■『次期哨戒機 P-X/次期輸送機 C-X』 試作1号機 ロールアウト。
7月4日、海上自衛隊の固定翼哨戒機 P-3Cの後継である「P-X」、試作1号機が公開された。
P-X 次期哨戒機 試作1号機(岐阜県各務原 川崎重工業岐阜工場)
初飛行は9月頃といわれている。生産数は70機程度の予定。
2010年から徐々に退役していくP-3Cに代り、潜水艦の動向を調べるなどの日本の海を守る任務に就くことになる機体だ。今回、公開されたのはその開発に向けた試作1号機であり、特有の赤いラインが描かれている。
主契約者は川崎重工で、そこに三菱重工、富士重工、日本飛行機が開発に加わっている。主翼の下に4基ぶら下がるターボファンエンジンXF7-10は、IHI(石川島播磨)が開発する。
今、日本の海の守りについているP-3Cは、「黒いピーナッツ」で大いに盛り上がったロッキードの機体だが、今回のP-Xは、エンジンを含めて純国産。何ともうれしい限りである。
P-3Cとの大きな違いは、まずエンジン。P-3Cはガスタービンでプロペラを回すターボプロップ。プロペラの場合どうしても、プロペラ端部速度の関係で亜音速での飛行は難しくなってしまう。対してP-Xは、ジャンボジェット旅客機でおなじみのターボファンエンジン。巡航速度は、745km/h から830km/hに向上する見込みである。
主翼の後退角もかなり強くなっており、一般的な旅客機の姿をしているといっても過言ではない。
操縦系統は光ファイバーで情報伝達を行う、フライ・バイ・ライト方式(実用機としては世界初かな?)。従来の飛行機は操縦桿、ラダーペダルと昇降舵や方向舵の間をケーブルで直接つないでいるが、近年の航空機はフライ・バイ・ワイヤ方式といって、ケーブルの代りに電線で信号を伝え、昇降舵や方向舵をモーターで動かすという方式に切り替わりつつある。そうすることで自動操縦の制御範囲が格段に向上するからだ。
だが、繊細な電子機器の塊である哨戒機にとって操縦系統を流れる電流による電波雑音は、ばかにならない。そこでフライ・バイ・ライト方式を導入した、と思われる。
来年の夏頃には、厚木基地周辺でもその姿を拝めるかもしれない。ジェット化による騒音が気になるところだが、今、厚木で飛んでいるスズメバチ(F/A-18E/F スーパーホーネット)に比べれば問題ないレベルだろう、きっと。たぶん・・・。

C-X 次期輸送機 試作1号機(岐阜県各務原 川崎重工業岐阜工場)
初飛行は同じく9月頃といわれている。
生産数は30~40機程度の予定。
一方こちらは、P-Xと同時に開発されている次期輸送機 C-X。
現役の川崎C-1の後継にあたる戦術輸送機である。
大きさは約1.5倍、積載量4.7倍、最大速度1.2倍、航続距離(空荷時)7.7倍。見た目はあまり代わり映えしないのだけれども、大きく育って随分と高性能になったものである。
P-Xと異なりエンジンはGE製。また操縦系統はフライ・バイ・ワイヤ方式。
川崎C-1
C-1といえば、私の通っていた小学校は習志野にあって、校舎の窓から空挺団の落下傘降下訓練を眺めていたものである。C-1の後部からポロポロと白い粒が落ちてきて、なんだか虫の産卵みたいだな、と思ったおぼろげな記憶がある。
2011年頃には、C-Xの産卵シーンが拝めるはずである。
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<2007.07.07 記>
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