« ■試行錯誤が仕事の楽しみ。『プロフェッショナル・仕事の流儀』アイガモ農法・古野隆雄 | トップページ | ■タメの会話は面白い。『爆笑問題のニッポンの教養』比較解剖学 遠藤秀紀。 »

2007年7月27日 (金)

■『FX 次期主力戦闘機』 その5。航空少年は夢を見れるのか?

■「第5世代」ステルス実験機開発へ…防衛省方針
 防衛省は23日、ステルス性能などを持つ「第5世代」の戦闘機技術を検証する有人実験機の開発に向け、来年度予算の概算要求に費用を計上する方針を固めた。
 日米が共同で開発したF2支援戦闘機の生産が2011年度で終わるのをにらみ、技術開発の基盤を維持するのが目的だ。(中略)
レーダーや武器などは搭載しないため、実際の戦闘機よりは小型になる予定だ。開発期間は約10年、開発費は総額で数百億円程度を見込んでいる。(以下略)
(2007年7月24日  読売新聞)

Atdx
■技本の先進技術実証機(ATD-X)『心神』模型

■『心神(しんしん)』といっても、お漬物ではない。防衛省技術研究本部で開発が進められている「第5世代」の実証機だ。

「第5世代」戦闘機として、相反しがちなステルス性能と高運動性能について、高い次元での両立を目指す。
試作1号機の初飛行は2014年頃2011年頃といわれる。

キーとなる主な新技術は、以下の3点。
①スマートスキン(機体形状に沿って配置するレーダー)
②軽量・高強度な新複合材の胴体構造への適用
③パドル式推力偏向機構

「スマートスキン」の詳細についてはわからない。ノーズの形状自由度が大幅に改善することでステルス性能への貢献が見込めるということなのだろうか。いずれにせよ最新の技術であり、ハイテク日本の面目躍如というところ。

だが、どうも地味に感じてしまうのは私だけだろうか。

日本お得意の複合素材も、推力偏向機構も、既に世にある技術の延長線上のもの。

飛行機少年の胸をワクワクさせるような、「派手さ」がないのだ。

T_2ccv_01_2 

■思えば、前回FSXが盛り上がった1980年代は非常に「ワクワク」する時代であった。

83年に初飛行したT-2CCVは、FSXの国産化を見据えて、攻撃機に求められる運動性能を画期的に向上させる意欲作であった。

主翼の前に水平カナード翼、胸の下には垂直カナード翼を持ち、前進+3軸まわりの4自由度に加えて横、上下、2方向の運動自由度が加わる。対地上攻撃時には相手に対して正対し、対面する面積を小さくしながら平行に移動する攻撃ヘリのような機動が可能になるという航空雑誌の解説をむさぼるように読んだ記憶がある。高校生の頃だとおもう。

あの時代は、飛行機に夢があった。

主翼の上にエンジンを搭載しその後流で揚力を増加させるSTOL実験機「飛鳥」があった。無人往還機「HOPE」なんて計画もあった。

だが結局のところ、F-2からカナード翼はもぎ取られ、C-1の主翼の上にエンジンが搭載された機体が増殖することはなかったし、日本製スペースシャトルも実現しなかった。

夢は、夢でしかなかったのだろうか。
   

■航空機の開発は、ますます大規模になり、日本が貢献できるのは要素技術に集約されていくのだろう。バブル崩壊後、効率重視となった今の日本で、先進的な航空機をトータルとして語るのは困難だ。

今の航空少年は、一体どんな夢を思い描いてのだろうか?

