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2007年6月19日 (火)

■自分に分からないことがあると分かることが、生きること。蓮實重彦。

朝から痛烈な一撃をくらった。

6/19付け読売朝刊 文化欄。仏文学者 蓮實 重彦さんのインタビュー記事である。少々長いのだが、記録しておこうと思う。
  

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「書かれたものはすべて眠っている。読むことは、睡眠状態にある記号を起すこと。いま日本で一番行われているのは、眠っているものを眠ったままに話をまとめてしまうことです。まず、眠っているものを起す。起すと、自分も揺らぐわけです。」

それは、ひたすら「分かりやすさ」を追求し、既知の言葉に還元してすべて分かったとかたづけようとする、この社会の言説に対する痛烈な批評とも読める。

例えば自身(が)批評の対象とするスポーツの世界にも、同様のことが起こっていると感じるという。観戦に行くと「周りは、全員評論家」。スポーツが一瞬ごとに突きつけてくる「目覚めよ」ということに鈍感で、「自分の知っている言葉に翻訳」ばかりしている。

世の中には自分の分からないことがあると分かることが、生きること。その意味では、生きることを放棄していると思います」

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この言葉は、「何か」を味わおうとするときに陥る還元主義(分かった風な口を利く)を、単に批判するだけではなく、そこに自分の知らなかった新たな価値観なり美学なりを発見する喜び。それこそが「生を味わう」ということなのだと教えてくれているのだ。

やっかいなのは、「自分が自分に囚われている」ことに気づかない時があるということだ。
謙虚であること。
これはなかなか難しいことではあるのだが。

                           <2007.06.19 記>

  

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