■靉光(あいみつ) 『眼のある風景』に触発される。
■NHK教育 新日曜美術館で靉光(あいみつ)の作品を見る。
■『眼のある風景』 靉光(あいみつ) 昭和13年(1938年)
■画像では分かりにくい。だが、真ん中で緑の光を放つ『眼』は、しっかりとコチラを凝視している。
自分の絵画表現に苦悩した靉光(あいみつ)。そして彼はシュールレアリスムを手がかりに、ひたすら対象を「凝視」することで、自分としての表現方法にたどり着いたのだという。
中央の『眼』は、対象の本質を凝視する靉光(あいみつ)の眼差し、そのものだ。
■「怪獣のあけぼの」という高山良策の生涯を追ったドキュメンタリーで、故・実相寺昭雄監督が戦前の芸術家について、こう語っていたのを思い出した。(言い回しの記憶はあいまいですが・・・。)
「明日、召集令状が来て、自分の芸術活動を止められることになるかもしれない。いや、それどころか死んでしまうかもしれない。そういう時間的にギリギリの追い詰められた危機感の中で、必死に自分の想いを作品へと刻み込んでいった。その切迫感が作品に迫力を与えている。
そういう意味では、今の若い芸術家は大変だと思う。現代に於いてそういう切迫感があるとすれば、不治の病にかかることくらいなのだから。」
■この作品が書かれたのは昭和13年。盧溝橋事件の翌年であり、国家総動員法が公布された年である。靉光は、一体どういう思いでこの作品と対峙したのだろうか。
彼の作品は東京国立近代美術館で見ることができるらしい。そのうちに尋ねてみようと思う。
<2007.07.22 記>
■DVD 怪獣のあけぼの
特撮怪獣の造形を手掛けた高山良策の生涯に迫るドキュメンタリー。
監修 実相寺昭雄 出演 寺田農ほか
★高山良策が画家として生きた戦前という時代。若い画家のエネルギーが集まった「池袋モンパルナス」についても詳しく解説されている。
■新日曜美術館 HP
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2007/0722/index.html
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