、この罠のことを仮に『スーパーマン・シンドローム(症候群)』と呼ぶことにしよう。

■6/7号のNumber(Vol.679)に掲載された対談で、このオシム監督のコメントについて、「読売クラブのコーチだったジノ・サニが、ラモス瑠偉に言っていたことと同じ」。と語られている。

『5回に4回は、”流せ”』、と。

記事を読んだときに、この言葉がとてもに気になった。

それから3ヶ月、その意味がやっと腑に落ちてきたような気がする。

すべて全力で『自分がやらねば!』といきり立つのではなくて、少し気を抜いて仲間を信じて”任せる”。

自分からあえて身を引く、そして「出来ること全て」ではなく、「ここぞ!というところ」に集中する。

それが、『5回に4回は、”流せ”』の意味なのではないだろうか。

■頑張っても、頑張っても、前に進まないときがある。

中村俊輔のようなサッカー日本代表を背負って立つエースとまでいかなくとも、チームを引っ張って何かを成し遂げようとする者は、ときにそういう泥沼に嵌り込む。

そんなときに、自分が『スーパーマン・シンドローム』に陥っていないか、落ち着いて眺めてみる余裕を持ちたいものだ。

視野が狭くなっているときにそのことに気付くのは、とても難しいことではあるのだけれど・・・。

                         <2007.08.24  記>

 
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★オシム監督のコメントについて、
 前後の文脈が解るようにインタビューの抜粋を載せておきます。

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■2007/03/24 キリンチャレンジカップ■ 
<ペルー戦後 オシム監督インタビュー抜粋>

・・・私たちの側では、長い間一緒にプレーをしていない選手を加えた。すなわち、異質な選手を組み合わせたチームで、建設的なサッカーをしようとトライしたわけだ。初めて顔を合わせた選手もいれば、一部の選手は何度もボールを触りたがった。自由を認めつつも、その選手は非常に疲れていて、コンディションがよくなかった。疲れている場合、アイデアが出てこないし、ミスも繰り返す。
<中略>

しかし今日の試合は、彼にとって難しい試合だった。彼自身も何か特別のことをやろうという気負いのようなものがあった。プレッシャーが自分の中にあった。つまり、1本1本のパスすべてが、ナイスパスとなることを狙っていたのかもしれない。だが、世界中探してもそんな選手はいない。彼がやるべきは単純なプレーであり、天才ぶりを発揮する場面というのは何回かに1回だ。いつも天才であろうとすると、結果は無残なものになる。ただし、今日の中にもいいプレーはあっただろう。
<中略>

中村俊輔も、時間の経過とともに分かってきたのだと思う。1つ1つのプレーのタッチ数が少なくなってきた。つまり自分で難しいことをするよりも、簡単なプレーをした方が効果的であると、彼自身が気が付いたのだろう。まあ、違う意見もあるだろうが。
<sports navi.com>
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