■インパクトのあるCMと、しみじみ伝わるCMと。
パワードスーツが登場する日産デュアリスのCMが、どうも腑に落ちない。
「デュアリスがパワードスーツに変形して渋滞の街を駆け抜ける」という、あのCMだ。
「ドライバーが意のままにクルマを操ることが出来る楽しさを」主張したいのだろうけれども、何だかどこかでズレている。全然こころを揺さぶらない。
CM自体が感情移入を拒絶していて「入り込めない」のだ。見る者が客観的になってしまっては「良く出来たCGだなぁ」という「アタマの理解」までで終ってしまう。それでは「意のままにクルマを操るドキドキ感が見ている者の胸に込み上げる」なんて、逆立ちしてもあり得ない。
たぶん「物語」の欠如に問題があるのだろう。見ている者が共感する対象となる「主人公」の存在感が希薄なのだ。
それはセレナを除く、最近の日産の「オシャレ」なCM全般に言えることかもしれない。
「センス」はいいのだけれど、それが心を揺さぶって「欲しい!」に、なかなかつながらないのだ。そういうところは、人気の役者をどんどん起用して、それなりのドラマ仕立てで見るものを引き込むトヨタのCMの方が数段上手である。
パワードスーツのデザインは「マクロス」で名を馳せたスタジオぬえの河森正治。そこまでこだわるのであればCM自体にもトコトンこだわり、監督を押井守に頼むなりして『味わい深い大人の物語』を創り上げるくらいの気合いが欲しかった。CMについては次回作に期待!
<参考>攻殻機動隊 Production I・G×NISSAN SPORTS CONCEPT 2006
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2006/_STORY/060804-01-j.html
<2007.07.08 記>
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