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2007年5月21日 (月)

■『新報道プレミアA』 会津若松・母親殺害事件。猟奇殺人の報道について考える。人質立てこもり事件、他。

今週は、人質篭城事件、母親殺害事件と、やるせない事件が2件も発生。新報道プレミアAも内容の濃いものであった。
今回は、会津若松で起きた母親殺しに報道について大きな疑問を抱いたので、まず、そのことについて考えてみたい。

■会津若松・母親殺害事件
アパートで弟と暮らしていた県立高校3年の少年(17)が、訪ねて来た母親(47)を殺害した事件。母親の首をカバンに詰めて持ち歩き、翌朝警察に出頭。部屋には切断された母親の右手が白く塗られ植木鉢に立てかけられていた、という猟奇殺人事件である。

少年は山間の小さな集落で育ち、中学時代にはスキー競技に打ち込む一方、勉強の成績もトップという活発で利発な優等生であったという。成績優秀であった少年は、高校から都市部の学校に進学、実家を離れて生活を送っていた。

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■現場とは全く関係の無い場所です。(岩手県遠野)■

この事件についてプレミアAでは少年の実家や中学時代に焦点をあてて取材を進め、優等生であったという小・中学生時代から既に残虐な事件を起す予兆が隠されていたことを明らかにした。

彼の自宅の部屋には、虫の死骸が詰められた小瓶、首のもぎ取られた鳥の剥製、事件を彷彿とさせる白塗りの手のオブジェ等があったというのだ。また、本棚には少年向けホラー小説が並び、「解体人形」というノコギリを持った少女が描かれたカードも発見された。

そして、この取材結果に「子供時代から反社会的な性格であった」という学者のコメントを重ねて、少年の危険な一面に誰も気付かなかったのだろうか、と結んだ。
 

2月に土砂崩れで半壊した実家に捜査が入るところへイチ早く同行し、また少年の子供の頃の友人や学校を丹念に取材、「優等生だった」という報道が大勢を占める中、少年の「闇」の部分を浮かび上がらせた良いスクープだと思う。

だがその報道の仕方には、一つの事件を一般化して理解しようとする姿勢が見え隠れしていて非常に残念であった。確かに少年には猟奇的なものを好むところはあっただろう。
しかし、それを『事件の予兆』と捉えるのは如何にも浅はかだ。
 

猟奇殺人犯の隠された嗜好に関する映像は、それが鮮烈なものであればある程、誰もが持つ「怖いもの見たさ」という好奇心を刺激する。それ故に、この手の報道は、犯人像を浮かび上がらせる重要な情報であると同時に、その強調された「異常性」を犯人という個人から引き剥がし、一人歩きさせる諸刃の剣なのだ。
 

報道する側は「事実を報道しただけ」のつもりでも、それを受け止める側がその報道の「意味」を理解しようとするならば、ことさら「異常性」にのみフォーカスされたその視線は、『残虐なものを好む少年像』という虚像を生み出すことになりはしないだろうか。

一般化されたその虚像が、『非常に個人的な問題』を、「世にあふれるオカルトやホラーの映像が青少年の精神を歪めている。」などといった『社会現象の問題』に摩り替えようとする、短絡思考の温床となることを私は恐れるのだ。

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<参考イメージ>■H.R.ギーガー作品集 『 ネクロノミコン 2 』

オカルトやホラーは揺れ動く少年・少女のココロを惹きつけて已まない。
それは今も昔も変わらない。

プレミアAのいう『事件の予兆』を抱えた「猟奇殺人者予備軍」は現在何万人もいるだろうし、この手の報道に惹きつけられる大人にも、オカルトやホラーに興味をそそられる少年・少女時代を過ごしたものが大勢いるに違いない。私自身もその一人だったと思う。

もし本当にそれが『事件の予兆』なのであれば、私も予備軍の最前列に立っていただろう。だが、決してそういった事件に向けた一歩を踏み出すことはしなかった。
何故かといえば、『私』という人間が幸いなことに、そういう不幸な巡り合わせから離れたところで人生を刻んできたから。

