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2007年6月20日 (水)

■ひつじの本棚■ 『鈍感力』 効果はあとからジワ~とやってくる。

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『 鈍感力 (どんかんりょく) 』  渡辺 淳一 著

まわりの人間は決して認めてくれないのだが、私は非常に繊細で傷つきやすい性格である。だが、それにも増してひねくれているので、この本のタイトルが気になってはいたのだけれど、ベストセラーというだけで、少し距離をおいていた。

ところが、先日ひさしぶりに本屋に行くと、この本が平積みされて
いる。
しかもあと2冊しか残っていない。

思わず手にとってみる。
私の中のミーハーが、ベストセラーを避けるひねくれた心に打っちゃりをかませた瞬間である。

ぱらぱらとめくってみて、すぐにレジに向かった。
繊細で傷つきやすい私のために書かれた本だと確信したのだ。

で、うちに帰って、じっくり読んでみる。

なんだこりゃ。

原稿を採用してもらえず、落ち込み、自信を喪失して、才能を開花させないまま消えていく「ナイーブで、傷つき易い」作家のたまご。

かたや、指導医に激しく指導されても、蛙のツラにしょんべんで、はいはいと受け流す「鈍感」な中堅医。
けれども、そういう男がいつの間にやら、ひょひょうと出世していたりする。

ここまではいい。
鈍感力が如何に大切か、話として分かりやすい。

だが、

自律神経に負担をかけるな、
五感が鋭すぎるのはよろしくない。
睡眠力をつけろ。

え、それで、どうすればいいの?
というコチラの切なる思いを知ってか知らぬか、

恋愛成就、
円満な家庭生活、
さらには
ガンのかかりにくさ などなど

と『鈍感力』の効能を次々と軽妙な口調で
語っていく・・・。

絶望的な読後感。
結局、私はどうすればいいのか?

この本で、繊細で傷つきやすいやすい私のこころが癒されるのではと思っていた私がバカだったのだ。
このあまりに能天気な『鈍感力』ばなし。そこには、私の苦しみを開放してくれるものは何も無い。ああ、こんなジジイの与太話に付き合うのではなかった・・・。

だが、しかしである。
2、3日して、ストレスがかかる場面で、なんとなく、この本のことを思い出した。少し楽になった気がする。日が経つにつれ、その気持ちがはっきりしてくる。

『 要は、気の持ちよう 』

あまりに、簡単な答えである。
けれど、気の持ちようを変えようと努力したところで、いや、努力すればするほど、『楽にいこう』という気持ちから遠ざかっていく。

私は、『どうやれば、楽になれるか?』を知りたがっていたのだが、実はそんな簡単な答えなどは無いのだ。

こういう人もいる、ああいう人もいる、こういう時もある、ああいう時もある。と短いエッセーのコラージュをいっぱいに浴びて、『そういう感じ方もあるのか』と体が気付く。

そして、そこに『鈍感力』という名前を付けることで、アタマに刻み込まれる。

 
イライラしたりするのはしょうがない。
自分はそういう人間なのだから。

 
だけれど、『違うものの見方もあるんだね。』という気持ちをそこに持てるかどうかで、ずいぶんと自分の心のありようが変わってきた気がするのだ。

それを『気が楽になった』と感じているようである。

それは狙った効果なのか・・・。
渡辺淳一 恐るべしである。
                      <2007.06.20 記>
       

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コメント

こんにちは。
「鈍感力」、読みました。
本当は、敏感になることと、
鈍感になることの使い分けができれば、
一番良状態になれますね。
TBさせていただきます。

投稿: ikadoku | 2007年7月 4日 (水) 11時58分

ikadokuさん。
コメントありがとうございます。
仰るとおり、確かに使い分けが大切ですね。
敏感過ぎてしまっている時に「鈍感力」という新しい概念が、自分を引き戻してくれるようにも思えます。

投稿: 電気羊 | 2007年7月 4日 (水) 14時27分

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