                        <2007.07.26 記>

■文庫 『飛行の神髄』
加藤 寛一郎 著 講談社 (1997/06)
<Amazon評価  ★★★★ レヴュー数 1件)> 

 
■ Amazon.co.jp ■
■ TVドラマ・映画 原作本ページ
■ '07 上半期 Booksランキング
 
■【 書籍・ベストセラー 】
■【 DVD・新着ベストセラー 】

   

■関連記事■
■『FX 次期主力戦闘機』 その4。空自ファントム耐用年数延長?
http://soko-tama.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_212a.html
■『FX 次期主力戦闘機』について考える。その2
http://soko-tama.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_2ba8.html

■大石英司さんの「代替空港」にT/Bします。
http://eiji.txt-nifty.com/diary/2007/07/post_393c.html

■追記■<2007.12.17 記>
■国産ステルス実証機「心神」、2011年に初飛行■(読売新聞より)
ステルス性能など最先端の戦闘機技術の検証を目的とした、防衛省の「先進技術実証機」の開発計画が8日、明らかになった。
  来年度から計画に着手し、早ければ2011年度中に実証機の初飛行を行う。計画が順調に進めば、国産戦闘機開発につなげたい考えだ。
 実証機は全長14メートル、全幅9メートル。「心神(しんしん)」と名付けられ、敵のレーダーに映りにくいステルス性とともに、高運動性を備え、国産エンジンを使用する。機体の形状に沿って配置するレーダー「スマート・スキン」など先進技術も取り入れる。実証機であるため武器は搭載しない。
 心神の開発は来年度から6年間で行う計画だ。来年度予算では157億円を要求、総額466億円を見込んでいる。エンジンや電子機器などの試作は09年度までにほぼ終えて、10年度から実証機製造に着手。早ければ11年度中に初飛行を行う。機体やエンジンは既に個別開発を進めており、ステルス性に関しては、05年のフランスでの模型実験で「高い性能を確認済み」(防衛省幹部)という。
 実証機開発には、日米で共同開発したF2支援戦闘機の生産があと数年で終了することから、国内技術維持の意味合いがある。また、航空自衛隊が次期主力戦闘機(FX)の有力候補としながら、米国が輸出に応じようとしていない「F22ラプター」をめぐる交渉を有利に運べるとの期待感もある。
 米国が輸出に慎重なのは、「機密保全だけでなく、日本がステルス技術を独自開発できないとの前提で、将来、高く売ろうという思惑があるため」(政府筋)との見方からだ。
 防衛省内には「17、18年ごろには国産戦闘機が実用化できる」(幹部)との見通しもあり、F15戦闘機の後継機となる可能性もある。ただ、日本の国産戦闘機開発には、有力な輸出先を失うことになる米国内で懸念が出ている。 (2007年12月9日 読売新聞)
   

|

« ■試行錯誤が仕事の楽しみ。『プロフェッショナル・仕事の流儀』アイガモ農法・古野隆雄 | トップページ | ■タメの会話は面白い。『爆笑問題のニッポンの教養』比較解剖学 遠藤秀紀。 »

コメント

航空少年になりたい少年です。
プロジェクトXのせいでしょうか、航空禁止を受けた日本が、純国産の、「戦闘機」を作るというので、それだけで舞い上がってます。
案外そんなもんのような気も…俺が浅いのかな?

投稿: necktie | 2007年9月 9日 (日) 11時10分

お、来ましたね。航空少年!
君にとってのATD-Xは、私にとってのT2-CCVみたいなもの(憧れ)なのですよね。
地味なんて言ってゴメンナサイ。

ATD-X1号機が赤いラインの塗装で飛行する姿を想像したら、
何だかワクワクしてきました。(軽すぎ?)
試作機が飛ぶのはまだまだ先だけれど、
楽しみですね。

投稿: 電気羊 | 2007年9月 9日 (日) 13時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■『FX 次期主力戦闘機』 その5。航空少年は夢を見れるのか?:

« ■試行錯誤が仕事の楽しみ。『プロフェッショナル・仕事の流儀』アイガモ農法・古野隆雄 | トップページ | ■タメの会話は面白い。『爆笑問題のニッポンの教養』比較解剖学 遠藤秀紀。 »