それだけの理由だ。
 

「事件」は、事件単独で完結するものではなく、犯人にとって、家族や周囲のいろいろな人達との出会いも含めた、『人生』という名の長い物語のひとつの結末なのだ。
 

猟奇事件を一般化して理解することは単なる一時しのぎの逃避に過ぎない。
何故なら、それは自分自身の内に潜む「狂気」から目を逸らし、砂上の楼閣に安心を求める行為だからだ。

残虐な事件を聞いた時に、『恐ろしい』と感じる、その感情が非常に大切なのだと思う。
その時に感じている恐怖や不安は、事件そのものに対するものではなく、我々の「健全なこころ」、「健全な人間関係」が、実は非常に不安定なものなのではないか、と想起させられることのよって生まれてくるものなのではないだろうか。

そういう不安定な人生を、一歩一歩、足元を確かめながら我々は歩んでいくのだ。

  

<その他のトピックス>
人質立てこもり事件、29時間の教訓
解決まで時間がかかり過ぎだとか、決断力が無いだとか、あーだこうだと、いろいろ言われる愛知県警。私は、これ以上犠牲者は一人も出さない、という愛知県警の姿勢は好ましいと思う。ヤワな理想主義で上等じゃないか。彼らはやれることをやった。銃弾が飛んでこない安全な場所から外野がとやかく言うことではないのだ。今までの日本が安全で実戦経験が少なかったということだ。長崎、町田、そして今回と立て続けに起きた拳銃事件を契機に立て直せば良いのだ。
 

 但し、このとき一番大切なのは、日本がどういう国でありたいか、というビジョンなのだと思う。そう大上段に構えずとも、どういう街に住みたいか、と言い換えてもいい。それは狙撃、強襲といったハリウッドアクション映画調の、見栄えはいいが、その反面、効率優先で個人の情が通じない殺伐とした社会ではないはずだ。信頼が崩れそうな時ほど、信頼を大切にしなければいけない。
 

 人生これからという時に殉職された林警部については、奥さんと生後1ヶ月の赤ちゃんが残されることになり、子を持つ身として悲痛な思いを禁じえない。だが、乱射された弾丸が防弾チョッキの上1cmの隙間を抜け致命傷を与えたという偶然の重なりは、悲しいことだが運命と考えるしかないだろう。場合によっては、犯人の至近距離まで接近し、負傷した木本巡査部長の救出にあたった部隊に被害が出てもおかしくない状況であったのだ。危険なところで命を張って市民を守ってくれる。だから警察官という職業は尊いのだ。
 

母親の子宮を借りた代理出産
不妊治療を試みる夫婦は10%にも及ぶという。この特集では、代理出産をとりまく状況と是非について、生まれつき子宮の無い女性の再現ドラマを交えて紹介された。
倫理(人を生殖の道具としてあつかうことにならないか)・安全(代理母が死亡する確率はゼロではない)・福祉(生みの親が子供を手放さない)という観点から日本産科婦人科学会は、代理出産を禁止している。一方、愛する人の子供が欲しい、という切実な希望に応えよう奮闘努力する医師がいる。
自分がその立場に立てば許容すべきだと思う。だが、それを自由放任した場合、学会が主張するような問題が発生するのは目に見えている。どちらの立場も、正しく、決然としていて立派だと思う。機が熟するまでは個々の自己責任でひとつひとつ実例を積み上げていく、・・・それ以外に道は無いのだろうか。
 

toto BIG 6億円祭り
これまでの繰越金で6億円が出るかも、というのでお祭り騒ぎ。当たるわけ無いさ、といいながら結果が出るまで夢を見る。寺銭を5割もせしめるのかと野暮なことは言いっこなし。システムダウンのニュースで付和雷同、Jリーグには全然関心無いのだけれど、夢は大きく6億円。いいんじゃないでしょうか。この際だからプロ野球も追従したらどうでしょう。

 
男子プロゴルフ・石川君15歳、最年少優勝
さわやかなニュースで締めくくりたいと思う。頑張れ、少年!

                          <2007.5.21記>


 
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【追記】
何だかここのところ、我らが滝川クリステルが輝いてきた。
小難しい論理を無力化する必殺、滝川スマイル! 
いい感じです。
 

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